6月26日放送の『THE JASRAC SHOW!」vol.68』にて、『ストリートファイターII』、『スーパーマリオRPG』、『キングダムハーツ』など、人気ゲーム音楽を数多く手掛けた作曲下村陽子さんが登場。

 同じく作曲大森俊之さん作詞木本慶子さんと、下村さんがゲーム音楽作曲時に心がけるポイントや、ゲームにおける音楽の重要性について、クリエイターならではの独自の線でりました。

左から大森俊之さん木本慶子さん下村陽子さん

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ゲームは「音楽がなくても」遊べてしまう

木本
 アニメ監督でも、ゲーム監督でも、音楽はその作品のすべてをる。だから音楽が入って、作品に命が吹き込まれたみたいな感想とか、コメントとかがあると大変にうれしいんじゃないかと思うんですけれども。

下村
 そうですね。私自身はやっぱり、極端なことを言ってしまうと、ゲームって、音楽がなくても遊べてしまうんですよね。最近はスマホゲームとかでも音楽が付いてますけど、これが、昔の携帯ゲームとかって、ちょっとした音楽が付いて、結局みんなそれを聞かないでプレイしたりとか、スマホとかでも、自分の好きな曲を聴きながらプレイする人とかもいるって聞くので。

 なので、音楽って、実際はなくても成り立つけれども、それでもやっぱり、「この音楽だからこそ、このゲームが流行るよね」というふうに言ってもらえるような。そういう縁の下のちみたいな感じではいつもありたいとは思っています。

大森
 しすぎないけれども、世界観を完成させるための重要なひとつのパーツみたいな感じですか?

下村
 そうですね。結構、ピタッと合っているときは、意外と注されないけれども、合わないときには結構ぼろくそに言われる。立ちはしやすいんじゃないかとは思いますね。

大森
 ずっと違和感なくプレイしていて、気が付いたら、このメロディー結構入っているなって、注される。

下村
 本当に私、自然でいいなと思うのは、プレイしているときは本当に、意識せずに面ゲームとかだと、音楽を聞く暇もなくガンガン戦ったりとか、結構あると思うんですよね。なので、その曲を聞きながらずっと戦っているけれども、ゲームから離れて、何気に皿洗いとかしているときに、ついそれを口ずさんじゃう。

大森
 鼻歌していたりとか。

下村
 そういう感じで、自然に人の心とか、記憶に入っていく曲だったらいいなってのは、いつも思っています。

木本
 やっぱりゲーム好きから言わせてもらうと、アクション系ももちろんそうだと思うんですけど、ストーリーが絡んでくると、その音楽ですべての思い出とかがよみがえる。

大森
 シーンとか、セリフだけじゃわからないけど、音楽で残るというのはありますよね。

音楽によってゲームのストーリーが「自分の話」にもなる

木本
 映画とか、アニメとかと違うのは、自分が戦ってたり、自分がその世界に没入していって、いわゆるゲームが自分の話にもなるわけですよ。そうすると、「あの時苦労したな」とか、「あそこで感動したな」とかがよみがえってきて。

下村
 さすが、プレイしていた人の言葉はありがたいことでございます。

大森
 ゲームクリアするまでって、相当な時間を使うんですか?

木本
 ゲームによるんですけど、割と長いのは。

大森
 2、3時間で終わるなんてレベルじゃない? 何十時間?

木本
 『パラサイト・イヴ』に関しては、だいたい15、6時間。

パラサイト・イヴ

大森
 最近のなんかだと、もっと長いですね。

木本
 そうです。

大森
 それだけ長い時間、音楽を聞いていて、自然に受け入れられるってなかなか大変ですよ。普通映画とか2時間あっても、全部に音楽が付いているわけでなくて。で、なんかうまく印付けるとか考えると、何十時間の設計になったりして、全然、考え方が違いますよね。

下村
 そもそも設計というのが、ユーザーさんがフィールドの曲を何分聞くかとか、全然わからないので、ゲームがどんな状況にあっても耐えられる曲というのが、とにかく絶対必要。もちろんいい曲を作りたいとは思っているんですけど、まずは、いい曲とかである前に、絶対に不快感が出ない曲にしようというのは、根底にあります。

大森
 悪立ちがよくないんですね。

下村
 そうです。結局、「このフィールドの曲、むかつくんだけど」とか言われると、みんな、そのフィールドに対して嫌な印になっちゃうじゃないですか? それとは逆に「このボス音楽がかかったら不愉快な気分になる」というのは、狙いでできると思いますよね。

 でも、別にそんなに不快感のあるフィールドじゃないのに、曲を聞くと嫌な思い出しか出てこないとか、その曲が(フィールドの)マイナスになったりするっていうのは絶対に避けたいので、とにかくずっと聞いていても負担にならない、が聞き疲れしないようなものを、というのは意識してますね。

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