イーサン・ホーク(47歳)は、30歳の時に人生に絶望していたという。

1989年の映画「いまを生きる」で転校生役に抜擢されたイーサンは、1994年の「リアリティ・バイツ」や1995年「恋人までの距離(ディスタンス)」の主演で誰もが知る有名俳優となった。だが、その後の10年はなかなか配役を得られず苦労したようだ。

イーサンは次のように語っている。

「何度かオーディションに通ったよ。90年代が終わる頃だった」
「まだ30歳だっていうのに、絶望を感じていたよ」
「友達はみんな『プライベート・ライアン』のオーディションに行っていた。でも僕はオーディションに参加すらできなかったんだ。制作陣は僕のことを知っていて、要らないと言うんだ。『オーディションに来る必要はないよ。私たちは君のことは知っているし、君向きの役ではないから』ってね」
「彼らは僕の出演した『真夜中の戦場 クリスマスを贈ります』を見ていた。スピルバーグも好きだったらしいけど、彼は自分の映画のオーディションには僕は要らないと言ったんだ」

また、ベン・アフレックやマット・デイモンなど、同世代の俳優が経験を重ね自分の役柄を確立していくのに対して、自分は過去に演じた役に捕らわれ、新しいことに挑戦できずにいるとも感じていたようだ。

2001年の「トレーニング デイ」での麻薬取締課の新人刑事ジェイク役でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされたことが再ブレイクのきっかけとなったというイーサンだが、前妻ユマ・サーマンとの離婚を同時期に経験することになる。

アメリカ版GQ誌に対して、イーサンは次のように語った。

「色んな意味で、それ(『トレーニング デイ』での成功)が何かの始まりだったんだ。僕の俳優人生では最高の瞬間だった。これで俳優としてやっていけるんじゃないかなって思えた」
「でも僕は離婚して、プライベートではボロボロだった。うつ状態にあるときは、他人や人生の何もかもフェイクだと考えがちだけど、僕もすぐにそうなった。有名人だなんて偽物だ、全部偽物だってね。自分の中にいる(『ライ麦畑でつかまえて』の主人公)ホールデン・コールフィールドが現れるんだ」

だが、ユマとの間に2人、現在の妻との間に2人の子供がいるイーサンは、うつ状態を克服できたのは仕事、劇場、子どもたちのおかげだとして、「子どもが本当にありがたいのは、いつも僕を必要としてくれること。それで人生のバランスが取れるんだ。僕の人生は僕だけの人生じゃないってことだよ」とも語っていた。