【ニューヨーク時事】国連各加盟国は13日、世界で2億5000万人以上に上る移民への対処や国際協力の在り方に関する枠組み文書「安全で秩序ある正規移住のグローバル・コンパクト(協定)」で合意した。文書は12月にモロッコで行われる会議で正式に採択される。不法移民対策を強化するトランプ米政権は途中で交渉から離脱しており、米国抜きでの合意となった。さらにはハンガリーも13日、離脱の可能性を示唆している。

 文書は原則として、移民の人権や各国の主権尊重のほか、子供の利益を優先することなどを規定。さらに、移民対処や国際協力について23の目的を定め、それぞれ具体的な取り組み内容を提示した。法的拘束力はない。

 交渉のまとめ役を担ったスイスのラウバー国連大使は合意に先立つ時事通信などとのインタビューで「各国はそれぞれの優先事項や課題に応じ、取り組みを選べる」と指摘。提示された取り組みは「実用的で役立つものだ」と述べ、法的拘束力がなくても実効性があると強調した。

 一方、不法移民対策をめぐっては、主権との矛盾を懸念する声も根強く、トランプ米政権は昨年12月に交渉からの離脱を表明した。欧州も中東・アフリカから大量に流入する移民らの問題を抱えており、ハンガリー国連代表部によると、ハンガリーのシーヤールトー外務貿易相は13日の交渉会合で、同意できないと表明。週明けに離脱の是非を判断する考えを示した。 

〔写真説明〕北アフリカから欧州へ移動中にリビア当局に救助され、トリポリの軍基地に到着した移民=12日(AFP時事)

北アフリカから欧州へ移動中にリビア当局に救助され、トリポリの軍基地に到着した移民=12日(AFP時事)