デビュー以来、約40年にわたり一線で活躍し続ける俳優タレント柳沢慎吾が、相変わらず元気だ。トークバラエティをはじめ、ロケ、情報番組のほか、現在放送中のドラマ極道めし』(BSジャパン)では役者として、お調子者の詐欺師を熱演。来年は2本の出演映画開される。独特のハイテンションな喋りは時に賛否あるものの、デビューから役者としてもタレントとしても“笑味期限”知らずの活躍ぶりだ。50代半ばを過ぎ、漂って然るべき大人の男の格もない(?)…と思いきや、三菱UFJ信託銀行CMでは、“ふぞろい”以来の盟友、仲手こと中井貴一と、真田広之という50トリオを結成し、相続について熱く議論を交わしたりもしている。永遠のひょうきん男は、なぜ視聴者を惹きつけ続けるのだろうか?

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■三枚俳優キャラそのままに、20代半ばで現在に通じる特異なポジション確立

 柳沢慎吾が芸界へ入ったきっかけは1978年、『ぎんざNOW!』(TBS系)の「素人コメディアン場」で第19代チャンピオンになったこと。当時、このコーナーはかなりの人気で、同コーナーからは関根勤竹中直人らもデビューしている。

 その後、1979年ドラマ3年B組金八先生』(第一期/同)にチョイ役出演したことを皮切りに、ドラマ版の『んだカップル』(フジテレビ系1980年)に出演、『んだライバル』(同/1981年)では演と、俳優として順調にステップアップしていく。そして1983年柳沢の代表作とも言える『ふぞろいの林檎たち』(TBS系)で一躍、世間的にも知名度を上げた。

 同作では仲手良雄役の中井貴一岩田健一役の時任三郎とともに三流大学学生役を演じ、全に三枚役者としてのポジション確立した。そのキャラの影もあってか、バラエティ番組では“うるさい”“落ち着きのない”キャラクターを披露。そして1989年とんねるず正月特番『仁義なきの芸界全部乗っ取らせていただきますスペシャル』(日本テレビ系)で放送された「ねるとん(べにじゃけ)団」(芸人によるねるとん)で、元おニャン子クラブ内海和子にフラれた際に言い放った「あばよ!」の決めゼリフブレイク20代半ばにして、現在にまで通じる「俳優バラエティタレント」としての地位を築いたのである。 

俳優ながら芸人顔負けの“バラエティ” ジャンル不問の汎用性

 柳沢最強の武器として、「ひとり甲子園」や「ひとり警視庁24時」などの“ひとりシリーズ”がある。そもそも『徹子の部屋』(テレビ朝日系)などのトーク番組で披露していたものが評判となり、各バラエティ番組でも取り上げられるようになったのだが、2008年には甲子園の熱闘をひとり20役で演じたCDアルバム柳沢慎吾クライマックス甲子園!!』を発売したり、今年3月には、横浜スタジアムでひとり甲子園を再現する「日本一長い始球式」が話題になるなど、このネタは見事に“ひとり立ち”した。

 そんな柳沢が“笑味期限”知らずなのは、その“汎用性”の高さに起因しているといえるだろう。俳優ながらも芸人顔負けの“バラエティ”があるため、ときには芸人以上にハマることさえあり、テレビなどでの露出も途切れず、結果的にお茶の間でも欠かせない存在として認知されていく。また、ネタにしても「ひとり甲子園」や「ひとり警視庁24時」のように、一過性のものではなく、ある意味普遍的なネタであり、決して腐ることもない。いつの時代でも“生きた芸”なのである。

 柳沢の得意技のひとつ、「あばよ!」に代表される一発フレーズも、今なお“現役”。そのほか、「いい夢みろよ」、「おい、かまいたち」、「お前中三のとき、高三っ!」などのフレーズにしても、よく考えれば大したことは言ってないのだが、逆にシンプルすぎるインパクトから、やはり“普遍性”“汎用性”を獲得していくのだ。

■底抜けの明るさと嬌で閥知らず 性のされ男“慎ちゃん”

 さらに言えば、年輪を重ねても変わらぬ “舎キャラ”と、生来の性格のよさから、芸界の各方面から “慎ちゃん”とされているのも芸寿命と関係している。芸界を生き抜くための最重要課題である“人間関係”をしっかりと構築しているのだ。

 たとえば、ウッチャンナンチャンとは『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』(フジテレビ系)以来の仲だし、「あばよ!」は、とんねるず石橋貴明の助言から生まれたものという。タモリの『笑っていいとも!』にもコーナーレギュラーとして半年間出演しているし、京本政樹(『火曜サプライズ さま・慎ちゃん 都バスで飛ばすぜぃ!』で共演)とは親友と呼び合う仲だ。人柄の良さについては、ズケズケものを言うことで知られる遠野なぎこでさえ、女性誌で「あれほどまでに、裏表のない芸人を私は見たことがありません」とっている。

 そのハイテンションな喋りから、一発屋っぽさも感じさせるが、実は芸歴40年の大ベテラン柳沢慎吾が“笑味期限”切れにならないワケは、ひょうきんな言動の裏に隠された「ネタの汎用性を見抜く鋭い」と、芸界の閥争いとも縁の「人柄」にあるといえよう。十分なキャリアと実績がありながら、“ただの芸達者タレント”に見せているのは、“役者”という基盤があるだけに、柳沢流の高度な“演技”なのかもしれない。

芸歴40年の大ベテランながら”慎吾ちゃん”と親しまれる柳沢。50代半ばとなった今も芸人顔負けの”バラエティ力”で各局で活躍する。(C)ORICON NewS inc.