初音未来役のAKB48石田晴香インタビュー 
クランクイン!

 ニコニコ動画再生回数500万回以上という驚異的数字を叩き出したバーチャルアイドル・初音ミクによる名曲「千本桜」を舞台化した「ニコニコミュージカル第10弾 音樂劇 千本桜」。楽曲の世界観をベースに、大正浪漫の風情をたたえる新帝都・桜京の象徴である「千本桜」を巡る陰謀を描く同作で、初音未来を演じるのが石田晴香(AKB48)だ。舞台化決定発表および、初音役発表の際にはネットを中心に賛否両論が吹き荒れた。初音ミクの大ファンで「ニコニコ中毒」という石田が、今回の大役を務めることへの思いと覚悟について語ってくれた。

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 「え?あの『千本桜』を舞台化するの?しかも自分が初音ミクちゃん?」とオファー当時のリアクションを再現する石田。元々ニコニコ動画のヘビーユーザーだったが「前々からニコミュ(ニコニコミュージカル)に出演したい、出演したいとは言っていましたが、それがまさか私の大好きなミクちゃんの『千本桜』だとは思いもしなかった」と喜びよりも、戸惑いが先行した。世界的に活躍する初音ミク役、しかも自身初舞台。実在する人物ならまだしも、相手は2次元である。仮想キャラを生身の人間が演じることに、拒否反応が生まれるのは無理もない。石田自身「2次元キャラが3次元になるのは受け入れがたいことだし、様々な意見があるのはわかります」と理解を示している。

 しかしその一方で、ネット上には様々なクリエイターの手によって千差万別の初音ミクが生まれてもいる。メディアミックスも果たし、現実世界ではコスプレイヤーが各々の世界観で初音ミクを作り上げている。「色々な展開がある中での小さな一つが、私のミクちゃんなんです。ミクちゃんは皆のものなので、石田が表現するミクちゃんはどういったものなのか?という観点で見てほしい。私も私なりのミクちゃんを精一杯演じ切るつもりです」と覚悟を語る。本格的演技は今回が初だが「記憶力は良い方ではないのに、セリフや全体の流れも思った以上に覚えられている」と、思い入れの強いキャラクターだけに体に染み込むのも早かった。

 それでも「物語の展開は理解しているけれど、それが予定調和にならないために、キャラクターの感情に寄り添って演じないといけない。幕が上がって劇はスタートするけれど、初音ミクとしてはその前から時間が存在している。その雰囲気を出せるようにならなきゃ」と多忙なAKB48の活動を縫っての稽古は自分を追いつめる作業の連続だ。そんな忙しい日々の中にあっても、ニコニコ動画は一日一回開く。「鑑賞状況は一人だけれど、全国各地に同じ動画を見ている同じ趣味を持った方がいると感じられる。そんな皆と一緒に観ているような気持ちになってニコニコできて、世界って素晴らしいって思える」とその魅力を語る石田は饒舌だ。

 なお同舞台公演時にはネットチケットも用意されており、ニコニコ動画でも生で鑑賞可能だ。石田は「生放送は彼らのホームなので、批判的なコメントが書き込まれたらどうしよう」と戦々恐々だが「とにかく喜んでもらえれば嬉しいし、舞台についての感想を書き込んでほしいですね。頑張ってとか応援してくれるコメントが多ければいいな」とネット生中継にも期待する。その声色に、不安やプレッシャーの響きはなかった。石田にとって10代最後の覚悟は実を結びそうだ。

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