似ているだけなのか。それとも、パクリなのか。札幌市が市の広報誌『広報さっぽろ』6月号で『ベルサイユのばら』(集英社)のパロディと思しきキャラクターを描いたことに、作者の事務所「池田理代子プロダクション」が抗議した事件が、思わぬ方向に騒動になっている。謝罪はした札幌市だが、あくまで「(ベルばらには、)似てない」という態度を貫いているのだ。

 問題のページが掲載された『広報さっぽろ』6月号は、早くから手にした札幌市民の間でも「ちょっとマズいのではないか」とウワサになっていた。

「広報を目にした人の間では、パロディとしてもやり過ぎではないかと話題になっていました。問い合わせした人もいるんですが、札幌市が“似てないですよ”と答えているという話も、けっこうウワサになっていました」(札幌市内のオタクショップ関係者)

 問題となったページは「公共マナーって何かしら?」という特集ページ。指導役の「オシカル」が「マナー・シラントワネット」の世間知らずな行動をたしなめる形で公共マナーを解説するというものだ。

 作者の事務所から抗議を受けて札幌市は謝罪。ところが、新聞などの取材に対しては、いまだパロディではないと主張。あくまで、文字や全体の雰囲気で似ただけ。「オシカル」は「オスカル」ではなく、まったく似ていない別のキャラだという主張を続けているのである。

 これに対して、SNSでは札幌市の見解を支持する意見も見られる。例えば、キャラクターの瞳が真っ白になっていることを取り上げて「どちらかというと『ガラスの仮面』に近いんじゃないか……」という評する人も。

 札幌市の主張はさておき、こうしたパロディは、同人誌では当たり前にみられるもの。今はどうしているのか知らぬが『王家の紋章』のパロディと思しき『のび家の紋章』なる同人誌を頒布していたサークルが出していた『ベルサイユのドラ』は、衝撃的な名作……とはいえ、そんな同人ノリを、拡散力の強い地方自治体がやるとどうなるか、誰も考えなかったのだろうか。

 これも、同人文化が広く普及した結果の珍事件として語り継がれることになるだろう。

 なお近年『ベルサイユのばら』は、多くの商品とコラボも行っている。そうした中には、原作のシリアス感をネタにしたような使い方をしたものも。そういえば、ギャグテイストのセルフパロディ『ベルばらKids』(朝日文庫)も好評を博していた。

 そこまでシャレがわかるんだから、作者に許諾をもらってオフィシャルにやったほうが、よかったんじゃないだろうか。
(文=是枝了以)

札幌市公式ホームページより