スペインでのプレー経験も持つ、琉球背番号13

 第15節から沼津、盛枝を相手に怒涛の3連勝を記録し、とうとう首位に浮上した琉球。今節はディフェンディンチャンピオンながら、9位とやや苦しんでいる秋田ホームに乗り込みますが、このゲームではここ2試合で4得点を叩き出すなど絶好調と言って良さそうな、琉球の13番を背負う中川希に注したいと思います。

 武南JYで技を磨く中学時代を過ごした中川は、その流れをんで名門の武南高校へ進学。高い技術を生かしたプレースタイルで1.5列的な役割を担い、チームの攻撃の中心として躍動していました。彼が高校3年だった2013年はまだ高円宮杯プリンスリーグ関東が2部制だったこともあり、2部に所属していた武南の試合も何試合も見に行っており、そのプレーはハッキリと記憶に残っています。

 当時の武南は2012年インターハイで全準優勝にいた際、今シーズンから東京武蔵野シティFCプレーしている鈴木裕也など、3人の2年生が大会優秀選手に選ばれていました。最上級生となった彼らの評価は非常に高く、3年になってレギュラーを奪取した中川テクニックボールの引き出し方は十分にを引くレベルにあり、個人的にはチームの中でも「一番面いかなあ」と感じていた選手でした。

 高校卒業後は関東学院大学に進学したものの、負傷もあってなかなか実戦経験を積めない日々が続きましたが、2015年に「『人生で1回くらいは海外やってみたいな』と中学生くらいから思っていた」という夢を実行に移し、単身スペインへ。マドリードのバジェカスCFCDティス・サン・イシドロで2シーズンに渡ってプレーした後、テスト生を経て、昨年8月琉球へ加入します。実は同い年のチームメイトでもある富樫佑太スペインでのプレー経験者。時期的には重なっていないものの、2013年プリンス関東で対戦していた2人が、ともにスペインという共通項を得ながら、沖縄の地で再会するというのも、不思議な運命を感じずにはいられません。

 プロ契約を勝ち獲って臨んだ今シーズン。「今のチームめられているのはボールを収める役割なので、正直得意ではないんですけど(笑)、自分なりに工夫しながら、やりやすいやり方を考えています」と話したように、4-2-3-1を採用するチームの最前線で起用されるなかで、開幕3試合で2得点と幸先良いスタートを切ります。6月以降は4-1-4-1の中盤センターを務めることが多く、攻守両面で高い貢献度を示しつつ、アシストも積み重ねていったものの、なかなかゴールに恵まない時期が続きます。

 そんな中川爆発したのは前々節のアウェイ戦。23分に播戸二のアシストから、リーグ戦では12試合ぶりのゴールを記録すると、80分には快なヘディングを叩き込んだ上に、終了間際の90+7分にも右からのクロスを受け、ダイレクトボレーをゴールネットへ突き刺し、圧巻のハットトリック。さらに前節の枝戦でも先制点を挙げれば、富樫佑太ゴールアシストして、チームも3連勝を達成。これで6ゴール7アシストとなった中川が、琉球の重要なピースとなっていることに疑いの余地はありません。

 秋田は前々節まで3戦敗を続けていましたが、ホームで戦った前節の相模原戦は1-2で4試合ぶりの敗戦。ホーム連敗は許されない所です。ここは中川のさらなるブレイクを願いつつ、ゲームも勢いに乗る琉球が勝ち点3を、を越えて持ち帰ると予想。「2」で勝負したいと考えています。

帝京高校で頭を現した、富山22

 前節は長野に0-5で大敗を喫し、今シーズン2度の連勝を逃した15位の富山が、群馬戦が大の影で延期になり、1週間ゲーム間隔がいた5位の鳥取と対峙するホームゲーム。この一戦からは、ここ2試合続けて後半途中からピッチへ送り出され、ようやく自身の“シーズン開幕”を迎えた富山22歳をご紹介します。

