【ワシントン時事】米政権のロシア疑惑を捜査しているモラー特別検察官は13日、米ロ首脳会談を3日後に控えたタイミングで、ロシアの情報部員12人の起訴に踏み切った。首脳会談で大統領選介入問題が焦点となるのは不可避とみられる。米ロ関係改善に向けてプーチン大統領への接近を図るトランプ大統領にとって打撃となりそうだ。

 トランプ氏は13日、訪問先のロンドン近郊での記者会見で、情報部員起訴を受け「(プーチン氏に)毅然(きぜん)として問う」と語った。一方、「(プーチン氏は)『私がやりました』とは言わないだろう」とも述べ、介入をめぐる対立を際立たせたくない思いものぞかせた。

 政権発足以来、プーチン氏との関係強化を狙うトランプ氏を阻んできたのがロシア疑惑だ。本格的な首脳会談は2017年7月のドイツでの20カ国・地域(G20)首脳会議の際に行った一度だけ。この際もトランプ氏がロシア側のサイバー攻撃への懸念を示したのに対し、プーチン氏は関与を否定し、平行線のまま終わった。

 13日明らかにされた起訴状では、大統領選中の16年7月、トランプ氏がロシアにクリントン候補へのサイバー攻撃をそそのかすような発言をした当日、ロシア情報部員がクリントン氏の事務所へのサイバー攻撃を開始したことが判明。ロシアがトランプ氏の当選を望み、巧妙に歩調を合わせていた一端が浮かび上がった。

 トランプ氏は13日の会見で「米ロ関係は(疑惑捜査の)魔女狩りで傷つけられている」と述べ、会談直前の起訴にいら立ちを示した。一方、民主党トップのシューマー上院院内総務は「このタイミングでプーチン氏と友好的に握手することは、民主主義への侮辱になる」と述べ、会談の中止を求めた。 

〔写真説明〕トランプ米大統領(左)とプーチン・ロシア大統領(EPA時事)

トランプ米大統領(左)とプーチン・ロシア大統領(EPA時事)