俳優の山崎賢人が主演を務める連続テレビドラマ『グッド・ドクター』(フジテレビ系)の第5話が8月9日に放送され、平均視聴率は前回から1.6ポイントアップの12.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だった。これは自己最高の数字で、初回から5週連続で2ケタをキープしている。

 同じ木曜日に放送されているドラマ『ハゲタカ』(テレビ朝日系)は、9日に放送された第4話の平均視聴率が9.6%だった。初回の11.9%から、11.3%、10.4%と数字を落とし、ついに1ケタ台に転落した。一方の『グッド・ドクター』は、初回の11.5%から10.6%、11.6%、10.6%と推移しており、第3話以降は『ハゲタカ』を逆転している。

 第5話では、天才ボーイソプラノ歌手の羽山響(城桧吏)が東郷記念病院小児外科にやってくる。診察の結果、のどがひどい炎症を起こし、下咽頭梨状窩瘻を発症していた。早急に手術が必要な状態だが、術後に高音が出なくなることも懸念される。響の父親は、歌手である響にとってリスクのある手術は受けさせられないと反発するが、とにかく響は入院することになった。

 一方、小児科では、武智倫太朗(斎藤汰鷹)を中心に院内のお楽しみ会で披露する合唱の練習が行われていた。患者の子どもたちの多くは学校の運動会や発表会などに参加できておらず、倫太朗も今回のお楽しみ会をとても楽しみにしていた。

 しかし、当日、白血病が再発した倫太朗は倒れてしまい、無菌室に隔離されることに。楽しみにしていた合唱にも参加できず、つらい治療生活が始まることにショックを受けていた。そこで、ほかの子どもたちはサプライズで倫太朗にAKB48の『365日の紙飛行機』の合唱を披露する。これは、お楽しみ会のために倫太朗も練習していた曲だった。

 すっかり歌が嫌いになっていた響は倫太朗が歌う予定だったソロパートを務め、「自分の歌で他人を元気づけることができるのだ」と改めて実感する。また、友達が自分のために歌ってくれる姿を見た倫太朗には笑顔が戻り、その姿に倫太朗の母も涙を流す……という展開だった。

●名言が心に響く視聴者が続出

 今回は、小児外科主任の高山誠司(藤木直人)の弟も自閉症だったが、自分が弟の夢を応援したことでパニック障害を引き起こしてしまい、事故で死んでしまったことが明らかになった。先天性の自閉症スペクトラム障がいがあるレジデント(後期研修医)の新堂湊(山崎)にきつくあたってしまうのも、その姿に弟を重ね合わせてしまい、「これ以上、新堂が他人から傷つけられないように」と思っての行動であったという。

 医療ドラマである以上、「子どもが病気になり、それを救う」または「子どもの病気をめぐる家族の物語」という展開が多くマンネリ化しがちだが、『グッド・ドクター』では「わかっているのに号泣」する視聴者が続出しているようだ。

 また、新堂への対応をめぐり、障がい者に対する接し方や社会の受け入れ態勢などについて、深く考え始める人も多く出てきているようだ。初回に比べて、新堂に対する小児科スタッフの態度はやわらかくなってきているが、子どもたちは最初から新堂のことを受け入れている。むしろ、子どもの気持ちに寄り添ってくれる新堂先生のことが、みんな大好きだ。そんな描写に、以下のような声が相次いでいる。

「これが現実なのかもしれない。すっごい考えさせられる」

「久しぶりに考えさせられるドラマだよ! 良いドラマだよ」

「湊先生の『夢は生きる力になります。あきらめてはいけません』が心に響く。毎回、考えさせられる言葉を言ってくれるから、これまた泣ける」

 特に、子どもたちが発するセリフは、大人が忘れてしまった大事なことを思い出させてくれるものが多い。まるで、視聴者の心のケアまでしてくれているようだ。見るだけで癒やし効果がある上、号泣すればストレス発散にもなる。『グッド・ドクター』は、そんな稀有なドラマのようだ。
(文=絢友ヨシカ/ライター)

「『グッド・ドクター』 - フジテレビ」より