7月8日から始まった名古屋場所は、ほかの場所と比べて力士との距離が近いです
7月8日から始まった名古屋場所は、ほかの場所と比べて力士との距離が近いです

『週刊プレイボーイ』で連載中の「ライクの森」――。人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。今回は、実は名古屋生まれだという彼女が、"名古屋のいいところ"を教えてくれた。

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私が生まれたのは愛知県名古屋市なんですが、生後4ヵ月で東京に引っ越したので、名古屋に住んだ期間はほとんどありません。でも、親戚が名古屋や岐阜に多いので、昔からなじみがある土地です。

最近、そんな名古屋に縁のある人間にとってショッキングな本を友達からのいやがらせでいただきました。その名も『名古屋はヤバイ』という新書なんですが、中身はまあ悪口のオンパレード(笑)。

名古屋人はケチでセコくて見えっ張りで人のものをパクるとか。本の中に少しだけ名古屋を褒めている部分もあるんですが、家康の教えを受け継いでるとかフィギュアスケートが盛んだとか、それほど大したことない話ばかりなんです。

実際、名古屋市が実施した日本八大都市のブランド・イメージ調査では、「最も魅力に欠ける都市」1位、「買い物や遊びに行きたくない街」1位など、目も当てられない結果も出たので、人気がないことは否定できません。

そんな悪く言われてばかりの名古屋ですが、いいところもいっぱいあるんですよ。まず、交通機関が発達していて、東京・大阪も十分に日帰りで行けるところ。私の経験上、東京や大阪の会場だとすぐ売り切れるアーティストのライブのチケットも、名古屋だと取りやすかったりするので、どうしても行きたいライブがある方は名古屋公演を狙ってみてください。

もちろん、"名古屋めし"といわれる名古屋の食は外せません。基本的に味の濃いものが多いんですが、ここでしか味わえない独特なグルメが発達しているんです。

まずは「とんちゃん」。これは、味噌に漬けた豚のホルモンの焼き肉のことですね。ちょっと焦げた味噌の香ばしさとホルモンの食感がたまりません。特に「とんちゃんや ふじ」は、私も名古屋に行くたびに足を運びたくなるお店です。煙もくもく系の店内で、自分も燻いぶされながら食べるとんちゃんは最高です(笑)。

それから、ぜひ食べてほしいのが名古屋のおでん。これも味噌で味つけしているんですが、タネを串で刺しているところや、里芋が入っていることが名古屋おでんの特徴です。

「とん八」という老舗店では、なんと65年以上つぎ足したタレを使っているそうです。グツグツと煮えたぎる真っ黒なタレはいかにも味が濃そうですが、実際はさっぱりしていてスナック感覚でいただけますよ。

ほかにも、味噌カツなどいろんな名古屋めしがありますが......。え? なんにでも味噌を使ってるだけ? 確かにそうです(笑)。名古屋めしに慣れると、普通のとんかつを食べている人を見ると「味噌をかけるチャンスなのに、もったない!」という思考が働いてしまいます。

そういえば、うちの実家のお味噌汁は赤味噌を使っていました。大人になるまで、どこの家庭でも赤味噌が普通だと思っていたんですが、これも名古屋の文化ですね。

よくよく考えると、私がジャンクな食べ物や味の濃いものが好きなのは、アメリカの食文化だけではなく、名古屋の影響もあるかもしれません。

名鉄をはじめ、ほかにも名古屋にはいいところがたくさんあるので、皆さんにご紹介していきたいです。

●市川紗椰(いちかわ・さや)
1987年2月14日生まれ。アメリカ人と日本人のハーフで、4歳から14歳までアメリカで育つ。現在、モデルとして活動するほか、J-WAVE『TRUME TIME AND TIDE』(毎週土曜21:00~)、MBSラジオ『市川紗椰のKYOTO NOTE』(毎週日曜17:10~)などにレギュラー出演中。台湾ラーメンで有名な「味仙」や、カレーの「CoCo壱番屋」をはじめ、名古屋には激辛文化もある

7月8日から始まった名古屋場所は、ほかの場所と比べて力士との距離が近いです