パ・リーグ82勝、セ・リーグ78勝。

 長い歴史られたスタープレーヤーの競演。今年はどんなドラマが生まれるでしょうか。プロ野球マイナビオールスターゲーム2018」いよいよ、今開催です。

12球団のホーム感を出すために

 セ・パ交流戦も定着し、リーグ間の対決という意味ではやや新鮮味を失った感もあるオールスターゲームですが、それでも「この人のプレーが見たい!」というファン投票などによって選ばれた選手が、混成のチームで対決する夢のひととき。毎年、見どころいっぱいですが、個人的には投手が投げ、上原投手がそのあとを受けて投げる……なんていうのは楽しみのひとつです。メジャーから復帰した存在感あるベテランと、何年ものあいだ故障と向き合って苦しみ抜き、遂に1軍へ復帰した男の姿を一堂に見られる幸せ

 第1戦、今の会場は京セラドーム大阪です。ここでの開催は、旧・大阪ドーム時代を含めて5回オリックス・バファローズの本拠地となってからは3回となります。

 過去2回は、私が場内アナウンスを担当させていただきましたが、パ・リーグフランチャイズ球場でありながら、セ・リーグの選手にも気持ちをいっぱい込めてコールしました。普段とはちょっと違う準備をして、マイクの前にドキドキしながら座ったのを今でも鮮明に覚えています。

 前回・2012年の時には、各球団から選手の紹介ビデオをお借りして、それをスタメン発表時や打席に入る際に上映しながら“12球団のホーム感”をビジョンで演出し、ラッキー7の際には全球団の応援歌メドレー形式に編集して流すなどしました。

 また、12球団のマスコットやチアが一堂に集結し、和気あいあいとしたところが見られるのも、オールスターの楽しみのひとつです。それぞれのキャラクターの特徴をうまく生かしながらお客さまに楽しんでいただこう……というのもコンセプトにあり、イニング間に出番を作ってアピールしてもらいました。

 さらに、マリーンズのこなつさんやホークスDJ MAXさんにもご来場いただき、アナブースやグラウンド上での共演をさせていただいたのも楽しい思い出です。そういや、こなつさんはウグイスやりましたよねー。

 そして、オリックスといえばクローザービデオ発祥の球団。あの時は、タイガース藤川球児投手映像を用意していたのですが、出番がなく、お蔵入りになっちゃった……というのは、ココだけの話です。今年はどんな演出で野球ファンを楽しませてくれるでしょうか。

普段のリズム感とは違う? オールスター演出のウラ側

 試合前後のイベントやセレモニーは、基本的にはNPBと代理店が大を作るのですが、それ以外の領域は、実施する球場フランチャイズ球団が仕切ることになるので、独自のカラーを出すことができます。

 イニング間は、会場の担当球団によって様々なイベントが行われます。私が担当した2回とも、オリックス球団が普段の試合で行っている、お客さまを巻き込むスタイルイベントを中心に、“うちの球場らしさ”を訪れた人たちにアピールしました。

 他球団の名物の出し物や、ない球団はチームの特色を生かした出し物をこちらで考えて行いました。ビジョンに映ったお客さまに、巨人・原監督のグータッチをやってもらうコーナーでは、最後、原監督ご本人にもやっていただき、場内が盛り上がりましたねー。

 ただ、そのイニング間の時間が曲者なんです。NPB2010年に通達した規約では、「前の攻撃の第3アウトが宣告された時点から2分15秒以内に、次のイニングのプレーを開始する」ことになっています。

 しかし、オールスターゲームではこれが適用されず、私が担当していた時には「必ず2分30秒以上、マージンを取るように」というお達しが出ていました。それは、テレビ地上波の中継がイニング間に充てるCMの時間を長めに設定していたからです。このため、普段のリズム感で行動していた選手たちはじれてしまい、行きたがる選手などは、ベンチの前に出てキャッチボールをしたり、グラウンドに先走っちゃう人もいましたっけ。

 そりゃそうでしょう。2分30秒以上って、ビートルズだったら1曲演奏しきっちゃう時間です。おかげでイニング間のイベントは充実しましたが、選手たちにとっては少々やりづらい。そんなリズム感だったと思います。

 普段は「時短だ! 時短だ!」と、現場に上から目線で時間の短縮を厳命しながら、こういう時には「延ばせ」というダブルスタンダード。試合時間の遅延で中継の時間に収まりきれず、途中で打ち切るなんていうナンセンスな出来事も過去にはありました。CMが多すぎて、中継に切り替わったらもう次のイニングもワンアウトになっていた……とか、大事な間を生で中継できていなかったなんていう事はザラで、自ら中継の醍醐味を削いでいるのと同じです。仕切っている広告代理店の存在も大きいのでしょうが。

 選手の交代はオープン戦並みに頻繁で、イニング間のイベントも盛りだくさん。普段のリズム感とは違った状況で試合が進む。ゆっくりその場の空気を楽しみながら……というほどのゆとりは、正直、私にはありませんでした。気がつけば「終わっていた」という感じです。

 きょう、第1戦の場内アナウンスを担当するのは、今年デビューしたばかりのバファローズボイス・ナビゲーター、神戸さん。いろいろ大変だと思いますが、ぜひ良いパフォーマンスで訪れた人たちを魅了して下さい。

 ずっとパ・リーグを応援してきた身としては、今年もパ・リーグの選手の、特に、京セラドームを本拠地とするバファローズメンバーの活躍に期待したいなぁ。全投球が気持ちいい守護増井浩俊投手をはじめ、コンパクトボディにフェラーリエンジンを積んだような強さの吉田正尚選手はホームラン競争も期待です! さらに、守護につなぐ絶対的なセットアッパーとしてフル回転する2年山本由伸投手テンポのいい投球がチームの勝ち頭、アンドリュー・アルバース投手。「プラスワン投票」で滑り込んだ堅守の安達了一選手と、多士済々。全中継だし、いいプレーバファローズの名前をしっかりアピールして欲しいというのが、切なる願いです。そして、スワローズ坂口智隆選手やタイガース糸井嘉男選手が、古巣の京セラドームに凱旋するのも楽しみです。

 セ・パのドリームチームによる球宴。ワクワクするような試合を期待したいですね。

※「文野球コラオールスター2018」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイトhttp://bunshun.jp/articles/-/8171HITボタンを押してください。

堀江 良信)

初めて担当した2008年のマイク周辺。選手リストは自作。出場した選手を消してゆき、誰がベンチに残っているかを意識しながら、交代のアナウンスに備えます。 ©堀江良信