みなさんは、本をどうやって手に入れますか。ひと昔前は近所の書店に行って買いめるのが当たり前だったと思いますが、いまやアマゾンなどのネット書店の勢いが著しく、「本はネットポチり」という人が増えているのではないかと思います。

今年6月にも、東京六本木の有名書店「青山ブックセンター 六本木店」が閉店するというさみしいニュースがありました。昨年も渋谷で「ブックファースト渋谷文化村通り店」が閉店しています。

さて、そうするとリアル書店(店舗書店)は逆にさらされ、苦しい状況が続いていそうですが、実際はどうなっているでしょうか。開されている統計データをもとに、リアル書店好きの顕史税理士が検証しました。

スマホ普及がネット書店を後押しか

ネット販売が著しく伸びている時代とはいえ、リアル書店の踏んりは見逃せません。まずはリアル書店の事業所数の推移をみてみましょう。事業所数と店舗数は必ずしも一致しませんが、傾向をつかむ分には問題ないでしょう。

経済産業省経済センサスー活動調 」(平成24年28年)によると、リアル書店の事業所数は、1988年に約2万8千あった一方で直近データ2016年では8544と、約7割減少しています。とくに個人経営の事業所数は、ピーク時から87%も減っています。

私の印ですが、の小さな本屋は昭和末期には都心部でも見かけましたが、最近は都市部だけでなく地方でもほとんど見かけないような気がしています。ちなみに朝日新聞報道2017年8月24日付)によると、全420市町村行政区では書店がゼロということです。

書店数の減少は売上高の減少にもつながっています。1997年の販売額は2兆4,700億円でしたが、直近では1兆2千億円と約半分まで落ち込んでいます。とくに落ち込みが厳しいのは2007年から2012年にかけてで、一気に44%も減少しました。スマートフォンの普及が進んで媒体の書籍・雑誌を読む人が少なくなったことが影していると考えられます。(経済センサスー活動調平成24年28年)から)

また、計支出に占める書籍に対する額も減少してきていて、ピーク時の2008年では15,438円だったのが、2017年では11,501円と、ピーク時の約75%となっています。(総務省 計調年報 計収支編 1世帯当たり年間の品別支出額から)

一方で、ネット書店はどうなっているでしょうか。

ネット書店全体での販売額がどの程度なのかという的なデータは見つかりませんでしたが、最大手とみられるアマゾン日本でどれくらいの売上高をあげているのかを推測することはできます。次の表はアマゾン日本の売上高です。この売上高は日本全体であげたもので、書籍だけではないのですが、ネット販売の伸びはある程度想像できます。(アマゾン社のアニュアルレポートから)

また、全出版協会によると、2017年の出版市場は、が1兆3,701億円で電子が2,215億円。が減り、電子が伸びるという傾向に変わりはないようです。もちろんネット書店での本を買うこともありますが、このデータからもネット書店の伸びはある程度想像していいと思います。

リアル書店の売り場面積2014年から2016年にかけて増加

それでは、ネット書店はどのくらい伸びているでしょうか。

統計データが違うので単純較はできないのですが、先ほどのリアル書店販売額と雑誌・週刊誌・書籍の計支出推移を較すれば状況がうかがえます。

2007年2016年較すると、計支出の書籍・雑誌の落ち込みは約25%であるのに対して、この期間でのリアル書店販売の落ち込みは、約44%です。あくまで推測ですが、この間に、リアル書店よりもネット書店を選ぶ消費者が増えたのではないかと考えられます。これからも、ネット書店の勢いが増すのではないでしょうか。

一方で、こんなデータもあります。リアル書店の売り場面積2014年から2016年にかけて増えているんです(経済センサスー活動調平成24年28年)から)。事業所数が減少していて、1店舗あたりの売り場面積も増加傾向にあります。

売り場面積を広げて、少しでも来店してもらおうという経営者の狙いなのかもしれません。最近では、カフェと提携して、落ち着いた間でコーヒーを飲みながらゆっくり本を選んでもらう…といったところも増えてきているようです。

立ち読みを推奨するわけではありませんが、リアル書店で本を手にとりながら選ぶのと、ネットで選ぶのとではやはり違いがあると思います。私もタイトル次だけでネット注文して、あとで買わなければよかったと悔やんだことがあります。

ただ、売り場面積が増えることは必ずしもポジティブには捉えられません。生き残りをかけた大化をしても、大量に仕入れた本が売れ残るリスクはつきまとい、テナント賃の負担も軽いものではないでしょう。

むしろ小さな店で、書籍に詳しい店コミュニケーションを取りながら気になる本を探す。こんな書店との関わり方も最近では再評価されているというもあります。ネット書店が伸びるのは時代の流れかもしれませんが、リアル書店ならでの味わいも捨てがたいと思っています。の本屋さんの奮闘に期待したいです。

【取材】

顕史(り・けんじ)税理士

総合会計事務所所長。一橋大学商学部卒。公認会計士東京会研修委員会副委員長東京都大学等委託訓練講座講師。PwCあらた有限責任法人融部勤務等を経て、2010年独立融部出身経歴を活かし、経営者にとって、難しいと感じる数字を分かりやすく伝えることに定評がある。また銀行等にもアドバイスを行っている。

事務所名 : 総合会計事務所

事務所URLhttp://lee-kaikei.jp/

弁護士ドットコムニュース

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