7月より放送開始となったTVアニメアンゴルモア合戦記」。このたび、原作者・たかぎ七さんと日役・Lynnさんの対談取材が行われました。

輝日役を演じるLynnさん

Lynnさんの日へ懸ける思い、そしてたかぎ七の取材ノートが初開され本作の世界観と魅っていただいただけなく、最新10巻の未カット開!

また、対談を記念して、たかぎ七さんが描いた日のイラストLynnさんのサインを合わせた色を抽選でプレゼント! 詳しくは公式HPTwitterをご確認ください。

――まずは、作品の中で元を取り上げようと思ったきっかけを教えてください。

たかぎ:もともとは日本史よりも世界史の方に興味があったんです。でも高校生の時に「古襲来絵詞(もうこしゅうらいえことば)」を図書館で見て驚きました。歴史の教科書に載っていると「てつはう」が描かれている有名な絵巻物ですが、実はあれは絵巻の断片でしかなく、本来はモンゴル兵や高麗兵も大勢描かれていて、日本の絵巻なのに面いなと感じたんです。こんなに魅的な絵巻なのに、どうしてあまり知られていないんだろうと気になりました。もちろん当時は元テーマにした漫画を描くことになるなんて思っていませんでしたが、ずっと心に引っかかっていました。

――それで元を題材とした漫画を描こうと思ったんですね。

たかぎ:最初は絵巻に登場した人物を主人公にして漫画を描いたのですが、面くないと言われてしまって(笑)。そこから、自分で主人公を創作して一から連載として描いてみようと思いました。ネーム1話を描き上げて出版社を回った時に、KADOKAWAヤングエース編集部にをかけていただきました。

――作品を描くにあたって、事前の取材などはどうされましたか? 大変だったのではと思いますが、何か参考にされたものなどはありますか。

たかぎ:20代前半の時、漫画アシスタントをしていましたが、休みをもらって中国旅行に行ったことがあるんです。舗装していないとか、屋根にが生えているような感じとか、日本中世のような雰囲気がありました。ずっとリアリティある時代物を描いてみたいと思っていたので、実際にに触れることができて興味深くて作品を描く上で当時撮影した写真なども参考にしています。

――本日、いろいろ資料をお持ちいただきましたが、ご紹介して頂いてよろしいですか。

たかぎ:まずは、元100年後に書かれたといわれる「八幡愚童訓(はちまんぐどうくん)」という本です。当時の元に関しての歴史資料は少ないので、この本に残っている記録を参考に、オリジナルでどんどん付けしていきました。

あと、これは日本語訳になりますが、当時中国皇帝使節が高麗に渡った時に書いた「高麗図経(こうらいずきょう)」という本です。高麗についても歴史資料が少なくて、まずこれは読まないといけない資料の一つですね。もともと歴史ものを描く際は時代劇小説を参考にするのではなく、一次資料から描きたいと思っていたので特に外歴史は慎重に下調べをしています。

それとこんなものも持ってきました。このノートは、いろいろな絵巻を描き写したものになります。予め描き慣れておかないと急には描けないので、暇なときに描き進めています。を捕る公家とか結構面い描写があるので、漫画背景に使えるんです。ほぼメモですね。

Lynnすごい! メモとは思えないクオリティですね!

たかぎ:歴史好きの読者の方も多いので、手を抜けないなと。絵巻は図版を買って、タブレットに入れていつでもどこでも見られるようにしています。

――次に各キャラクターについてお聞きしたいのですが、それぞれにモデルはいるのでしょうか。

たかぎ:先ほど紹介した「八幡愚童訓」には戦いに参加した人の名前も書かれていて、三郎は流罪中に古襲来に巻き込まれ亡くなった「口井三」から名前をもらいました。本には名前のみなので、あとはオリジナルで作り上げていきました。三郎に忠を尽くすというよりも、戦うことを職業としている、つまり傭兵に近いなと思っています。日本人に限らず傭兵が書いた自叙伝を5~6冊読みましたが、戦友とのを原動としている姿がまさに自分がめている三郎の在り方だなと思いました。

Lynn日は何か参考にしたものはあるのでしょうか。

たかぎ:日は全にフィクションなのですが、壱岐巫女伝説に、「(てる)」という人物がいて、名前はそこから付けました。日はではありますが、一番読者に近い存在だと思っています。読者が感情を乗せやすく一体化して見られるように心がけています。

――剛丸はいかがでしょうか

たかぎ:三郎義経流(ぎけいりゅう)の使い手なので、源義経弁慶の関係をイメージして、身体の大きい男を出したかったんです。弁慶義経の忠臣ですが、剛丸は三郎相方というか、お互いに対等な関係で対馬へ放り込まれたならず者の一人として出すと面いかな思いました。

――次に宗流人とはまた違う立ち位置にいる長嶺判官について聞かせてください。彼も同じく対馬を守る祓(といばらい)という一族ですが、実際に存在したのでしょうか。

たかぎ:祓は本作で作ったオリジナルになります。対馬は行くと分かるのですが、想像以上に大きいんです。そして地域と地域が山で遮断されているので、宗はその領域の中で勢を広げていったのであって、を統一していたわけではありません。ですから、飛鳥時代に対馬に送り込まれた防人(さきもり)は全員帰っていないのではないか、土地に根付いた人もいるだろうなと感じていました。あとはいろいろなキャラクターが登場した方が面いですしね。そして長嶺という名前ですが、元の前に「の入」という事件が対馬で起こった際に活躍したとされる役人・長嶺諸近から名付けました。

