婚活市場において、結婚を決めていく人とは、どんな人なのでしょうか。それは、“動く人”です。お見合いを経て、お付き合いに入ったとしても、積極的に連絡を入れたり、会ったりしない方たちは、結局は何年もダラダラと婚活を続けていくことになるのです。

会う約束も台風のせいで流れ…

 会員の藤間由美絵さん(35歳、仮名)は、6月半ばに、千東道雄さん(47歳、仮名)とお見合いをし、お互いに交際希望を出しました。

 先日、由美絵さんから私のところに連絡が入りました。

「千東さんとお見合いしてから、もう1カ月近くたちます。それなのに一度も会えていません。連絡もファーストコールのみです。その時に、『6月は仕事が忙しいので7月に入ったら連絡します』と言われて、そのことだけを告げて電話が切れました」

 結婚相談所でのお見合いは、交際が成立すると、初めて仲人を通じてお互いの連絡先を交換します。そして、その日か翌日の午後9時に男性が女性にファーストコールをするというのが通例です。

「ファーストコール以来、6月には電話もメールも何もありませんでした。7月に入っても連絡が来なかったので、私からメールを入れました。そしたら、やっと会う日程が決まったのですが、その週末に台風が上陸するというのがニュースが流れて、約束がキャンセルされました。

そこから、また全く連絡がありません。お見合いからもう2カ月です。これでお会いしても、結婚まで進むとは思えません。一度もお会いしていませんが、『交際終了』にできませんか?」

 交際に入ったのに、一度も会わないで交際終了にするには、お相手の同意が必要です。お相手の同意が得られず、キャンセルする場合、キャンセル料をお支払いしなくてはなりません。そこで、私が千東さんの相談室に連絡を入れ、この状況を話し、キャンセル料はナシで交際終了にできないか、聞いてみました。

 すると、相談室は、「千東と連絡を取ってみます」とのことで、後日、こんな解答が来ました。

「千東と連絡を取りましたところ、仕事も忙しかったようですが、お母様が入院され、いろいろとバタバタしていたようです。お会いできなかったのは、そのような理由からでした。藤間様とは、またお会いしたい気持ちがあるようです。連絡を入れるように伝えたので、お会いしていただけたら幸いです」

 いやいやいや、江戸時代のように飛脚で連絡を取り合うわけではないのですよ。どんなに仕事が忙しくてもメールの一本は入れられますよね。お母様が入院されたことも、その状況をその日に由美絵さんに知らせることもできたはずです。

 この「バタバタ」という言葉は、とてもクセモノです。仕事や身の回りが忙しいことをお知らせする時によく使われるのですが、大して忙しくなくても、「バタバタ」という言葉を使うと、とても忙しい感じに伝わります。

 この相談室からの連絡の後、10日たちますが、千東さんからの連絡はいまだにありません。

連絡を取らなければ、忘れ去られる

 このケースのように、お見合いの後交際になっても、連絡を密に入れてこない方が男性も女性もとても多いのです。

 その理由のほとんどが「仕事が忙しい」です。

 先日、私の会員同士、安藤美佐子さん(35歳、仮名)と古賀幹生さん(38歳、仮名)が、お見合いをして交際に入りました。ファーストコールの時に美佐子さんは、「会社の部署が移ったばかりで、今月は忙しいので、落ち着いたら連絡を取り合って、お会いましょう」と幹生さんに言ったようです。

 そこから1週間たった頃、美佐子さんから私に連絡が来ました。

「『今は仕事が忙しいから、落ち着いたら連絡します』と言っているのに、古賀さんから毎日メールが来るんです。それも、『おはようございます。今日は朝から暑いですね』とか『一日お疲れ様でした。お休みなさい』とか、どうでもいい意味のないあいさつメール。これって、鎌田さんからの差し金ですか?」

 はい、差し金です(笑)私は、男性にも女性にも、「お見合いの後に交際に入ったら、毎日のメールは必須。期間を空けずに、最低でも1週間に1回、できればウイークデーの夜と週末の2回は、どんなに短時間でもいいので会いましょう」と言っています。

 では、なぜ毎日のメールが大切なのでしょうか?

 現代は情報社会です。ネットニュースはリアルタイムで事件や事故、イベント情報などを配信していますし、スマホには、1日に何通も商品のお得な情報やセールなどのお知らせが届きます。親や兄弟、友達などからのLINEも頻繁に来ます。

 これだけ情報過多になったのに、人間の脳ミソはそれに伴って進化していません。そこで、どんなことが起きてくるかというと、情報が情報に上書きされて古いものは忘れ去られていくのです。

「仕事が忙しいから、今は連絡を取り合わず、落ち着いたらこちらから連絡します」などと言っていたら、忘れ去られてしまいます。

「脳内婚活」していませんか?

 また、「仕事が忙しいので、落ち着いたら連絡を入れます」というのは、考えてみたら、あまりにも自分勝手な理由ではありませんか? お相手も仕事をしているのです。

 同じ職場で同じ仕事量をこなしていても、恋人と会う時間を作っている人はいますし、結婚している人もいます。時間をどう管理していくかは、その方次第です。

 そして、「仕事が忙しいから、落ち着いたら会いたい」と言っている人たちの落とし穴は、「自分は婚活をしている」という意識があることです。相談所に登録していれば、いつでも婚活できる状態にありますから、実際は行動を起こしていないのに、脳ミソは婚活をしている気になっている。「脳内婚活」をしている人がとても多いのです。

 ただ、仕事によっては繁忙期がありますよね。そんな時にはお見合いはしない。いっそ、婚活の現場から離れた方がよいのです。そして、そこを抜けたら集中して婚活をする。

 さらに言うなら、婚活には期間を区切ることも大切です。例えばダイエットでも、「やせたい」と漠然と思っているだけでは決してやせません。ところが、「夏休みに南の島に行く。水着をかっこよく着たい。7月までに2キロやせたい」と期間を区切ると、目標達成がしやすくなりますよね。

 仲人をしている経験則から申し上げますと、婚活は3カ月を一区切りと考えるとよいと思います。3カ月は集中して走る。そして、結果が出なかったら自身の婚活を見直す。そうやってメリハリをつけて活動をしていくことが、婚活疲れを起こさない秘訣(ひけつ)なのです。

仲人・ライター 鎌田れい

成婚には、毎日のメールが欠かせない?