インターネットに横行するイラストの無断転載。この問題に立ち向かっていた漫画家でイラストレーターの「ナカシマ723」さんが7月30日、あるイラストの無断利用に関して、裁判などで回収できた金額をTwitterで公表した。

このツイートによると、メール請求で自力回収した金額に加えて、示談や裁判の末に回収した総額は400万円を超えるという。弁護士費用を差し引くと、約270万円の黒字としている。

7月3日には、昨年から複数のまとめブログに賠償請求をしていることや、そのうちの1件の判決文のリンクをツイート。この判決によると、被告は株式会社スタークラウンで、東京地裁は同社が運営している「ガールズVIPまとめ」で無断転載した3点のイラストに関して、27万円の支払いを命じている。こういった一連の流れを受けてTwitterでは、

“ナイス判決ですね”
“無断転載の裁判事例を作ってくださるのはマジでありがたい…全ての絵描きの希望になる”
“すばらしい!どんどん続いて欲しい!”

と賞賛の声が相次いでいる。

この一連の騒動について、ナカシマ723さんがねとらぼのインタビューで語った内容によると、昨年からイラストを無断転載していた14のサイトに連絡を開始、請求に応じなかった8つのサイトの対応を弁護士に依頼したという。そのうち4件は示談が成立し、4件は裁判へと発展。

今回は、14件の無断利用を一括で弁護士に依頼できたため、費用が圧縮され結果的に黒字になったが、場合によっては赤字になってしまう可能性があることを語っている。この考えに同調するユーザーは多く、

“賠償金を貰っても「訴える費用」の方が多くかさんで赤字になるんだよね”
“これと同じ要領で損害を回復できるとは限らない”

と悲観的な声もあるが、一方で、

“さて、これでまとサイトが変わるのかな”(原文ママ)
“このニュースで重要な点は、「8つの案件をまとめた結果、訴訟費用を支払っても大幅な黒字だった」ということですね。割に合う訴訟のノウハウが溜まるといいな”

と前向きに捉える声もあった。さらに、マンガやアニメなどを違法にアップロードしていた「漫画村」などについて、政府がブロッキングを要請しようとしていたことを振り返り、

“ブロッキングなどしなくても、裁判でいけるではないですか”

と、権利者側のアクションで解決できるとの主張や、

“無断転載サイトを訴訟から賠償金回収まで代行してくれ、手数料は一切かからないドイツのサービス。全世界140カ国対象で、日本語サイトもある”(原文ママ)

と、訴訟代行サービスを紹介するツイートもあった。

日本ではインターネットに関する法整備が進んでいないが、今回の判例は、これまで泣き寝入りしていた著作権者たちにとって、希望となりうる話題となったようだ。

(飛鳥 進)

■関連リンク
・ナカシマ723(@nakashima723)さんのツイート
https://twitter.com/nakashima723/status/1023858983772217344

・イラスト無断転載、まとめサイトに30万円の賠償命じる判決 「VIPPER速報」「ガールズVIPまとめ」など訴えた注目裁判が決着
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1807/27/news114.html