「サマーウォーズ」(2009年)や「バケモノの子」(2015年)などで人気を博す細田守監督の最新作「未来のミライ」が7月20日(金)に公開される。細田監督が「未来に向かって力強く生きてほしい」という思いを込めたという今作は、甘えん坊の4歳の男の子“くんちゃん”と未来からやって来た妹の“ミライちゃん”が織り成す家族の物語。くんちゃんの声を上白石萌歌、ミライちゃんを黒木華、その両親を星野源と麻生久美子が演じている。

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■ 家族をテーマにした冒険ファンタジー

上白石:私は4歳の男の子を演じたんですが、最初は自分とは懸け離れた存在だと思っていたのに、実際に演じてみると、意外とそうでもないのかなと。くんちゃんのようにストレートに感情をぶつけたり、素直に泣いたり、笑ったりするのは、きっと自分にもあったと思うし、ちょっと懐かしい気持ちになりました(笑)。

黒木:私が演じたミライちゃんは、中学生という設定だったので、私も中学生のころはどうだったかなと思い出しながら演じていました。あと、私には弟がいるので、妹が生まれたことで自分の天下が終わってしまったと感じるくんちゃんの気持ちがすごくよく分かりました(笑)。

麻生:確かに家族の“あるある”が詰まった映画ですよね。私自身、この映画と家族構成がすごく似ているので、余計に共感してしまったところがあって。特に星野さん演じるおとうさんに「他のお母さんの前ではいい顔をする」と話すシーンなんて、超リアルな感じがしました(笑)。

星野:この映画のおとうさんは(監督の)細田さんそのものみたいですね(笑)。ご自身の体験をかなり盛り込んでいらっしゃるみたいで、声を録っているときにも監督から「僕が妻に怒られたときはですね…」という具体的なアドバイスをいただいて。僕も女性に怒られたことはたくさんあるので、「なるほど、あの感じか」と思いながら演じてました(笑)。

■ 現在、過去、未来 続いていく命のループ

生まれたばかりの妹に両親の愛情を奪われ、戸惑うくんちゃん。そんな彼の前に未来からやって来た妹のミライちゃんが現れ、くんちゃんは時空を超えた冒険へ。その中で幼いころの母親や若き日の曽祖父ら自分と関わる人々と出会っていく。

上白石:くんちゃんがおもちゃを散らかしてしまうのと同じように、小さいころのお母さんも片付けるのが苦手で、2人が一緒になって家の中をめちゃくちゃにしていくシーンがあるんですが、やっぱり親子ってつながっているんだなと思いました。私自身、お仕事で撮っていただいた写真を母親が見て、この角度、この表情は私にそっくりと言っていたりするので、親子ってそういうものなのかなと。

星野:確かに。僕も心配性なのは親に似ているかも。決断は割と大胆なのに、その後、妙に心配したりして。そこは親に似たのかなと思うし、そういう心配性なところは祖父も同じだったので、きっと脈々とつながるものがあるんでしょうね。

麻生:私の場合、母親が自分で作詞作曲をしながら、ヘンな歌を歌ってくれていたんですけど、それを聴いて育ったからか、私も自分の子供に同じことをしているんですよね。まあ、子供からは「そのヘンな歌、やめて」と言われちゃったけど(笑)。

黒木:この映画でもくんちゃんが冒険を通じて、自分の家族の歴史をさかのぼっていくシーンが出てきますよね。それこそ、ご先祖さまやおじいちゃん、おばあちゃん、そして両親がいてくれたからこそ、今の自分があると思える感動的なシーンでした。一家族のお話なのに、ここまで壮大な物語になっていくのは、さすが細田監督だなと思いました。

■ 家族が本当の家族になるために努力する話

4歳のくんちゃんの目線を通して描かれる物語ながら、過去から未来につながる家族と生命の循環という大きなテーマへと広がっていく本作。アニメという枠を飛び越え、世代を問わず楽しめる作品となっている。

上白石:私はメキシコに住んでいたことがあるんですが、メキシコには“死者の日”という祭典があるぐらいご先祖さまを大事にするんですよね。その影響もあって、私も鹿児島の実家に帰ったら必ず手を合わせに行くし、そういう縦のつながりというか、何かを受け継いでいくということはとても大事なことだなと思います。

黒木:私は今、28歳になりますが、くんちゃんに感情移入できたし、おとうさん、おかあさんの会話に思いをはせるところもありました。まだ想像でしかないですが、夫婦というものは他人同士が一緒になることの難しさもあるのかなと。そういう人間と人間の関係性がすごく伝わってきましたし、親の成長が見えるのもいいなと思いました。

星野:まさに、くんちゃんだけでなく、おとうさんが悩みながら一歩ずつ父親になっていくのも見どころだと思います。細田監督はこれまでも家族を描かれていますが、「バケモノの子」が家族ではない者が家族になろうとする話だとすると、今回は血のつながっている家族が本当の家族になるために努力する話。普遍的でありながら、あまり見たことがないバランスの作品になっていて、そういう細田監督の気概みたいなものはあらためて好きだなと思いました。

麻生:私が印象に残っているのは、「私は働いているけど、子育てにはベストを尽くそうと思っている」というおかあさんに対し、ばあばが「子育てには願いが大事だよ」というシーン。私自身、そのセリフに救われたところがあったので、世の中の働いているお母さんにも、この映画を見ていただけるとうれしいです。(ザテレビジョン)

細田守監督の最新作「未来のミライ」で主人公家族の声を担当した上白石萌歌、黒木華、星野源、麻生久美子