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外見80点のあい子が「勝った」と思った合コンに、刺客が登場。思いもよらない方向へと動き出します。

が「ごっめん!!」と個室に入ってきた。いや、そんな遅れてないし気だよ。てか、の出番今日ないかもなんて思ってを見ると、パサっとしたをひっつめたポニーテールマサイ族のかよっていうの大ぶりのピアス、体がすっぽり隠れる、もう質感がゴザ並みの大きめな麻のシャツ。まじで男友だちのを盗んだのか疑いたい。ある意味ボーイフレンドデニム

いやあのさ、例えばボーイフレンドデニムを一番セクシーに履けると認定している井川様がこの格好だったらさ、私も許すよ? じゃないんだし。でも当の様とはちがう。うん、ぜんぜんちがう。日焼け止めさえ塗ってるのか疑いたくなる化粧っ気のなさ。その姿に中学時代のソフトボール部にいた同級生を思い出してしまう。

男性もちょっとポカンはそんな様子お構いなしにハキハキとしたで「仕事が立て込んで少し遅れました! ごめんなさい」とお詫びした後、私が狙いを定めたサッカー部の向かいにドスンと座った。てめえ……。

気を取り直して、飲み物とさっぱりした前菜っぽいアラカルトを数品、由美と手分けしてささっと手配。ここで、体育会系男子のために、なんかガッツリしたものも頼みましょうよと提案するのも忘れない。やたら低カロリーのものばかり頼まれると男性は物足りないのだとマイナビウーマンが教えてくれた。

チキン南蛮!!」

すこぶる元気のいいが聞こえたほうを見ると、それはだった。

チキン南蛮……。チキン南蛮って、たっぷりと衣をつけた鶏肉を揚げて、さらに甘辛いタレを絡めて、トドメの一撃のタルタルソースでしょ。あんなの食べたら私、罪悪感で2日は何も食べられない。

「え、めっちゃおすかせてきたの?(笑)」とサッカー部が引き気味。

チキン南蛮嫌い? めっちゃおいしくない? 私大好きなの!」

「いや、嫌いな男はいないけどさ、ほら30すぎるとがやべえなって……。ちょっと気にするんだよ」

「そんなこと気にしてんの!! 私もおやばいけど、いいじゃん、おいしいもの食べよーよ。人生は一回だよ、今日は一緒にチキン南蛮食べよう。おいしいもん」

はにっこりと笑った。そのときだ。なぜか私もチキン南蛮を食べたくなったのである。悪魔の食べ物くらいに思ってたあのハイカロリーを、何も考えず性にってみたいと思ってしまった。

その一皿が届いたあと、サッカー部はホクホクのチキン南蛮を一口ガブっとかじり、ビールを飲んだ。「ああ!! うめえええ!!」と言いながら、嬉しそうにを見た。

笑顔で頷いて、サッカー部より大きなチキン南蛮を遠慮なく大きな口でった。

「なんかうまそうだな。も食べたい」

由美が狙うラガーマン。「取り分けようか?」と由美が焦る。ぼんやり、このラガーマンは亭関白になるんだろうなと思う。

「いや、これは俺らで食べるから、そっちも頼みなよ!」

俺らはこの合コン開始15分でこのサッカー部と何かを“共有”できている。おいおい、何事だよ。

胸すぎるもう一方のラガーマン(もうめんどくさいのででいい)が、じゃあこっちも2皿頼もうと提案。

この後は、チキン南蛮が好きで宮崎まで旅行したエピソードや「カイ大学はえっとね、ぶっちゃけノリと勢い」という理由を告白男性を笑わせたり呆れさせたり、彼らを楽しませた。

でもやっぱりその雰囲気は、一緒に話す部活の友だちのような領域をえない。由美や私は会話こそ少ないが、男たちは女の子としてていねいに優しく扱っていた。当然だ。に私と由美が負けることなどないのだ。隣の席のは常に、私に「飲み物は大丈夫か?」と聞いてくれたし、由美が狙っているラガーマンから頭をポンポンとされているのも撃した。女の子扱いされるって、なんでこんなに優越感に浸れるんだろう。そんなにがんばって話さなくても、私は大丈夫。というの優越感。

でも、「芸人でいうとタイプ?」という話題で事態は一変する。

次回、のあるひと言をきっかけに、男性の態度がガラリ。あい子の優越感はガラガラと音を立てて崩れ落ちます。

次の更新7月20日です。

(文:桑野好絵/マイナビウーマン編集部、イラスト黒猫まな子)

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