脚の付け根がズキズキ痛んで辛い、と悩んでおられませんか?それは脚の付け根の関節である股関節が痛んでいるかもしれません。股関節に障害があると、歩くことに大きく支障が出る場合があります。そのため早期の治療が重要です。今回は、股関節が痛むときに考えられる病気について紹介します。

股関節ってどんな関節なの?

股関節は人間の関節の中で最も大きな関節です。脚の付け根にあたる関節なので、体重をしっかり支えて歩くために非常に重要な役割を果たします。

太ももの骨(大腿骨、だいたいこつ)の付け根にあたる大腿骨頭(だいたいこっとう)に骨盤の寛骨臼(かんこつきゅう)が覆いかぶさるようにして関節を作ります。大腿骨頭は球状なので、他の関節に比べて動ける範囲が広い特徴もあります。そのため、いざ股関節に障害が生じてしまうと、様々な動きが制限されてしまいます。

股関節に痛みが生じたときに考えられる原因5つ

歩いているときに体の衰えを痛切に感じる男性

股関節が痛む原因には、加齢や使い過ぎによって生じる変形、怪我・転倒・事故の衝撃による骨折などがあります。歩く際に常に体重がかかる関節であるため、どの原因であっても歩行時に痛みが出ます。

股関節の痛みの特徴としては、歩行や階段昇降などの股関節に体重がかかると痛みが悪化する、爪切りや靴下を履くなどして股関節を深く曲げると痛みが強くなる、胡坐(こざ、あぐら)をかこうとすると痛みが強くなる、といったものが挙げられます。

また、股関節に何らかの異常を抱えたまま体重をかけていくことで、将来的に関節の変形を引き起こすリスクもあります。

股関節が痛くなった時に考えられる原因を5つ紹介します。股関節の痛み以外に自分の症状と当てはまる部分がないかどうか、チェックしてみましょう。

変形性股関節症

股関節の軟骨がすり減り変形が起こることで、痛みや関節の動きが制限されていきます。変形は進行していくため、最初は歩くなど動いているときに痛んでいたものが、安静時でも痛みが生じるようになります。股関節の動く範囲(可動域)が狭くなり、また、日常生活で屈んで行う動き(草むしりや靴下を履くなど)も難しくなります。

変形性股関節症比較的女性によくみられ子供の頃に股関節の病気をしていた方や、怪我がきっかけになることも多いです。大腿骨頭に覆いかぶさる寛骨臼の発育が悪く、大腿骨頭へのかぶりが浅くなってしまっている臼蓋形成不全も原因の一つです。生まれつきの場合と、成人してから寛骨臼の変形を指摘されるケースがあります。

大腿骨頭壊死

大腿骨頭の血流が低下することで、骨の細胞の一部が壊死してしまう病気です。ステロイドを服用している方や、アルコールを多飲している方などは発症のリスクが高くなることが指摘されています。はっきりとした原因がわからないものも多く、それらは特発性大腿骨頭壊死といいます。

壊死が進行してその場所が潰れてしまうため、突然股関節に痛みを生じます30歳〜50歳代に多くみられ、女性より男性が発症しやすいです。

関節唇損傷

関節唇とは寛骨臼の内側にあり、大腿骨頭を覆うように付いている軟骨の一種です。関節唇は関節を安定させ、衝撃を吸収する役割があります。スポーツなど同じ動きを繰り返すと関節唇を傷めやすくなります。股関節で寛骨臼と大腿骨頭が衝突してしまう状態を大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)といいます。

関節唇が損傷すると、脚を組んだり、胡坐をかいたりしたときなどに、痛みや股関節が引っかかるような違和感を覚えます

大腿骨近位部骨折

大腿骨近位部は大腿骨頭から下につながる大腿骨の部分で、腿骨頸部(たいこつけいぶ)、転子部と近位骨幹部とつながります。この部分で起こる骨折はそれぞれ、大腿骨頸部骨折、大腿骨転子部骨折、大腿骨転子下骨折といわれ、総称して大腿骨近位部骨折と呼びます。

多くの場合には転倒や転落などの外傷がきっかけで起こりますが、外傷がなくても起こることもあります。骨粗鬆症が原因となることが多く、高齢者を中心に受傷する患者さんがよくみられます。中には、骨粗鬆症の治療薬の副作用として起こることもあります。

関節リウマチ

関節にある滑膜が異常に増殖して炎症を起こし、進行すると軟骨や骨を破壊してしまう病気です。

関節リウマチは手足の指のこわばり、腫れ、痛みや変形といった症状から始まります。進行すると股関節などの大きな関節でも痛みや変形を生じ、歩行に悪影響を及ぼします。

股関節以外に病気があるときも

股関節が痛いと感じていても、病気が股関節以外にあることがあります。

まずは本当に股関節が痛いのかを判断することが大切です。お尻や太ももが痛いときも股関節が原因だと思ってしまっていないでしょうか。股関節に問題あるときは、鼠径部から股関節外側にかけて痛みが生じることが多く、通常は下腿や足先までは痛みが出ません。

また股関節に病気があるときには、体重がかかったり、足を深く曲げたり、胡坐をかいたりすると痛みが悪化します。このようなことがない時には、腰からの神経痛が原因ということもあります。診断と治療を行う上でも、痛みの箇所をしっかりと把握することはとても重要なのです。

まとめ

股関節は歩行に大きな影響を与える非常に重要な関節です。様々な原因によって痛みを生じますが、放置すると関節の変形を助長する場合もあります。痛みが気になる場合は、放置せずに早めにお近くの整形外科を受診しましょう。

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