『明治緋色綺譚』(リカチ/講談社)
ダ・ヴィンチニュース

 芸能界でも加藤茶やラサール石井、堺正章などの年の差婚がブームになったが、少女マンガにおいてもその傾向は現れているようだ。30代と50代の恋愛を描いた『娚の一生』(西 炯子/小学館)でもその年の差が話題になったが、こちらはどちらも成人した大人同士。中には、もっとすごい年の差カップルがいるのだ。

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 まず明治時代の年の差恋愛を描いた『明治緋色綺譚』(リカチ/講談社)。遊郭に売られていた10歳くらいの少女・鈴を呉服屋の若き青年御曹司・津軽が身請けしたことから2人の関係は始まる。

 鈴が自分を助け出してくれた津軽のことが気になるのは当然だが、津軽の方は最初に「そういうシュミはないよ」ときっぱり言っていた。しかし、無自覚とはいえわざわざ実家にまで戻って髪飾りを探し、鈴の頭につけて「うん 思ったとおりカワイイ」なんて言うのは反則だ。それでは鈴が意識してしまうのも仕方がない。津軽に恋する鈴は、子供扱いされたり津軽が他の女性と親しげに話している様子を見ると拗ねてしまう。やはりいくつであっても女なのだ。また「あたし大人になったらすっごい美人になると思うわ」「早く決めといたほうがいいと思うよ」と自信満々に宣言する鈴を見ると、成長した姿を想像して楽しみにもなる。

 そして『これは恋のはなし』(チカ/講談社) は、31歳の小説家・内海真一と、彼の家の庭に勝手に入ってきて居座った10歳の少女・森本遥の話。スランプだった真一に対して、担当編集者の大垣が提案したのは、遥をモデルに恋愛小説を書くことだった。初めは「バカ言うな!」と突っぱねるだけだったが、ふとした時に見せる遥の大人っぽい表情や遥かに「好き」と言われたことでだんだん意識してしまう。さらに、遥のことが好きなクラスメイトの男の子相手に「頑張れよ少年…まぁ男として俺を超えるなんてのは20年はぇーけどな」なんて思いながら優越感に浸るほど。一方、遥は毎日真一のために食事を作り、掃除をする。真一がおにぎりは梅干だと言えばそれを用意し、おいしかったと言われて笑顔を見せるのだ。かいがいしく尽くす姿はまさに妻のよう。こんな小学生がいたら、確かにメロメロになってしまうかも?

 さらに、14歳と59歳で、45歳差という驚くべき年の差カップルまで登場。そのカップルが登場するのは『ファンタジー』(御徒町鳩/太田出版)という作品だ。触れると相手の心の中が見えてしまう少女・るみは、小さい頃から周りの人に恐れられて生きてきた。でも、定年間際の警官・ジンはそんなるみに「いいって言ったら触っていいよ」と言い「触らなくても友達にはなれるけどね」とほほえみかけてくれるのだ。初めて自分のことを受け入れてくれる異性が現れれば、意識するなというほうが無理な話。るみはすぐにジンのことを好きになり、警察の仕事に協力したあとは「大変だったあ~イイコイイコしてえ~!」と彼に甘えるのだ。当のジンもまんざらではない様子で、頭の中でエッチなことを考えたりもする。相手に伝わると分かっていても、やはり好きという気持ちは止められないのだ。そんな大人な部分にも、思春期の少女たちはドキドキしてしまう。ちょっと背伸びしたい女の子にとって、年上の男性は恋の相手にもってこいなのかも。

 そして、やはり子供といえど恋をした女の子たちは強いし美しい。その輝きはおじさんたちには眩しいくらいだが、それこそが彼らを引きつけるのだろう。しかし、マンガの年の差カップルは、一体どこまでいってしまうのか? 彼女たちが大人になるまでは、やさしく見守りたいものだ。

(ダ・ヴィンチ電子ナビより)

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