カリシュに完敗「タイムと成績は褒められたものではないけど…」

 11日に行われた競泳のパンパシ水泳(東京辰巳国際水泳場)男子200メートル個人メドレーで、日本の2枚エースは400メートル個人メドレーに続いてまたしても好敵手のチェイス・カリシュ(米国)に歯が立たなかった。

 昨夏の世界選手権(ブタペスト)で400メートル個人メドレーとの2冠に輝いたカリシュの優勝タイムは、当時をしのぐ1分55秒40。400メートル個人メドレーで銀メダルを取った萩野公介(ブリヂストン)が1分55秒66で3位、同3位の瀬戸大也(ANA)は1分57秒36で4位に終わり、今大会3つ目のメダルを逃した。

「(大声援の)素晴らしい環境の中で100%の力を出すことに集中したけど、最後は苦しかった。悔しい」

 萩野はスタートダッシュを仕掛け、バタフライでトップの25秒01。カリシュに0秒43差で背泳ぎに入ると、ここでも勢いを持続して54秒09で半分を終える。ライバルに0秒49差をつけて3種目めに移行したが、ここで平泳ぎを得意とするカリシュにまくられ、最後の自由形でも失速してしまい、王者に1秒11差の3位で今大会のレースを終えた。

 銀と銅のメダルを取って面目を保ったが、戦績以上の収穫を得たという。「タイムと成績は褒められたものではないけど、東京五輪へ向け、一つの転機になった大会だった」と含蓄ありげな言葉を放った。

東京五輪へ掴んだもの「今までは何をしたら前進できるのか見えなかった」

 2014年のパンパシ水泳では、200メートルと400メートルの個人メドレーで優勝し、16年のリオデジャネイロ五輪でも400メートル個人メドレーを制し、世界にその実力を知らしめた萩野だが、五輪後は主要な世界大会で勝てずにいる。

 それが16年ぶりの自国開催となった今大会で、再び世界のトップに立つための何かを感じ取った。「今までは何をしたらいいのか、何をしたら前進できるのかが見えなかったけど、練習を積んで少しずつ感じられるようになった」と穏やかな顔つきで話した。

 右ひじの手術など苦しい時期もあったが、万雷の拍手と歓声を浴びた大会を経験し、期するものがあったのだろう。「カリシュはだいぶ離れたところにいるけど、しっかりやっていきたい」と前を向いた。雌伏の時が長いほど、人は強くなるものだ。(河野 正 / Tadashi Kawano)

萩野公介【写真:Getty Images】