地球上の生物の中で、最も人間を殺しているのはだといわれている。年間72万人もの人々がによって媒介されるマラリアなどが原因で死亡しているからだ。一方、中国では今、あるが危険生物として猛威を振るっており、地元当局が懸賞を出すなど撲滅に躍起になっている。

「新浪新聞」(7月9日付)によると、広州疾病予防コントロールセンター公式SNSに次のようなコメントを発表したという――。

<みなさん、これは危険な昆虫です。このを捕まえた方には、1匹につき8元(約130円)を差し上げます>

 当局が危険生物と名しするこのは、「サシガメ」というカメムシ仲間。南土病で、マラリアに次いで危険な疾患とされているシャーガス病を媒介するとして、警鐘を鳴らしているのだ。潜伏期間は2030年と長期間に及ぶことから、中国では「新エイズ」という異名で呼ばれている。

 サシガメは吸血昆虫で皮膚の薄い唇や顔などに吸い付くのだが、いったん発症すると、リンパ節腫瘍のほか、急性心筋炎や髄膜脳炎、さらに心肥大による心臓破裂など死亡例も多いという。感染に気が付かず、症状が慢性的になった場合、治は不可能となり、心臓移植など大規模な手術が必要となる。また、その治療費も大な額になることでも知られている。世界保健機構によると現在世界では600万人がシャーガス病にかかっているというという。

 サシガメ自体はヨーロッパアジアに生息する種もあるが、今回問題になっているのは南米原産の4種と考えられている。シャーガス病はもともと1909年に南で初めて確認されたが、どのような経緯で中国に渡ったか定かではない。中国当局が2016年に行った調では広西、広東、南、北、安徽5つので人間の血を吸うサシガメの存在が確認され、シャーガス病の感染例も報告されている。

 日本では14年、熱帯地域で多く報告されていたデング熱の発症が確認されるなど、温暖化の影による気の変化で、新たな感染症リスクが急増している。また、中国からの貨物コンテナでヒアリ日本に上陸したケースも記憶に新しい。南米原産の吸血サシガメが中国を経由して日本に来る可性も、ゼロではない!?

(文=青山

 

中国の衛生当局が発表したサシガメの写真。1匹8元の懸賞金が出されることとなった