10日午前、群馬・長野県境上空を飛行していた群馬県の防災ヘリコプター「はるな」と連絡が取れなくなり、同日午後、両県境の山中で墜落した機体の一部とみられる破片が見つかった。県などによると、はるなには操縦士と整備士のほか、県防災航空隊の隊長ら2人と吾妻広域消防本部の隊員5人の男性9人が搭乗。破片が発見された付近で8人が見つかったが、うち2人の死亡が確認された。6人の容体は不明。自衛隊などが残る1人の行方を捜している。

 国土交通省によると、はるなは群馬県中之条町の山中に墜落した。同省は航空事故に該当すると認定。運輸安全委員会は事故調査官3人を現地に派遣した。

 県や、はるなの運航・整備を受託する東邦航空(東京都江東区)などによると、はるなは11日に全線開通する約100キロの登山道「ぐんま県境稜線トレイル」を上空から視察するため、群馬ヘリポート(前橋市)を午前9時15分ごろ離陸。吾妻郡内で消防本部の隊員5人を乗せた。

 同10時45分に同ヘリポートに戻る予定だったが、同10時すぎ、長野県との県境にある横手山付近を飛行しているのが確認されたのを最後に、消息が分からなくなった。

 飛行は、トレイルの開通を前に、地形や危険箇所を確認するためで、吾妻広域消防本部の要請だった。

 機長の男性操縦士(57)は飛行時間5000時間を超えるベテラン。機体は1997年度導入で、2020年度に更新する予定だった。今年4月にエンジンの燃焼室内で空気が逆流する現象が起き、6月まで修理した。修理後は離陸前点検をした上で飛行していたという。

 前橋地方気象台によると、破片が見つかった付近では同10時ごろ、雨は降っておらず、弱い南南東の風が吹いていた。ただ、大気の状態が不安定で、発達した積乱雲があれば、近くで突風が吹く可能性があったという。

 県のホームページ(HP)などによると、はるなはベル式412EP型。全長17.1メートル、幅2.8メートルで定員は15人。 

〔写真説明〕群馬県の防災ヘリコプター「はるな」が墜落した群馬・長野県境の現場付近。上空には救助に当たる自衛隊ヘリなどが旋回している=10日午後

群馬県の防災ヘリコプター「はるな」が墜落した群馬・長野県境の現場付近。上空には救助に当たる自衛隊ヘリなどが旋回している=10日午後