大河ドラマ『西郷どん』(NHK総合/毎週日曜20時)で、坂本龍馬を演じる小栗旬。出演者発表会見では「冒険家のような坂本龍馬を作りたい」と語っていた小栗が、改めて「自分が行ったことのないところを全部見たいという人」と龍馬という人物を分析。さらに、公私ともに親交の深い、鈴木亮平との共演についての思いを語った。

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 7月15日放送の第26回から、物語に登場した坂本龍馬。言わずと知れた幕末の風雲児で、西郷と出会い、互いにその存在を認める、誰もが知る人物だ。その魅力的な人物像から非常に人気が高く、龍馬を演じることに憧れを抱く人も多い。小栗は、「僕自身も幕末の歴史の中で一番かっこいいと思うキャラクターなので、それを演じられるのはうれしい」と喜ぶも「批判されるのは嫌」と苦笑いで本音も吐露する。そして、「どうやっても自分の(演じる)坂本龍馬にしかならないとは思っている」としつつ、「(本作では)革命を起こそうという思いとは関係ない日常が描かれていて、日常の中にいる坂本龍馬を出せたのは面白いと思う」と見どころも明かす。

 さらに、本作では髪の毛を結わず、小刀は持たないという。「龍馬は剣術をしっかり体得してきた人。剣術にある程度の自信を持っていた人であったならば、小刀はいらないという考えになったと思う。ピストルもありますので」とその裏にある思いを語ってくれた。

 また西郷吉之助役の鈴木との共演について問われると、「熱い気持ちになります」と感慨深そうに話す。「24歳ぐらいのときに知り合ったんですが、あの時一緒にお芝居をしていた、そんな人が大河ドラマでど真ん中やっているんだから、人生って面白い」。

 本作は小栗にとって、7度目となる大河ドラマ出演となるが、「方言が難しい。方言に頭がいってしまうと芝居がおろそかになってしまうし、芝居に熱を入れると方言が違うって注意される」と土佐弁には苦労も多い様子。そして、鈴木に対し「本当に大変だと思います。これを1年間やっているということにとてつもない尊敬を感じます」と賛辞を送った。

 そんな小栗の大河ドラマ主演を期待する声も高いが、小栗自身は「いつかやれたらとは思いますが、話がきたら考えちゃうと思います」とひょうひょうと答える。そして、「出口の見えないトンネルをひたすら走っているような状態がしばらくは続くと思うんです。そうすると、不安にもなるし、苦しくもなるし、自分を見失うこともあると思う。すべてやりきったときの達成感や、そのときに返ってくるものはすごく大きなものがあると思うんですが、俺、やっている最中にノイローゼになっちゃうかもしれないって思う(笑)」と煙に巻くと、「俺は3ヵ月ぐらい見る分にはいい俳優だと思うんですが、1年間、同じ役で見ていると『あれ? この人期待はずれだな』ってなりそうだから、ポイントポイントで出たい」と冗談めかして笑った。

 さらに、「芝居は“うまい”ということが重要なのではないと思うんです」と芝居論も展開。「そのキャラクターがどうであるか、どういう人物像を作り、人間としてどう存在できるかってことが芝居だと思うんです。それがうまくいったときには、自分の芝居もいいと言ってもらうことはあると思う。でも、最後の最後、同じような芝居になってしまったときには、そこには洞察力や心のヒダを感じる力を持った人が魅力的に演じられる。そこがまだ自分はぼんやりしている。だから、もう少し頑張らないといけないと思います」。数多くの主演を務め、俳優としても広く認知されている小栗だが、彼の芝居論からはさらに先を見据えていることがうかがえる。そんな小栗が、これまで多くの俳優が演じてきた龍馬という人物をどのように見せるのか。期待が高まる。(取材・文:嶋田真己)

 大河ドラマ『西郷どん』はNHK BSプレミアムにて毎週日曜18時、総合テレビにて20時放送。
大河ドラマ『西郷どん』に坂本龍馬役で出演する小栗旬(C)NHK