2018年7月12日HP日本法人である日本HPは,エントリー市場HPの言うメインストリーム市場)に向けた新しいゲーマー向け製品ブランドHP Pavilion Gaming」(エイチピー パビリオン ゲーミング,以下 Pavilion Gaming)の内展開と,同ブランドの第1弾となるゲーマー向けPC計3シリーズと液晶ディスプレイ1製品を発表した。


 発表となったラインナップと直販価格,および発売日は表1にまとめたとおりとなる。


 合わせて日本HPは,ハイエンド市場向けとなったゲーマー向け製品ブランドOMEN by HP」の新ノートPCシリーズ「OMEN by HP 15-dc0000」の2モデルを同時に発表している。
 本稿では,7月12日東京秋葉原で行われた新製品発表会の情報をもとに,各製品をまとめて紹介しよう。


HP Pavilion Gaming Desktop 790&690

 Pavilion GamingデスクトップPCは,GPUGeForce GTX 10シリーズCPUに「Core i7-8700」を採用するシリーズの「HP Pavilion Gaming Desktop 790」(以下,Desktop 790)と,GPUに「Radeon RX 580」,CPUにはRyzen Desktop 2000シリーズを採用する「HP Pavilion Gaming Desktop 690」(以下,Desktop 690)という2シリーズ計4製品がラインナップされている。


 仕様は以下のとおり。なお,Pavilion GamingはBTOに対応していないため,ハードウェア構成は変更できない。

HP Pavilion Gaming Desktop 790-0011jpCPUCore i7-8700,メインメモリPC4-21300 DDR4 SDRAM 8GB×2,GPUGeForce GTX 1060 6GB,ストレージ:SSD 512GBPCIe)&HDD 2TBSerial ATA 6Gbps),OS64bitWindows 10 Pro,直販価格:18万8000円(税込203040円)
HP Pavilion Gaming Desktop 790-0012jpCPUCore i7-8700,メインメモリPC4-21300 DDR4 SDRAM 8GB×2,GPUGeForce GTX 1070,ストレージ:SSD 512GBPCIe)&HDD 2TBSerial ATA 6Gbps),OS64bitWindows 10 Pro,直販価格:208000円(税込22万4640円)


HP Pavilion Gaming Desktop 690-0023jpCPU:Ryzen 5 2600,メインメモリPC4-21300 DDR4 SDRAM 8GB×2,GPURadeon RX 580,ストレージ:SSD 256GBPCIe)&HDD 2TBSerial ATA 6Gbps),OS64bitWindows 10 Pro,直販価格:14万3000円(税込15万4440円)
HP Pavilion Gaming Desktop 690-0024jpCPU:Ryzen 7 2700メインメモリPC4-21300 DDR4 SDRAM 8GB×2,GPURadeon RX 580,ストレージ:SSD 512GBPCIe)&HDD 2TBSerial ATA 6Gbps),OS64bitWindows 10 Pro,直販価格:16万3000円(税込176040円)


 Desktop 790シリーズは,前面の中心線から左右に流れるようなヘアライン加工を施した金属製のフロントネルと,その中心で緑色LEDラインを外観上の特徴とした製品だ。
 筐体サイズミニタワークラスとのことで,GeForce GTX 1080クラスGPUを積んだグラフィックスカードも内蔵できるだけの余裕があるそうだが,見たはかなりコンパクトである。称本体サイズ155(W)×390(D)×369(H)mmとのことだ。


 抜き差し頻度の高いUSBポート類をフロントネルに多数装備しているのもポイントで,USB 3.1 Gen 2 Type-A×2,USB 3.1 Gen 1(=USB 3.0)Type-A×2,USB 3.1 Gen 2 Type-C×1と,計5ポートも前面に用意しているのは使い勝手の面で評価できるだろう。

 一方,AMDモデルDesktop 690シリーズは,Desktop 790シリーズよりもさらにコンパクトで,称本体サイズ170(W)×277(D)×338(H)mmとなっている。
 ただ,小化の影によるものか,フロントネルUSBポートはUSB 3.1 Gen 2 Type-A×2,USB 3.1 Gen 2 Type-C×1の計3ポートに減っていた。内蔵する電ユニットも,Desktop 790シリーズの上位モデルが出500Wを搭載しているのに対して,Desktop 690シリーズは出400Wのみだ。