――Lynnさんにお聞きしますが、日を演じるにあたって共感できる部分はありますか。

Lynn:最初はであるということを少し大に演じていたので、女性らしさやしなやかさを意識していましたが、戦が進むにつれ彼女の素の性格が表に出てくるので、感情を飾らず出すよう心がけています。日は割と怒りは表に出しますし、よく泣きますし(笑)、感情移入することはすぐにできました。少し意地っりなところがありますが、その辺りが少し私に似ているなと思います。

――少し話題を変えて、「一所懸命」という作品のキーワードがありますが、お二人は今、何か一所懸命に取り組んでいることはありますか。

たかぎ:締切りを守る……(笑)

一同:(笑)

たかぎ:あとは物語を描くうえで大切にしていることは、歴史ものを書いていると、ト書きばかりになりがちなんです。歴史の勉強とは違うので考ばかりるのではなく、キャラクターに反映して読み手もその時代へタイムスリップできるように心がけています。読者にもその時代を一緒に生きてほしいと思って描いています。

Lynn:私はマイク前の現場の空気だったり、演者とのやり取りで生まれるお芝居を大事にしています。仕事をやり始めた頃はとても不安で、何回も練習して臨んでいました。もちろんそれも大事なことですが、芝居は自分一人で作り上げるものではないんです。そのことに気づいてからは、相手の芝居を受けて練習した時には出てこなかった演技が咄嗟に出てきたりして、そこがまた面いところです。

――本作の現場でもありましたか。

Lynn三郎役の小野さんが、1話の最後で「お前にその覚悟があるのか」というセリフ。決して強くりかけてくるわけではないのに、「お前の気持ちがどうあろうと知ったことではないけれど、半端な気持ちで踏み込むなら止めておけ。」という感情が伝わってきて、「じゃあやってやるわ!!!」という気持ちにさせてくれました(笑)。そういうライブ感は大切だなと思います。

――本編映像を見た時の感想を教えてください。先生はご自身の絵がアニメになった時の感想はありますか。Twitterアニメ情報をこまめにツイートしてくださいますが、まるで少年のように感動しているのが印的ですよね(笑)

たかぎ:アニメがどういう過程で作られていくのか知らないくらいアニメに関しては素人なので、脚本の読み合わせにも在席はしていますが、基本的に口は出さないです。なにせ監督栗山さんがとても優秀な方なので! 物語を詰め込みすぎると感情が疎かになるんですが、そこにもちゃんと厚みを持たせていただいていますし、キャラクターデザインの小峰さんも魅的に描いて頂いています! すごいと思ったことはどんなことでも発信していくべきだと思っているので、Twitterでもどんどんつぶやいていきますよ。

Lynn:とにかく絵すごいですよね。土くささや男くささのようなものも感じますし、戦も迫があって、実際もこんな感じだったのかなと思うくらいです。対馬自然風景も素敵ですよね。

たかぎ:そうですね。背景の絵が画みたいですよね。小峰さんが作画なら安心です!

――アニメ化するにあたって制作会社にお願いしたことはありますか?

たかぎ:アフレコには前半の方は毎回行かせていただきました。ほとんど観客の1人として見させていただきました(笑)。音の方も声優さんもそうですけど、台本を読んだだけでなんでこんなに分かるんだろうって、演出役者さんのすごさを実感しました。

Lynn:本当ですか? ここちょっと違うんだよな、ってとこはかったですか(笑)

たかぎ:基本的にはいですね。むしろ「なるほど」って思うことが多いですね(笑)音響監督さんの説明も聞いていると確かにそうだなって。考上のことで聞かれることが多いのでそこを答えるくらいです。

――先生からご覧になってLynnさんの日はいかがですか。

たかぎ:オーディションから見させていただきましたが、その時から断トツでしたね。

Lynn:本当ですか! 嬉しいです!

――アニメで楽しみにしているシーンなどはありますか。

たかぎ:コンテでしか見ていませんが、戦闘シーンですね。佐須の合戦や、日がはじめてを射るシーンと戦うシーンとか、あげたらキリがないですね。一話仮面の男とのバトルはよく動いていて驚きしました。

Lynn:あとは原作でも戦の恐ろしい現実を表現しているシーンが多いのでどこまで描くのだろうとドキドキしています。

――原作ファンやこれからアニメを見る方へのメッセージをお願いします。

Lynn歴史好きの方、原作ファンの方ももちろんですが、歴史や戦が好きではなく触れてこなかった方にぜひ観ていただきたい作品です。読者層は男性が多いと思いますが、女性が読んでも面い作品ですし、男たちの生きざま・死にざまはとてもかっこよく、頭が熱くなるシーンが多くあります。わずか数日間の間に何が起こったのか、それぞれのキャラクターが何故戦っているのか、それを知った時、胸にこみ上げるものがあると思います。ぜひアニメを見て原作も読んでいただけると嬉しいです!

たかぎ:原作読者層は圧倒的にサラリーマンが多い作品です。男性読者が多いのに女の子はあまり登場しないので、日常的にアニメを見ている方は驚くかもしれません。しかし、現在社会にも通じる生き方を描いているので、社会人になりアニメから離れてしまった方や、もう一度アニメの面さに気付くきっかけになれたらと思っています。

普段、時代劇を楽しんでいる方にもぜひ観ていただいて、とにかく1話を見てください!よろしくお願いします!(WebNewtype

こちらのたかぎ七彦さん描き下ろしイラストとLynnさんのサインが付いた色紙を抽選でプレゼント!応募方法は公式HP・Twitterをご確認ください