●児童手当は必ずチェック
これから子どもを連れて離婚をしようと思っている方には、「生活していけるのか?」「子どもを自分一人で育てていけるのか?」など、漠然とした不安でいっぱいの方も多いでしょう。しかし、父子家庭も児童扶養手当を受けられるようになるなど、ひとり親家庭に対する支援制度も充実しつつあります。今回は、知っておきたい児童扶養手当と、そのほかに受けられる公的な支援制度など、ポイントを絞ってご紹介していきます。まずは、自分がどんな支援を受けられるのかをひとつずつ把握していきましょう。

○ひとり親家庭が知っておきたい児童扶養手当

1. 実際にどれくらいもらえるの?

離婚などにより一人で子どもを育てる場合、子どもが18歳になる年の3月31日(障がいがある場合は20歳未満)まで、養育者に対して「児童扶養手当」が支給されます。

支給される金額は、満額の場合、子ども1人で月42,500円、2人で月52,540円、3人の場合は月58,560円受給することができます。支給額は所得によって変わりますが、児童扶養手当を受給できるかできないかでは約4~6万円分も家計が変わってくることになるので、必ず知っておきたい制度です。

2. 手当はいつもらえる?

児童扶養手当が支給されるのは4月・8月・12月の3回で、各4カ月分ずつ振り込まれます。申請をした翌月から支給対象の期間となり、次の支給月にまとめて振り込みとなります。

たとえば、5月中に手続きをした場合、6月分から児童扶養手当を受給できますが、実際に口座に振り込まれるのは8月となります。

3. 手続きはどこですればいい?

手続きは、お住まいの自治体の窓口で行うことができます。その際、離婚したことを証明するための自分と子どもの戸籍謄本、世帯全員分の住民票、マイナンバーカードか個人番号などが必要になります。ほかにも書類が必要な場合があるので、事前に電話などで窓口に確認しておくといいでしょう。

4. 養育費や扶養親族なども見られる?

所得を確認するとき、養育費も8割相当が所得として加算されます。また、実家に戻る場合などは一緒に住む家族の所得も対象となります。

そして、所得や扶養親族(子どもの人数だけでなく、税法上の書類で自分の扶養に入れている親族の人数も含む)などの人数は、申請時の状況ではなく、手続きの時期によって変わってくるので、離婚後子どもを自分の扶養に入れていても「扶養人数は0人」となってしまうことがあります。

わからないことなどは必ず自治体の窓口で確認しましょう。

●ひとり親家庭の支援体制
○ほかにもたくさんある公的制度

児童扶養手当のほか、さまざまな公的制度があります。家庭の経済状況などに応じて、必要なものはきちんと受けられるよう確認しておきましょう。

1. 経済的に困ったときは手当や貸付制度を確認

学用品費や給食費、通学費など、子どもが学校に行くための就学援助や、生活を維持していくことが困難な場合は生活保護を受けることができます。

【困ったときの手当や貸付制度】
・児童手当
・就学援助
・給付型・貸与型奨学金
・生活保護
・母子父子寡婦福祉資金貸付金
など

児童手当も今までと同様に受給できますが、元配偶者の名義でもらっていた場合は、改めて手続きをしなければ受給できなくなってしまいます。こちらも早めに手続きをしましょう。また、離婚協議中などで別居している場合は、子どもと同居している親が優先的に受給できるので、自治体の窓口で相談しましょう。

2. 出費を減らせる免除・減免制度

ひとり親家庭では、税金面で寡婦・寡夫控除が受けられる場合があり、所得税や住民税が少なくなることがあります。医療費に関しては、全家庭を対象に子ども医療費助成制度がありますが、ひとり親家庭ではさらに親の医療費も助成される場合があります。

【さまざまな免除・減免制度】
・寡婦・寡夫控除(特別の寡婦控除)
・国民年金、国民健康保険の免除・減免
・子ども・ひとり親家庭の医療費助成
・保育料の免除、減免
・交通機関や水道代、粗大ゴミの手数料などの割引
など

お住まいの自治体によって条件が違ったり、設けている制度が違ったりするので、必ず自治体の窓口で確認しましょう。

3. 子育てや日常生活で困ったときのサポート

「母子生活支援施設」では、母子家庭の保護だけではなく、子育てや生活全般について専門家に相談することができ、自立に向けて生活の支援も行っています。

また自治体によっては、仕事などで夜間子どもの保育が必要なときの「トワイライトステイ」や、数日間預かってもらえる「ショートステイ」などの支援もあります。就労状況に応じて、必要があれば活用してみてください。

【子育てや日常生活のサポート】
・公営住宅
・母子生活支援施設
・自立支援員などによる相談
・ホームヘルパー派遣
・学習支援
・トワイライトステイ、ショートステイ
など

4. 「働きたい」をサポート

自治体やハローワークなどでは、「よりよい仕事をしたい」「働くために資格を取りたい」などの希望に寄り添い、就職活動の相談に乗ったり、仕事の紹介なども行ったりしています。また、就業支援講習会など、パソコン技術のスキルアップや医療系の事務、介護資格などの講習会を定期的に行っている自治体もあります。

【さまざまな就労支援】
・就業支援講習会
・自立支援教育訓練給付金
・高等職業訓練促進給付金事業
・マザーズハローワーク
など

上記の制度以外にも、各自治体で独自の制度を設けている場合もありますので、自治体で作成している「ひとり親家庭のしおり」などを窓口でもらい、自分が受けられる支援制度一覧を確認するといいでしょう。

これらの支援制度はほとんどが自分で申請し、手続きをしなければ受けられないものです。手続きも複雑で、何度も窓口に足を運ばなければならないこともあるので面倒に感じるかもしれませんが、お子さんとの生活のためにも、受けられる制度は積極的に活用しましょう。

○筆者プロフィール: 高梨子あやの(たかなし あやの)

フルフィリングデイズ代表
看護師で2児のママ。産休後の復職や出産前の退職などお金の事に振り回された経験をきっかけにFPの資格を取得。北海道の病院で予防接種外来を通して母子支援を行いながら、家計のことや育児と仕事の両立に悩む女性のご相談を受けたり教育費の貯め方のマネー講座を開催している。ホームページ「働くママと看護師のためのお金の相談窓口」を運営。看護師/AFP/マイライフエフピー認定ライター
(高梨子あやの)

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