 Desktop 690シリーズは,価格対スペックも見どころである。上述したスペックにもあるとおり,6コア12スレッド対応のRyzen 5 2600を搭載し,OS64bitWindows 10 Proを搭載した下位モデルが税込15万5000円弱,CPUを8コア16スレッド対応のRyzen 7 2700に変えた上位モデルでも税込16万円台前半というのは,ホワイトボックス系のゲーマー向けPCメーカーにも対抗できるレベルと言えよう。
 筐体サイズが小さく,電に余裕がない点を考慮すると,拡の余地は少ないだろうが,拡性よりも価格や大手PCメーカーの手厚いサポートを重視するなら,選択肢に入る製品ではないだろうか。


 さて,Pavilion Gamingブランドの液晶ディスプレイである「HP Pavilion Gaming 32 HDRディスプレイ」は,製品名からも想像できるとおり,32インチサイズHDR表示対応を売りとする製品だ。


 解像度2561440ドットのVA液晶パネルを採用しており,最大度は600cd/m2で,VESAHDR対応ディスプレイ規格である「DisplayHDR 600」に準拠していることも特徴であるという。
 ただ,AMDディスプレイ同期技術「FreeSync」には対応するものの,HDR関連技術の「FreeSync 2」には対応していない。また,最大垂直リフレッシュレートは75Hzとのことで,とくに高リフレッシュレート対応ではないあたりが,OMEN by HPブランドよりも下位となるPavilion Gamingブランドの製品である理由だろうか。


HP Pavilion Gaming 15

 Pavilion Gamingブランドから登場したノートPCHP Pavilion Gaming 15」は,CPUGPU,搭載OSなどが異なる6モデルラインナップされている。
 メインストリーム市場向けというだけあって,「クリエイターモデル」と呼ばれる最上モデルでも搭載GPUは「GeForce GTX 1050 Ti」であるため,ゲーム用途におけるスペックの高さを売りとする製品ではない。HPでも,本製品はゲーマーだけでなく,コンテンツ制作者などにも向けた高性PCという位置付けをしている。


 HP Pavilion Gaming 15のラインナップは以下のとおり。なお,搭載OSだけが異なるモデルは,1つにまとめて掲載している点には注意してほしい。

HP Pavilion Gaming 15-cx0054TXスタンダードモデルCPUCore i58300H,メインメモリPC4-21300 DDR4 SDRAM 8GB×1,GPUGeForce GTX 1050 4GB,ディスプレイ:15.6インチ 1921080ドット,ストレージ:HDD 1TBSerial ATA 6Gbps)&キャッシュ用Optane Memory 16GBOS64bitWindows 10 Home,直販価格:10万9800円(税・送料込12万1824円
HP Pavilion Gaming 15-cx0104TXパフォーマンスモデルCPUCore i7-8750H,メインメモリPC4-21300 DDR4 SDRAM 8GB×2,GPUGeForce GTX 1050 4GB,ディスプレイ:15.6インチ 1921080ドット,ストレージ:SSD 128GBPCIe)&HDD 1TBSerial ATA 6Gbps),OS64bitWindows 10 Home,直販価格:12万9800円(税・送料込14万3424円
HP Pavilion Gaming 15-cx0105TX,15-cx0106TXハイパフォーマンスモデルCPUCore i7-8750H,メインメモリPC4-21300 DDR4 SDRAM 8GB×2,GPUGeForce GTX 1050 Ti,ディスプレイ:15.6インチ 1921080ドット,ストレージ:SSD 128GBPCIe)&HDD 1TBSerial ATA 6Gbps),OS64bitWindows 10 Home(15-cx0105TX) / 64bitWindows 10 Pro(15-cx0106TX),直販価格:15-cx0105TX 14万9800円(税・送料込16万5024円) / 15-cx0106TX 15万7800円(税・送料込17万3664円)
HP Pavilion Gaming 15-cx0107TX,15-cx0108TXクリエイターモデルCPUCore i7-8750H,メインメモリPC4-21300 DDR4 SDRAM 8GB×2,GPUGeForce GTX 1050 Ti,ディスプレイ:15.6インチ 3842160ドット,ストレージ:SSD 256GBPCIe)&HDD 1TBSerial ATA 6Gbps),OS64bitWindows 10 Home(15-cx0107TX) / 64bitWindows 10 Pro(15-cx0108TX),直販価格:15-cx0105TX 16万9800円(税・送料込18万6624円) / 15-cx0106TX 17万7800円(税・送料込19万5264円)



