2018年上半期、文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。皇室部門の第3位は、こちら!(初公開日:2018年4月26日)。

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「眞子さま嫁ぎ先の“義母”が抱える400万円超の“借金トラブル”」を「週刊女性」編集部が報じたのは2017年12月12日のこと。この一報から約2カ月後、宮内庁から眞子さまと小室圭さんの「お気持ち」が発表され、「結婚延期」が決まったのだった。2018年の「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」で大賞を受賞したこの記事の担当記者が、小室圭さんの素顔と、当時の取材秘話を明かす。

この男性が本命で、結婚もあるかもしれない

「4時半から、宮内庁で緊急レクがあるぞ」

 今から約2カ月前の2018年2月6日。「週刊女性」編集部から私のところへ連絡が入りました。知らせを受けて、まず「破談か」と思いました。私のように「雑誌協会」へ所属する各雑誌編集部の記者は、宮内庁内で行われる「宮内記者会」に向けた会見やレクには出席できません。レクが終わって正確な情報が伝わるまで、関係者の間では「結婚は無期延期らしい」という噂が回って、その後に「2年延期」という話が聞こえてきたんです。この時、私は取材で外に出ていたので、一人で心臓がバクバクしましたね。

 そもそも「週刊女性」で、眞子さまと小室圭さんの東急東横線デートを報じたのは2016年10月のことで(「秋篠宮眞子さま 横浜デート後のラブラブ『車中』!」「週刊女性」2016年11月1日号)、当時私は皇室記事の取材をはじめてまだ数カ月のころ。右も左もわからない状態の新米皇室担当記者でした。お二人の親密そうな様子や眞子さまがリラックスして心を許されているようなご表情から、「この男性が本命で、結婚もあるかもしれない」と思っていました。

 翌年の2017年5月16日にNHKが夜7時のニュースで、「秋篠宮ご夫妻の長女・眞子さま 大学時代の同級生・小室圭さんと婚約へ」と写真とともに報じたとき、大急ぎで小室圭さんが住む神奈川県内のマンションへ駆けつけました。ごく一般的な外観のマンションで、取材を重ねると2DK〜3DKの間取りであることも分かっていきます。

 私は、同じマンションで暮らしている幼なじみだという女性に、まず圭さんの特徴を確認しようと「圭さんの右腕にホクロはありますか? この人と同一人物ですか?」と東横線内で撮影した写真を見てもらいました。まさか、こんな普通の暮らしをしている人だとは思っていなかったんですよね。翌朝、宮内記者会に所属する新聞やテレビはこぞって、圭さんの元「海の王子」という爽やかなキャラクターと、眞子さまのご両親の秋篠宮両殿下と同じように「キャンパスで実った恋」という点を報じていましたから、私も素直に「こういう爽やかな感じの人なんだな」と思っていました。

一体、学費の出どころはどこなのか

 ただ、小室圭さんという人を取材しはじめてからずっと疑問に思っていたことがあります。「一体、学費の出どころはどこなんだろう」ということ。圭さんは、父の敏勝さんを2002年に亡くして以来、母の佳代さんが女手一つで苦労して育ててきたそうです。その反面、圭さんの経歴は華やかで、国立音大附属小学校からカナディアン・インターナショナルスクール、ICU(国際基督教大学)へ進学して、大学在学中はアメリカに留学もしていました。取材してみると敏勝さんの実家は佳代さん・圭さんと疎遠になっているようでしたし、佳代さんの父は二人と同じマンションに同居する隠居の身のようでした。

佳代さんとの間で金銭トラブルになってしまった男性がいる

 2017年12月初め、私の知人から思いがけない連絡がありました。「佳代さんとの間で金銭トラブルになってしまった男性がいるから、まずはその人の知り合いからちょっと話を聞いてあげてほしい」。眞子さまが圭さんと結婚すれば、佳代さんは義理の母になる人です。「そんな話、本当なのかな」。男性の知人から詳しい事情を聞くまで、半信半疑でした。

