当社は、このたび、国立大学法人 筑波大学との共同研究*により、ビタミンB1誘導体フルルチアミンが自発的な身体活動性を高めることを発見し、本研究成果がオンライン科学誌『Scientific Reports』に7月11日付で掲載されたことをお知らせします。
運動と生活活動を合わせた身体活動は、身心の健康維持・増進に有効ですが、その継続は難しいことが知られています。生活が便利になるにしたがい運動不足や歩数の減少が生じ、身心の活低下が社会的な問題となっており、人びとが運動に意欲的に取り組み、日常的な身体活動性を高める方策の開発は現代社会のニーズであると言えます。

本研究では、ラットフルルチアミンを投与した際の自発行動量および前頭葉(特に前頭前皮質)のドーパミン濃度を、自発行動量を測定しながら内の神経伝達物質を生体下で定量できるマイクロダイアリシス法を用い、測定しました。その結果、フルルチアミン投与はラットの自発行動量を高め、その増加と同時に前頭前皮質内のドーパミン放出が増加しました(図1)。

次に、フルルチアミンが自発行動を高めるときのドーパミン受容体の関与を明らかにするため、ドーパミン受容体拮抗(D1拮抗:SCH23390、D2拮抗:Sulpiride)を前頭前皮質へ投与し検討しました。その結果、ドーパミンD1受容体の阻フルルチアミン投与で高まる自発行動量を抑制したことから、フルルチアミン投与で高まる自発行動は前頭前皮質のドーパミンD1受容体を介するということが示唆されました(図2)。

最後に、自発運動に対するフルルチアミンの影を検討するため、輪回しケージを用いてフルルチアミン投与後の走行量を検討したところ、フルルチアミンの投与濃度依存的に輪回し走行量が高まることを見出しました(図3)。

これらの結果は、フルルチアミンが前頭前皮質のドーパミン放出量を高め、ドーパミンD1受容体を介して自発行動を高めることを示します。

本研究結果は、フルルチアミンが自発的な身体活動性を高め、身心の健康維持・増進に役立つという新たな可性を示唆するものです。今後、疲労の回復・予防をはじめとしたフルルチアミンの様々な効果に関して、本研究成果の活用が期待されます。

当社では今後も引き続き、フルルチアミンに関して研究を継続してまいります。

原論文情報
【題 名】
Thiamine tetrahydrofurfuryl disulfide promotes voluntary activity through dopaminergic activation in the medial prefrontal cortex

【著者名】
Masato Saiki 1, Takashi Matsui 1,2, Mariko Soya 1,Tomomi Kashibe 1, Takeru Shima 1, Takeshi Shimizu 3, Takehiro Naruto 4, Takahito Kitayoshi 4, Kouji Akimoto 4, Shinji Ninomiya 4 and Hideaki Soya 1,2
1. Laboratory of Exercise Biochemistry and Neuroendocrinology, Faculty of Health and Sport Sciences, University of Tsukuba.
2. Sports Neuroscience Division, Advanced Research Initiative for Human High Performance (ARIHHP), University of Tsukuba.
3. Sports Research and Development Core, University of Tsukuba.
4. Takeda Consumer Healthcare Company Limited.

【掲載誌】
Scientific Reports
DOI: 10.1038/s41598-018-28462-2
https://www.nature.com/articles/s41598-018-28462-2
※本件に関する筑波大学の発表はこちら(http://www.tsukuba.ac.jp/attention-research/p201807131400.html)をご参照願います。

*(筑波大学 研究グループ
体育系 ヒューマンハイパフォーマンス先端研究センター
征矢英昭 センター長教授
松井崇 助教
征矢茉莉子 研究員
才記壮人 大学院生

図1.フルルチアミンは自発行動量と前頭前皮質のドーパミン放出を高める
A:総行動量 B:2分毎の行動量 C:前頭前皮質ドーパミン濃度変化率 D:前頭前皮質セロトニン濃度変化率 *: p < 0.05、**: p < 0.01 vs 生理

図2.ドーパミンD1受容体の阻フルルチアミンで高まる自発行動量を抑制する
A:総行動量 *: p < 0.05 vs 生理+人工脊髄液群、##: p < 0.01 vs フルルチアミン+人工脊髄液群 
B:2分毎の行動量 **: p < 0.01 vs 生理+人工脊髄液群
D1受容体拮抗SCH23390、D2受容体拮抗:Sulpiride

図3.フルルチアミン投与は輪回しケージにおけるラットの自発走行量を濃度依存的に高める
A:総走行距離 B:10分毎の走行距離 *: p < 0.05 vs フルルチアミン 10 mg/kg群、**: p < 0.01 vs 生理

以 上

配信元企業武田コンシューマーヘルスケ株式会社

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