 ラインナップ最下位のスタンダードモデルは,メインメモリシングルチャネル構成なのでお勧めできるものではないが,GeForce GTX 1050 4GB搭載のパフォーマンスモデルや,GeForce GTX 1050 Ti搭載のハイパフォーマンスモデルであれば,価格対スペックの点で評価に値するだろう。大手PCメーカー製の品質やサポートも考慮に入れるなら,エントリークラスゲーマー向けノートPCとして,選択肢に入ってくる製品ではないだろうか。


■OMEN by HP 15-dc0000

 OMEN by HPブランドの新ノートPCであるOMEN by HP 15-dc0000シリーズは,最大垂直リフレッシュレート144HzでNVIDIA独自のディスプレイ同期技術「G-SYNC」にも対応した15.6インチ,1921080ドットIPS液晶ネルを採用するのが大きな特徴の製品だ。


 搭載GPUの異なる2モデルラインナップされている。

・OMEN by HP 15-dc0076TXパフォーマンスモデルCPUCore i7-8750H,メインメモリPC4-21300 DDR4 SDRAM 16GB×1,GPUGeForce GTX 1060 6GBディスプレイ:15.6インチ 1921080ドット 144Hz対応,ストレージ:SSD 256GBPCIe)&HDD 2TBSerial ATA 6Gbps),OS64bitWindows 10 Pro,直販価格:19万9800円(税・送料込219024円
・OMEN by HP 15-dc0077TXパフォーマンスモデルCPUCore i7-8750H,メインメモリPC4-21300 DDR4 SDRAM 16GB×1,GPUMax-Q Design対応GeForce GTX 1070,ディスプレイ:15.6インチ 1921080ドット 144Hz対応,ストレージ:SSD 256GBPCIe)&HDD 2TBSerial ATA 6Gbps),OS64bitWindows 10 Pro,直販価格:219800円(税・送料込24万624円



 OMEN by HP 15-dc0000では,2017年モデルから筐体デザインを一新したのも特徴であるという。とくに顕著な違いは液晶パネルのベゼルで,上端と左右端の狭額縁化を実現したことで,フットプリントが一回り小さくなったそうだ。
 また,2017年モデルでは筐体後部の中央に配置していた2基のファンを,新製品では筐体後部の左右に分散配置。加えて,底面側の吸気孔と背面側の排気孔を拡大したことにより,冷却が向上して高性を持続的に発揮できるようになったとのことだ。


 なお,HPでは,統合設定ソフトである「OMEN Command Center」のWindowsストアアプリ化と,OMEN by HP 15-dc0000上で動作しているゲームをLAN経由で別のPCからリモートプレイできるようにする新機「OMEN Game Stream」をアピールしていた。ただ,同種の機は「Steam」も標準搭載しているわけで,あえてOMEN Game Streamでリモートプレイを行うメリットがどこにあるのかという疑問は拭えない。

 一見するとハイエンドに相応しい製品に思えるOMEN by HP 15-dc0000であるが,その仕様には重大な問題点が1つある。スペック一覧をよく見ると分かるが,メインメモリが16GBシングルチャネル接続になっているのだ。Windows 10タスクマネージャでも,2チャネルあるメモリチャネルの1つしか使っていないことを確認できたので,これは仕様のようだ。
 以前にもOMEN by HPデスクトップPCレビューで訴えたことがあるが,デュアルチャネル接続すべきメインメモリシングルチャネル接続に変えるだけで,ゲームにおけるPCの性は,搭載CPUを1ランク下げるのと同じかそれ以下まで低下する。仮にもハイエンド市場向けを謳うゲーマー向けPCで,このような商品構成はあり得ないと断言していい。

 残念なことに,OMEN by HP 15-dc0000は今のところBTOによるハードウェア構成の変更に対応しておらず,8GB×2や16GB×2という構成は選べない。OMEN by HP 15-dc0000を本気でゲーマーに売るつもりでいるなら,早急メインメモリデュアルチャネル構成を選べるようにすべきであろう。

リンクHPのゲーマー向け製品情報ページ


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関連タイトル
HARDWARE HP Pavilion Gaming(旧称:HP ENVY,HP Pavilion)

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HP,エントリー市場向け新ブランド「HP Pavilion Gaming」の国内展開を発表。第1弾はデスクトップPCとノートPC,HDR対応液晶ディスプレイを用意