 さっそくアポを入れて話を聞いてみると、「私の知人であるXさんが、小室佳代さんに貸したお金を返してもらえず、とても困っているんです」というのです。「その人、いくらくらい貸したんですか?」と聞いていくと、「前に婚約していて」と話し始めるので、頭が混乱しました。「眞子さまと圭さんが、っていうことですか?」「いえ、彼と佳代さんが」と明かしたんです。はじめは、その男性が佳代さんの元婚約者であるとは思いもよらなかった。これが本当なら大変なことになってきたぞ、と思いましたね。

Xさんから佳代さんに合計400万円以上が支払われていた

 Xさんの知人によると、佳代さんとXさんが出会ったのは今から約10年前のこと。佳代さんよりも年上のXさんが圭さんの進学先について相談を聞いたり、佳代さんと二人で旅行に出かけたり。Xさんの両親にも佳代さんと圭さんを会わせて、二人はお付き合いするようになったそうです。ご近所同士だったこともあり、小室家とXさんは家族同然の関係を続けていて、お付き合いを始めてから数年後の2010年9月に二人は婚約したということでした。

 取材を重ねるうちに、佳代さんへ振込みをした履歴が残っている預金通帳やメールのやり取りなどを確認することで、Xさんから佳代さんに合計400万円以上が支払われていたとわかりました。その内訳は、圭さんが通っていたICUの授業料や、大学3年生のときの留学費用200万円、アナウンススクールの授業料、二人の生活費などです。

「とりあえず10万円程お願いできますか」

 東日本大震災を機に、佳代さんがパートとして働くお店の営業時間が短縮されて、たびたびXさんへ「ヘルプ」の連絡が来るようになったといいます。2011年3月中旬には、佳代さんからのメールに「申し訳ありませんが当分の生活費をお借りしても良いでしょうか」「振込みはみずほで結構(みずほのカードしか持っていない)です。とりあえず10万円程お願いできますか。いつも助けて頂くばかりで感謝ですm(_ _)m」という記述があり、当時の佳代さんには、Xさんからお金を借りているという認識があったことを物語っています。

「私はただの財布じゃない」。こう思ってXさんが佳代さんに別れを切り出したのが2012年9月頃のこと。Xさんは婚約解消を願い出た後、これまでに振り込んだお金を返してほしいと文書で伝えたそうです。佳代さんは婚約解消の申し出を意外にもすんなりと受け入れたそうですが、お金については違いました。

 当初、佳代さんからは「月に1万円ずつほどしか返せません」と電話があった後に、文書で「貴殿の返済請求している4,093,000は小室佳代が貴殿から贈与を受けたものであって貸し付けを受けたものではありません。従いましてその金銭について返済する気持ちはありません」と返答したそうです。Xさんは借用書を作らなかったので、佳代さんが借金した事実を認めていない以上、実際にお金を返してもらうことは難しいのでしょう。しかし、Xさんとしては、夫を亡くして経済的に困っている母一人子一人に対して、借用書を作るようなことができなかったと述懐しています。

小室佳代さんを直撃すると、明らかに動揺している様子だった

「週刊女性」2017年12月26日号で、初めて佳代さんとXさんの金銭トラブルについて報じるにあたり、事実確認を求めて、自宅マンションから出てきた佳代さんを直撃しました。あのときの様子は忘れられません。

 佳代さんは、これまで受けてきた報道陣からの取材と同じように「どうも」という感じで軽く会釈をしてスルーしようとしたように見えました。しかし、私がXさんの名前を出した途端に、歩くスピードがいきなり速くなった。「秋篠宮家の方々は、この事実をご存知なのでしょうか」と私が問いかけると「取材にはお答えできません。申し訳ありません……」と言い残して去っていきました。明らかに動揺している様子でした。ただ、この時点ではXさんとの金銭トラブルが、眞子さまと圭さんの「結婚延期」にまで波及するとは考えていなかったのではないでしょうか。

