"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。7月に相次いで執行されたオウム真理教元教団幹部らの死刑について、両氏が思ったこととは――?

前編では、「冤罪(えんざい)が100%ないとは言い切れない」「死刑にするより無期懲役にして、未来の大事件を防ぐような情報を得たほうが賢い」と死刑制度の是非を議論。さらに、オウム真理教は「自分は優秀なのになんでモテないんだ?」と思っている人たちを積極的に勧誘することで信者を増やした、と分析した。

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ひろ 彼らは「自分は優秀なのに」というロジックですけど、頭がいいのとテストでいい点を取るのって、別のことですよね。

ホリ そうだね。

ひろ 例えば、高校3年生に「スマホを使っていい」という条件でセンター試験を受けさせたら高得点を取れちゃうわけです。つまり、高学歴だと思っている人の学力って「スマホがあれば済む」ぐらいのこと。

テストの勉強ができたからって頭がいいわけでもないし、人間として優れてるわけでもない。なのに「こんなにすごい俺が評価されないのはおかしい」とか、妙な思考になっちゃうんすよね。

ホリ 頭がいいのと学力が高いってのは似て非なるもの。わかりやすく書くと、[高学歴=テストで良い点を取る≠頭が良い]って感じだよね。

ひろ 日本の「高学歴」が証明するのはテストの得点であって、それ以外の能力は証明してないです。

ホリ 「研究熱心な高学歴な信者がいたから、オウムはここまで大きなことができた」と言ってる人もいるみたいだね。

ひろ うーん、彼らが勉強できたのは確かですけど、研究の能力が高かったのかといえば懐疑的だったりします。サリンにしろ自動小銃にしろ、出来があまり良くなかったようですからね。

研究設備の予算には事欠かなかったと思いますけど、警視庁の検証によると金属材料の不足やノウハウ不足によって銃のクオリティは高くなかったみたいです。

ホリ だから海外から購入してたんだよね。

ひろ オウムってロシアにも支部を持っていたわけで、中東やらロシアやらの工場のツテを持ってる人を見つけるとか、いくらでもやりようはあったと思うんですよ。ってことで、高学歴といっても答えが決まっているテストを解くのが得意なだけで、正解が決まってないものを解く能力は高くない人が多かったんじゃないかと。

ホリ なるほどね。

ひろ「銃の工場の開発者とコネをつくるにはどうしたらいいか?」「この異性を口説くにはどうしたらいいか?」とか、そういう問いの答えを出すのはへたな人たちだったんだろうなと。

ホリ 本当の意味での頭は良くない人たちだよね。ただ、それなりに処理能力の高い人間が死刑になるのは、なんとも皮肉だよね。うまく活用すれば、世の中のためになったかもしれないのに。

ひろ 知能指数も平均より高かったでしょうし、世の中で役に立つ能力を十二分に持っていた人たちでしょうからね。でも、テストだけが得意だったら「問題には正解がある」「教えてくれる先生がいるのが当たり前」と考えますよね。

それって同時に「ひょっとして先生が間違ってるんじゃね?」とか「偉い人の考えが間違っているかも」という可能性を考えないってことで、それが一連の事件にもつながったんじゃないかなと思ったりします。

ホリ 俺らと違って、彼らは"優等生"だったわけだな。

ひろ ですね。そういった部分が"まじめ"な人の弱点でもあるんですよね......。

●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。『これからを稼ごう 仮装通貨と未来のお金の話』(徳間書店)が発売中

●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『働き方 完全無双』(大和書房)

構成/杉原光徳 加藤純平 イラスト/西アズナブル

オウム真理教の信者たちは、「偉い人の考えが間違っているかも」という可能性を考えなかった?