映画『インクレディブル・ファミリー』にはMr.インクレディブル、イラスティガール、フロゾンという3人のヒーローたちのめちゃくちゃかっこいいテーマソングが使われている。ブラッド・バード監督が取材に応じ、14年ぶりの続編でなぜ彼らのテーマソングを作ることにしたのかを語った。

 前作に続きヒーロー活動が禁止された世界を描く本作では、ヒーローたちの大ファンである大手通信会社社長ウィンストン・デヴァーが、Mr.インクレディブルやイラスティガールが再び表舞台に出られるよう手を差し伸べるところから始まる。バード監督はウィンストンにただセリフで「あなたたちの大ファンなんです!」と言わせるのではなく、彼がいかにヒーローたちに夢中かを示せたら……と考えていた時にテーマソングのアイデアを思い付いたのだという。

 「ただ言葉で言わせても面白くない。だが、もしウィンストンがテーマソングを歌い始めて、ヒーローたちもそのテーマソングを知っていたら、彼らの間には瞬時に絆が生まれるだろうし、シーンとしても楽しいものになるんじゃないかと思ったんだ。もしバスケットボールのスター選手なら、シューズの契約があるものでしょ? 十分にスターなら自分自身のシューズを持てる。ヒーローの場合は、テーマソングを持てるんじゃないかと僕には思えた。細々と説明することなしに、映画で描いたもの以外にも、ヒーローとしての生活があることを少し見せる方法でもあったんだ」

 そこでバード監督はすぐさま音楽担当のマイケル・ジアッキノ(『カールじいさんの空飛ぶ家』『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』など)に電話して、「ヒーローのテーマソングが三つ必要だ」と告げると、「オッケー! いつまでに必要なの?」とノリノリで作ってくれたそう。「彼はブロードウェイミュージカル『ハミルトン』の編曲をやったアレックス・ラッカモアをうまく話に乗せた。僕らは彼を今作にかかわらせることが出来たんだ(笑)。彼はジアッキノとすごく楽しむことになったよ」

ピクサー本社で取材に応じたプロデューサーのニコール・パラディス・グリンドルとブラッド・バード監督 - (c) KaoriSuzuki

 ウィンストンが口ずさむ曲を作るためだけにバード監督たちがすごいメンツで行ったこのレコーディングについて、プロデューサーのニコール・パラディス・グリンドルは「プロデューサーの間では“ブーンドグル(多大な労力、時間、お金を使う無駄な仕事)”と呼んでいたの。だって、基本的には彼らは、楽しみのためだけにレコーディングをして、たくさんのお金を使うはずだったから」と打ち明ける。しかし出来上がった楽曲には皆が恋してしまい、映画にも組み込まれたほか、宣伝にも使われることになり、結果オーライだったと笑った。作曲はジアッキノ、編曲はラッカモアという豪華タッグで生まれた三つのテーマソングのクオリティーの高さはハンパなく、映画館の大音量で聴けば大興奮させられること間違いなしだ。(編集部・市川遥)

映画『インクレディブル・ファミリー』は公開中

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