皇族のご結婚である以上、お二人の意思だけで決まっていいものだろうか

 最初に眞子さまと圭さんのデートを報じた2016年秋の時点では、私も漠然と「眞子さまが選ばれたのだから、この男性はきっと眞子さまにふさわしい方なのだろう」という風に思っていました。

 しかし、「筆頭宮家のご長女というお立場の眞子さまのご結婚相手にどういう人がふさわしいのか」。これは非常に難しい問題だと考えるようになりました。たとえご本人同士が「結婚したい」という意思を持っていても、皇族のご結婚である以上、お二人の意思だけで決まっていいものだろうかとも思い至るようになったのです。はからずも、眞子さまが宮家当主になられることが想定されていた「女性宮家」構想の危険性を、今回の「結婚延期」が指し示すことにもなりました。

「死亡金が500万円では少ない」

 佳代さんがXさんと婚約して約2カ月が経った頃、「Xさんの生命保険の証書がほしい」と言われたので渡したそうです。もともとの受け取り人はXさんのお嬢さんだったそうですが、婚約するにあたって佳代さんに書き換えたので証書のコピーを渡したところ、「死亡金が500万円では少ない」と言われたというんですね。こういうエピソードが次々に出てくると、小室家の深淵を覗き込むような思いがして、そら恐ろしさを感じました。

小室圭さんは、何も答えず前だけを見て歩き続けた

 結婚延期報道が出る直前、圭さんにも話を聞きたくて直撃しました。「少しずつでもお金を返す意思はないんでしょうか?」と問いかけましたが、何も答えずただまっすぐ前だけを見て歩き続けたのです。

 Xさんと佳代さん、圭さんの間で話し合いが持たれたとき、圭さんははっきりと「贈与だと認識しています」と話したそうです。たとえば、「すみません、今はまだお返しできるお金がなくて」とか、「社会人になったら少しずつ、月に1万でも2万でもできるだけ返します」と圭さんから話したってよかったと思うんです。一時期は母親の婚約者であった人で、その人から借りたお金で自分の学費や留学費用をまかなっていた頃もあった。そういう風にお世話になって人に対して、どうしてそれほど冷淡で事務的なやり取りができるんだろう、と疑問に思いました。

 Xさんは佳代さんにお金を貸したこともあって、その後、ローン返済が難しくなり、自宅を売却してしまったそうです。佳代さんは「圭ちゃんのためならなんでもできる」という人だと聞いていますから、圭さんのためを思って強硬な手段に出たのかもしれません。

Xさんは「お金を返す努力や誠意を見せてほしい。それを圭くんの意思で決めてほしい」

 しばらく経って、私がXさんに初めて会ったのは、港区内のとあるカフェでした。待ち合わせ場所に現れた男性は、「弁護士に相談しても一向に状況が変わらないので、困っているんです」と非常に小さい声で話しながら、困窮している様子が見て取れました。

 Xさんの主張は一貫して変わりません。「少しずつでもいいからお金を返す努力や誠意を見せてほしい。それを圭くんの意思で決めてほしい」ということ。しかし、宮内庁や小室佳代さん、圭さんからはXさんに何の連絡もきていないそうです。

 さらに、皇室経済法には第6条第7項で、「皇族の身分を離れる者」に国から一時金を渡すことが定められています。眞子さまの場合は1億数千万円が予定されていました。こうした支度金とも言えるお金の存在もまた、一般的な両性の合意による結婚と、皇族の結婚が大きく異なる一因といえます。Xさんからの借金の補填に、税金である眞子さまへの一時金が使用されるのではないかという疑念も残ってしまう。宮内庁は結婚延期の理由に「週刊誌報道は関係ない」との見解を示していますが、事態収束にむけて何らかの対応をすべきではないでしょうか。

(「文春オンライン」編集部)

2017年9月3日、婚約内定会見での眞子さまと小室圭さん ©JMPA