中国でレアアース(希土類)価格の下落が止まらない。7月以降だけでも40%も下落、中国の2大レアアース企業は生産を中断した。中国メディアの新浪によれば、中国人有識者の蔡成平氏はこのほど、レアアースを日本に対する「切り札」として用いることをやめるよう提言した。

  尖閣諸島(中国名:釣魚島)をめぐる対立を受け、中国で対日経済戦が叫ばれるなか、中国の人びとは日本企業の反応にのみ注意を向けているが、中国企業も苦境に直面している。貿易統計によれば中国から日本へのレアアース輸出量は前年比約7割減となり、レアアース平均価格はピーク時から約7割下落した。

  中国のレアアース最大手「内蒙古包鋼レアアース高科技」はこのほど、傘下企業が10月下旬から実施しているレアアース生産の停止措置を1カ月間さらに延長すると発表するなど、深刻な影響が出始めている。

  香港の有名な投資家は「レアアースではもはや、日本の首をしめることはできない。日本は早くからレアアースを備蓄し、代替技術も次々と発明している」と指摘した。

  日本は第2次世界大戦時に資源の海上輸送を遮られて苦境に陥ったことから、経済制限に対して非常に敏感だ。2010年の中国によるレアアース禁輸措置も深刻に受け止め、すばやい対応を見せた。中国のレアアース輸出先はその半分以上が日本であり、日本の中国依存度が減れば、当然中国の輸出量も大幅に減ることになる。

  中国産のレアアースが世界で90%のシェアを占めていたのは、安い価格で売り出していたからであり、世界の国々にはまだ多くのレアアース資源が残されている。中国依存の体制にはすでに変化が生じており、米国やオーストラリアなどがレアアースの生産を開始した。

  中国が世界の変化に取り残され、レアアースを資源武器と捉え続ければ、世界各国によるボイコットを受けて中国自体が大きな打撃を受けるだろう。

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