怒りを感じたらまずひと呼吸 Photo by Thinkstock/Getty Image
Laurier(ローリエ)

最近、あちらこちらで「怒る人」「不機嫌な人」が増えている、というお坊さんの話を耳にしました。集団のなかで生きている限り、見下されたり、裏切られたり、不誠実な態度を取られたりで、強い“怒り”を感じることは、誰にでもあるもの。しかし、そう頻繁に怒ったり、嫌ったりし続けるのも疲れるし、誰かの行動のせいで自分が不機嫌な状態にさせられるのも、考えようによっては悔しいものです。それよりは、「許し」が上手になり、うまく負の感情を解消できる人になったほうが、何より自分自身にとって幸せなはず。今回はそんな「許し方」のコツのご紹介です。

しばらく考えない。時間が過ぎるのを待つ


まず、ほとんどの出来事は、一時的に強い怒りを感じても、時間が経てば「そう大したことは無かったな」と思えるもの。衝動的に相手や周囲攻撃してしまうと、あとで取り返しがつかなくなったり、ひどく後悔することも多々。なので、強い怒りを感じるときは、そのことについてはしばらく考えないようにすること。いったん頭を冷やし、一呼吸置くことです。特にメールやSNSなどは衝動的に怒りをぶつけやすいツールですが、トラブルに繋がることもあるので、感情的になっている際は、ネットとの向き合い方は慎重になったほうがベターでしょう。

理想と期待を捨て、「現実はこんなもの」と諦める


また、腹が立つのは、相手に対して多少の理想や期待があるから、ということも。「常識的にはこうすべきなのに」「こうして欲しかった」という思いが裏切られたために、強い怒りを感じてしまうのですね。自分と違う価値観の人もいると心得、「そういう人もいる、仕方ない」「あんな風にならないようにしよう」と考える。これが現実、と受け止め、他人や環境に対してほどよく諦めることも、上手に怒りを手放すコツです。

「相手にしてもらったこと」も考えてみる


また、許せないと思う相手との“これまでの関係”について振り返ってみるのも、有効な方法です。具体的には、「1. 自分はその人に何かしてもらったことがないか」「2. 自分はそれに対して、何をして返せたか」「3. その人にどんな迷惑をかけたか」を考えてみる。心理学で有名な『内観法』という方法ですが、これをすると、自分ばかりが被害者でないことに気づける場合もあります。「そういえば、相手やその組織にお世話になったことも沢山あったな……」などと分かると、怒りも薄まりやすくなります。

「見方」を変えてみる


上記を実行しても怒りが収まらない場合は、物事の“見方”を変えてみるのもおすすめです。例えば、「周囲から追いこまれて、彼も切羽詰まっていたのだろう」「初めてで、どうしていいか分からなかったのだろう」などと、相手の心境や立場に立って物事を考え直してみる。さらには、客観的な立場から自分を見て、「お陰でいい勉強になった」「今後は発言を注意できるはず」などと、プラス面を見出してみること。自分以外の目線から考えるようにすることも、“許せない感情”を処理するコツです。

想像でメールのやり取りをする


また、どうにも怒りが収まらないときは、相手に対して「出さないメールを書く」のも良い方法です。まずは、相手に対して自分の怒りと思いを書き綴ってみる。翌朝、クリアな頭でそれを読んでみて、「相手がこのメールを見たらどう思うか」を想像して、返信メールを簡単に書いてみる。この一連の作業は、心に冷静さを取り戻させ、穏やかな方向に導くのに有効です。

以上です。「許せない!」と思い続けるほうが損だ、と考え、ひどく不義理なことをされた場合でも、相手側の立場になって考えてみたり、少し謙虚になってみたり、時にはそういうものだと諦めてみたり、トラブルに関わらない術を見出したり……。自分に合う“許し”の方法を見つけていきましょう。「許し」が得意になれば、心は自由になるし、良い気分でいられる時間も長くなる。「許せない!」と思う出来事があったときには、ぜひ試してみて下さいね。
(参考:「エリート×アウトロー世直し対談」 堀田力・玄秀盛 著/集英社)

(外山ゆひら)
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