人生100年といわれる時代。国の公的支給は縮小傾向が続いており、老後には自分自身で備えるしかない。対処法はあるか。7つのテーマにわけて、お金のスゴ技を紹介しよう。第3回は「確定申告」について――。(全7回)

※本稿は、雑誌「プレジデント」(2017年11月13日号)の特集「金持ち老後、ビンボー老後」の記事を再編集したものです。

■「定期的な仕送り」で両親、祖父母、姪甥も扶養親族の対象

扶養親族がいると、税金面で優遇がある「扶養控除」。配偶者や子どもがいる方にはおなじみの制度ですが、実は親も扶養に入れることができます。

それも適用できるのは同居する親だけではありません。別居の親でも定期的な仕送りや医療費の負担などがあれば、「生計を一にしている」と考えられるため扶養親族にできます。

ちなみに「いくら以上仕送りをすると生計を一にしている」という明確な基準は定められていません。扶養親族の対象は、6親等内の血族および3親等内の姻族。自分と配偶者それぞれの両親、祖父母、甥姪など幅広い範囲が対象となります。

扶養控除の条件は扶養親族のうち「合計所得金額が38万円以下」であること。親の収入が年金のみの場合、65歳未満で年金収入が108万円以下、65歳以上の場合で年金収入が158万円以下であれば適用可能です。なお、遺族年金は非課税のためこの年金収入には含まれません。

親が扶養親族になれば、確定申告の際に扶養控除の対象となり、節税できます。親が70歳未満の場合には38万円、70歳以上は「老人扶養控除」の適用で別居の場合で48万円、同居の場合で58万円と控除枠が広がります。

■扶養控除に「医療費控除」もセットすればもっと節税

さらに扶養控除とセットで検討したいのが「医療費控除」です。扶養控除と併用可能で所得控除額は最大で190万円、親の所得に制限はありません。

たとえば年収700万円で自分と両親と妻の両親に計200万円の仕送りをする場合。理論上は自分と配偶者の親、計4人分の「老人扶養控除」を適用しながら「医療費控除」を併用することも可能です。この場合、最大で382万円の所得控除が可能となります。なお、別居老親では住民税の控除は38万円となります。所得税および復興特別所得税10.21%、住民税10%と仮定した場合、節税額は73万2000円となります。

----------

新井佑介(あらい・ゆうすけ)
公認会計士
税理士。AAG Arai Accounting Group代表。新井公認会計士事務所所長。慶應義塾大学経済学部卒業後、BIG4系ファームを経て現職。

----------