長崎市で15年11月に破裂した水道管。埋設されてから45年が経っていた。この管の破裂事故では道路陥没も発生、市民生活に大きな影響を及ぼした
長崎市で15年11月に破裂した管。埋設されてから45年が経っていた。この管の破裂事故では道路陥没も発生、市民生活に大きな影を及ぼした

7月5日、「法」の一部正案が衆議院会議で可決された。この法案の柱のひとつは事業の民営化だ

日本普及率は97.9事業は、浄場や管の新設から給メンテナンスの設定に至るまで、ほぼすべて市町村自治体が担っている。正について、特に事業の民間への開放について反対している立憲民主党武内則男衆議院議員はこう話す。

正案では施設の所有権はに残したまま、運営権を民間に委ねる"設民営"(コンセッション)を拡大していこう、という内容が盛り込まれました。しかし、電気代やガス代などほかの公共料金べて安価なのは営だからこそ。これが民間企業に売り渡されたら自社の利益を優先され、がどんどん値上げされる恐れがあります」

では、法が正されたら日本はどうなるのか?

専門や現場の職員に話を聞くと、法正の背景に""の危機的な状況が浮かび上がってきた。『日本の地下水が危ない』(幻新書)の著者で、ジャーナリスト橋本じゅんじ)氏が解説する。

「各自治体事業は、給から下処理、施設のメンテナンスに至るまで、すべて市民から徴収するによって賄われています。ただ、厚労省によると地方公共団体1273団体)のうち、実に424団体(約33)が原価割れの"赤字状態"なんです」

なぜか?

「人口減によって料収入が減り、節社会が進んでひとり当たりの使用量も減っているから。例えば、昨今の節トイレは10年前の製品とべて一回当たりの使用量が半分。これがあらゆる建物に急速に普及し、特にビルやマンションの建設ラッシュが進む都市部の自治体にとっては大問題になっています」

さらに、今、問題になっているのが管の老朽化だ。

厚労省によると、全に埋設された管の総延長は67万kmで、そのうち法定耐用年数(40年)をえた管は約14(約9万4000km)。漏や破裂事故が起きる前に、これだけの長さの老朽管を更新しなければならない時期が来ているのだが......。

「耐用年数をえた老朽管のうち、一年間に更新される管の割合は13年が0.79、14年が0.76、15年が0.74スローペース。このままでは、すべての老朽管を更新するのに『130年以上かかる』と厚労省は推計しており、自治体もかなり切羽詰まった状態です」(橋本氏)

更新の遅れのな原因はやはり財不足だ。ただ、それ以外にも大きな原因がある。埼玉県内の局職員が打ち明ける。

管の台帳管理がずさんで、いつ、どこに、どんな材質の管が敷設され、その後、どんな修繕が施されたのか? という確実な情報がなく、管の劣化は地面を掘らないとわからないんです。この状況が更新作業をいっそう遅らせる原因になっています。しかも、近年は職員の定数を削減する本庁の方針もあって、小規模なところでは職員ひとりの"ワンオペ"になっている局もしくありません」

『週刊プレイボーイ31号「新聞・テレビスルーの大問題!!今国会で成立予定『正』でわかった! ニッポンがヤバイ!」より

写真提供長崎市下水道

長崎市で15年11月に破裂した水道管。埋設されてから45年が経っていた。この破裂事故で道路陥没が発生、市民生活に大きな影響を及ぼした