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2月8日、米国のある女性が89年の人生に幕を閉じた。66年間連れ添った妻の死に際し、94歳の夫は寝言で「寂しい」と漏らすほど深く悲しんでいたという。そして女性の葬式が行われた16日、車で葬祭場に到着した夫が突然力を失い、妻と別れの言葉をかける前に急死。相次いで両親を失った子どもたちはショックを受けながらも、急遽2人の葬式に変更すると、ユーモアある父を偲んで「驚きのダブルヘッダー」と書いたポスターを掲示し、駆けつけた参列者らを驚かせたという。

米紙グレンズフォールズ・ポストスターや米放送局NBC系列WNYT-TVによると、揃って知人に別れを告げる事態となったのは、ニューヨーク州ケンブリッジで暮らしていたノーマン・ヘンドリクソンさん、グウェンさん夫妻。2人の娘をもうけた夫婦は、幸せな結婚生活を送り晩年を過ごしていたが、そんな時間も66年で終わりを迎えた。数年前からパーキンソン病を患っていた妻グウェンさんは、家で娘たちの看病を受けながらの生活を続けていたものの、2月8日に89歳で息を引き取ったという。

長年連れ添った妻が天国へ旅立ち、「父は生きる気力を失ったんだと思う」と話すのは2人の娘ハウランドさん。娘たちが小さい頃から「『相手を残して逝かない』と冗談で約束していた」というほど、両親はお互いを深く愛しあっていたそうだ。またグウェンさんが亡くなった直後、ハウランドさんは父が「一緒に素晴らしい人生を送ったね、愛してるよ。寂しいけど私を見ててくれ」と妻へ語りかけている声を聞いたという。しかしこのとき、家族にさらなる悲しみが迫っているとは思いもよらなかった。

それから8日経った16日、夫と娘たちはグウェンさんの葬式を執り行うため、会場の葬祭場へと向かう。そして式場に到着した夫に、降りて間もなく異変が起きた。突然意識を失って倒れた彼は、すぐに駆けつけた救急隊から救命措置を取られるも回復せず、妻との別れに臨む直前に自身も帰らぬ人になったという。

母だけでなく父も失う唐突の出来事に、ショックを受けた娘たち。しかし、地元でもいつも冗談を言って面白い人として有名だった父の死を、彼女らは冗談でムードを明るく周囲へ伝えようと即座に考えた。急遽両親一緒の葬式を準備した娘たちは、式場の入り口に「驚きのダブルヘッダー」とのポスターを掲示。夫の急死を知らずに駆けつけた人たちはこのポスターに驚いたそうだが、ある男性は「ほかの人なら悲しい出来事だが、彼はそうじゃない。とても彼らしい」と話し、妻を追ったかのようなノーマンさんの死を悼んだという。

家族にとってはショックとはいえ、“冗談だったはずの約束”を守って仲良く天に召された夫婦。病から解放された母と「苦しむことなく、突然呼吸が止まった」父に対し、娘のハウランドさんは「彼らがお互いに強く求めていたということ」と考えているそうだ。
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