ビートたけし氏、明石家さんま氏と共に「お笑いビッグ3」として括られることの多いタモリ氏。今でも「ミュージックステーション」「タモリ倶楽部」「笑っていいとも!」(「いいとも!」)の司会を務めるなど、テレビには欠かせない司会者の1人です。

 そんなタモリ氏のトレードマークであるサングラスの奥には、「孤独や絶望、諦めが隠されている」と分析した異色の書籍『タモリ論』が発売となりました。

 『タモリ論』を書き下ろしたのは、作家の樋口毅宏氏。「いいとも!」や「タモリ倶楽部」を初期から見てきた、長年のウォッチャーだと自負しています。その樋口氏がサングラスの名司会者への偏愛を爆発させ、語られることの少ないタモリ氏の"本当のすごさ"に迫っています。

 「タモリは三十年間、テレビの第一線を駆け抜けてきたスーパースターにも拘わらず、同じくお笑いの世界の盟主であるビートたけしと比べると、正当な評価を受けていないのは明らかです」と語る樋口氏。「一見その強さや凄さが伝わりにくい、まるで武道の達人のようです」と、誰に頼ることもなく、ひょうひょうと「笑い」に取り組む姿を評しています。

 また、長寿番組「笑っていいとも!」の生放送を司会するタモリ氏の精神力についても言及。自らのデビュー作『さらば雑司が谷』の一節を引用しながら、「まともな人ならとっくにノイローゼになっているよ。タモリが狂わないのは、自分にも他人にも何ひとつ期待をしていないから」と、30年間休まずに司会を務めるタモリ氏の「諦念」について考察しています。

 タモリ氏と言えば、お笑いタレント・コージー冨田が物マネをする際に用いる「髪、切った?」が有名です。樋口氏は、「いいとも!」の名物コーナー「テレフォンショッキング」で用いられるタモリ氏の口癖についても言及。

「コージー冨田がマネをした『髪、切った?』は、結局は聞くことがないゲストへの常套句でした」(樋口氏)

 と、あまり質問をすることがないゲストに用いる決まり文句であると分析しています。

 タモリ氏への飽くなき愛を吐露しながらも、ビートたけし氏や明石家さんま氏についても論考する本書。「お笑いビッグ3」が君臨した昭和・平成期のバラエティ番組への愛にあふれた一冊です。

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