「金さえあれば何でもできる」とはどこかの成金起業家が言っていたセリフだが、もちろんそれが当てはまらないケースもある。どれだけ大金を積んでも買うことができない、世の中で最も貴重なもののひとつが“時間”だ。とりわけ、思春期から青年期は多くの人にとって人生の中でも一番輝かしい季節だろう。

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恋人や友人たちとの楽しい時間、未来への希望、自分の可能性への挑戦、家族との想い出……そんなかけがえのない人生の宝をえん罪により失ってしまった男性の苦悩と再生を描いた衝撃の感動作が『レクティファイ再生』だ。

クリエイターは、アカデミー賞短編映画賞を受賞作『The Accountant』(原題)の監督にして俳優のレイ・マッキノン。製作総指揮は、『ブレイキング・バッド』のマーク・ジョンソンとメリッサ・バーンスタインが務める。TIME 誌、Entertainment Weekly 誌、Variety 誌、全米批評サイトRotten Tomatoesなどで軒並み高評価を受けている同ドラマは、現在Huluプレミアで独占配信中だ。

『レクティファイ再生』ってどんなドラマ?

主人公のダニエル・ホールデンは、10代の頃に恋人を強かん殺人した罪で死刑宣告を受けていた。しかし、最新の技術でDNA鑑定した結果、現場に残されていた精液が別人のものであることが判明し、ダニエルは19年もの歳月を経て釈放された。

ダニエルの生還を喜ぶ家族たち。しかし、一度押された死刑囚の烙印が簡単に消えるはずもなく、ダニエルたち家族を待っていたのは地元の人々やマスコミの好奇の目や偏見だった。

そしてダニエルを苦しめるのは、周囲の冷たい視線だけでなく、失われた19年の歳月そのものだった。肉体はとうに若さを失ってしまったダニエルだが、彼の心の中の時間は少年時代で止まっている。今さら、何をどうやって楽しめばいいというのか? 自由を手に入れたダニエルと家族の、新たな戦いが始まる……。

ここが見どころ!
特に印象的だったのが、ダニエルが芝生の上で靴を脱いで寝そべり、幸せそうな表情でくつろいでいるシーンだ。あたたかい太陽の光を浴びながら、売店で買った数ドルのジュースとチョコバーをかじっているダニエルを観て、胸が苦しくなった。何でもない日常が、どれだけ幸せなのかを感じさせられる。

無事死刑を免れたものの、自分が失ったものの大きさを改めて実感し呆然とするダニエルだが、幸い彼には支えてくれる家族がいた。そして、彼の家族もまた、19年分の喪失感に苦しんでいるのだ。動物園、スケボーにBMX、ラップ・ミュージック……優しい家族に誘われるまま、失われた青春を懸命に取り戻そうともがくダニエル。人間が人間の人生の時間を奪うことの残酷さ、そしてどん底から必死に立ち上がろうともがく人間の美しさ、命の尊さが丁寧に描かれている。

『レクティファイ 再生』シーズン1
Huluでシーズン1独占配信中

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『レクティファイ 再生』(Huluプレミア)

text吉野潤子
(d.365)
掲載:M-ON! Press