綾野剛主演で放送されているテレビ朝日系「木曜ドラマ」枠の連続テレビドラマ『ハゲタカ』が8月9日に第4話を迎え、平均視聴率9.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だったことが明らかになった。

 初回11.9%発進を遂げて以降、徐々に数字を落とし、今回ついに1ケタ台に転落した。一方で同日、フジテレビ系「木曜劇場」枠で放送された山崎賢人主演『グッド・ドクター』の第5話は、自己最高の12.2%を叩き出した上、同枠で4年ぶりに5話連続2ケタ台をマークするという好調ぶりが伝えられている。

『ハゲタカ』は、経営不振の大企業などに鮮やかな買収劇を仕掛ける主人公・鷲津政彦(綾野)の生き様を描いた物語。前話で第1章の区切りがつき、今回から2010年代を舞台とする第2章に突入した。

 鷲津率いる外資系投資ファンド「ホライズンジャパン・パートナーズ」が、大手電機メーカー「あけぼの」の買収を画策するなか、同ドラマのもうひとりの主人公ともいえる芝野健夫(渡部篤郎)が、あけぼのの再生担当執行役員に就任。芝野はかつてバルクセールで鷲津の手腕を見せつけられた三葉銀行に勤めていたが、その後、企業再生のスペシャリストに転身し、容赦ないリストラをすることで「首切り屋」と呼ばれる存在になっていた。

 企業を食い荒らす「ハゲタカ」と言われてきた鷲津は、芝野のあけぼの入りを知ると、部下たちに様子見を命じる。しかし、これまで鷲津の右腕として行動を共にしてきたアラン・フジタ(池内博之)は不満を募らせ、ついにクーデターを起こす。鷲津は第2章の幕開けと同時に、なんとホライズンジャパンから追放されてしまうという内容を繰り広げた。

 池内演じるアランには、当初から胡散臭さのような雰囲気が感じられたので、ここに来ての裏切りは「やっぱりか!」と、逆に素直に受け止めることができた。しかも、鷲津を慕う佐伯宗徳(杉本哲太)や中延五朗(光石研)らは、アランが新社長に就任したホライズンジャパンを去り、鷲津のもとへ向かう決断をするという“胸アツ”な展開。あけぼのの買収には、PCメーカー「ファインTD」の強欲社長・滝本誠一郎(高嶋政伸)が動き出しており、今後はあけぼのの芝野、ファインTDの滝本、ホライズンジャパンのアラン、そして独立した鷲津の戦いが始まるのだろう。

 ストーリー的にはかなり面白くなってきたが、残念ながら視聴率はついてきていないどころか、下降の一途を辿っている。その原因として考えられるのは、「難しくて男臭いドラマ」に見えることではないか。銀行、企業、経済、買収といったお堅いワードに、オジサンたちの足の引っ張り合い。これを、2013年に大ヒットした『半沢直樹』(TBS系)と同じ「日曜劇場」枠で放送していたら、もっと数字が取れていたかもしれない。

 また、『ハゲタカ』の視聴率が低迷しているのに対し、その後にオンエアされる『グッド・ドクター』が好調で評判も良いとなると、視聴者に「リアルタイムで『グッド・ドクター』を見たいから、家事や入浴は『ハゲタカ』の時間に済ませよう」などと思わせている可能性もある。

 これは今期の火曜ドラマにもいえることで、フジテレビ系「火曜21時枠」の『健康で文化的な最低限度の生活』の平均視聴率が第2話以降5%台で推移している一方、22時からのTBS系「火曜ドラマ」枠『義母と娘のブルース』は、当初の11%台から第5話で13.1%まで数字を伸ばしている。やはり前者の放送時間帯が家事や入浴タイムに充てられているのではないだろうか。視聴者にしてみれば、限られた時間の中で「リアルタイムで見たいドラマ」を厳選しているのだろう。

 火曜と木曜、どちらもドラマ対決では21時台が劣勢な状況だが、今後もこの傾向が続くのか、気になるところだ。
(文=美神サチコ/コラムニスト)

木曜ドラマ『ハゲタカ』(テレビ朝日)より