降霊術や心霊術に用いられるウィジャボード。日本のこっくりさんに似たような使い方をする海外の文字盤であるが、参加者が「指を乗せているだけ」の指示板がなぜ動くのか、その原理については未だ不明点が残る。最近、デンマークの研究者らが新たな研究成果を発表したのだが、その論文によれば、文字を指し示しているのは参加者の無意識の行動なのだという。オカルトサイト「Mysterious Universe」(7月31日付)が伝えている。


■プランシェットを動かしているのは誰なのか?

 ウィジャボードはアルファベットや数字、「Yes」「No」といった文字が書かれたボードと、文字を指し示すための小さな板(プランシェット)からなる占い用の文字盤である。ボードを囲む数人の参加者がプランシェットに指を置き、幽霊や精霊などを呼び出して質問を投げかけると、プランシェットがひとりでに動き出して答えを指し示すというものだ。日本のこっくりさんと似たような遊びである。19世紀に発売された古いゲームであるが、海外では今も降霊術や心霊術の一種として人気があるという。

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 なぜプランシェットは勝手に動き出すのか? もしこっくりさんに参加したことがあるならば、10円玉がひとりでにすーっと動く、不気味で不思議な感覚を知っているだろう。どうしてそんなことが起こるのか、その原因については古くから議論されている。心霊現象である、参加者の誰かが意図的に動かしているだけ、無意識のうちに体が動いている……など諸説があるが、結論は出ておらず現在でも研究が続いている。

 今年7月、デンマークのオーフス大学の研究者らが新たな成果を発表した。専門誌「Phenomenology and the Cognitive Sciences」に発表された論文によると、ウィジャボートを動かしているのはやはり参加者の無意識らしいことが明らかになった。目の動きを追跡するデバイスを使用して、ウィジャボードのセッション中に参加者がどこを見ているかを調べたところ、意味のある回答が形成され始めた時、参加者は次に指し示される文字を見ていたのである。

 実験では40人の参加者が視線を追跡するデバイスを身につけてウィジャボードのセッションを行った。セッションは通常通りに参加者が自由に質問する場合と、意図的に「はい」か「いいえ」を選ばせて「BALTIMORE」と綴らせる場合と2回行われた。

 研究者は視線の動きから“Sense of Agency(SoA)”と呼ばれるものを調べた。SoAは自分の動作が自分の意図通りだという感覚を指す。

「BALTIMORE」と指示通りに文字を指し示す時、参加者は次に進む文字を見ており、脳が続く行動を予測してことは視線の動きからも明らかだった。だが、自由にセッションを行っていた時、参加者の目の動きは明らかに少なくなり、SoAは低くなっていた。しかし、プランシェットが意味のある回答をし始めると、目の動きはとたんに増えていた。参加者は次にプランシェットが指し示す文字を、指の動きに先駆けて目で捉えていたのである。

 例えば、「最もオカルトなウェブサイトは?」という質問に対し、ウィジャボードが「TOCANA」と答えたとしよう。プランシェットが「T」、「O」と続けて指した時、参加者の頭には「TOCANA」の綴りが自然と思い浮かぶはずだ。その時、参加者の目はプランシェットが動くより先に「C」、つまり次に来るはずの文字を見ていたのである。そしてプランシェットは「C」「A」「N」「A」と、脳の予測通りに文字を指し示すのである。

 ウィジャボードが意味のある回答をしている時、参加者のうち少なくとも片方の目の動きは、明らかに次に続く文字を予測していたそうだ。脳内で答えを予測した参加者の指先は無意識のうちに反応し、プランシェットの動きを自然と誘導したと考えられる。つまり、プランシェットが指し示す答えや文字列は、(意図的に動かしたのでなければ)参加者たちが無意識のうちに協力しあって作り出したと考えるのが妥当だろう。だが、セッション後のアンケートでは幽霊やスピリチュアルな存在を信じていると答えた参加者で、「セッション中、プランシェットが自然と動いた」と答える率は高かったという。

 幽霊や精霊などスピリチュアルな存在と手軽に交流できるとされるウィジャボードであるが、実際にアクセスしているのは参加者の無意識なのだろう。無意識が答えを告げているというなら、ウィジャボードやこっくりさんが伝える「答え」が、時として当を得たものであるのも納得である。また、無意識だからこそ、大いなる存在と交信できている可能性もある。
(編集部)

※イメージ画像は、「Wikipedia」より

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