 関根大や広瀬陸斗と浦和レッズジュニアユースで同級生だった下大は、2011年に名門のカナリア軍団・帝京高校へと入学。2年時からメンバーには絡んでいたものの、なかなか定位置を獲得するまでには至りませんでしたが、最上級生になってその圧倒的な高さを生かした得点感覚が開。9番を背負ったセンターバックとして、都内でも知られる存在になっていきます。

 先から取材に行ったゲームのほとんどでゴールを決めていた下は、センターバックを基本ポジションに置きながら、得点が欲しい場面では最前線でプレーするなど、田中マルクス闘莉王を思わせる“DFW”的な立ち位置で、攻守におけるチームキーマンに。とりわけヘディングの打点の高さと強さは、間違いなく当時の都内ではナンバーワン。複数得点もざらにマークしながら、頃に見に行ったリーグ戦ではフォワード起用に応えて、ハットトリックを達成。その内訳も30mクラスボレー、PK、ダイビングヘッドバリエーション豊かなラインナップを誇るなど、その値を自らどんどん引き上げていった印がありました。

 当時から「高さが一番のストロンポイントで、そこで負けたら通用しなくなってしまうので」とストロングは認識済み。ややプレー中にイライラを見せるような一面もありましたが、そこもメンタルの強さとは一重の部分。ある意味プロ向きの性格でもあった下は、帝京での3年間を経て、高卒ルーキーとして松本へ加入。熱狂的なサポーターで、プロキャリアスタートさせます。

高校だったらミスして当たり前という所も、絶対ミスしてはいけないですし、そのへんは凄いなと思いますね」とプロトレーニングの感想を口にしていた1年は、8月リーグデビューこそ飾ったものの、3試合に途中出場してノーゴール2015年クラブの昇格とともにチャレンジが期待されたJ1でしたが、公式戦での出場機会は最後まで訪れず、プロ3年2016年シーズンリーグ戦での出場は1試合もなし。翌シーズンからは富山へ新地をめ、全移籍でサッカーキャリアの勝負に打って出ました。

 迎えた2017年シーズンフォワード起用が増えていくなかで、第15節の北九州戦ではJ-22の選手としてマークして以来、リーグ戦では2年ぶりのゴールを記録。第19節のFC東京U-23戦でも途中出場でゴールを奪うなど、ようやく存在感を発揮しつつあったものの、終盤戦は負傷離脱。思うようなシーズンを送れたとは言えないパフォーマンスだったことは、本人がよりもわかっていた部分でしょう。

 今シーズンも序盤戦は棒に振りながら、5月末からベンチに入り始め、前々節の群馬戦で59分からリーグ戦初出場。左ウイングバックの位置に入り、1点リードで突入した後半アディショナルにも相手CKをきっちりクリアして、持ち味の一端を披露しましたが、前節の長野戦は3点ビハインド72分から3バックの右に投入されるも、チームはその後も2点を奪われ、0-5で敗。ただ、下にはあと一歩で決定機というシーンは訪れていただけに、ここからの結果という意味での巻き返しに期待したい所です。

 監督交替後は一気に流れが好転したかに見えた富山でしたが、ここ4試合は1勝1分2敗とやや足踏み状態。ホームでの勝ち点3獲得はマストとも言えそうです。鳥取の状況を考えると、今節も厳しい試合展開が予想されますが、下の登場も願いつつ、ここは富山の意地を信じる結論に。ホーム勝利の「1」にマークします!

文=土屋

J3は当せんの行方を左右する重要な要素。サッカー事情に精通した土屋史氏がJ3攻略カギる! サッカーくじtoto予想サイトtotoONEhttp://www.totoone.jp/top/)』にて、『今週のJ3http://www.totoone.jp/j3/)』が好評連載中。
※本文中の「1」はホームチーム勝利、「0」は引き分け、「2」はアウェイチーム勝利。

明治安田生命J3リーグ第18節
2018年7月16日15時キックオフ
ブラウブリッツ秋田vsFC琉球(あきぎんスタジアム)

明治安田生命J3リーグ第18節
2018年7月16日18時キックオフ
カターレ富山vsガイナーレ鳥取富山県総合運動公園陸上競技場)

琉球のMF中川風希は、ここ2試合で4得点と勢いに乗っている [写真]=J.LEAGUE