年収低すぎて泣きそうな男性
NEWSポストセブン

写真の男性を見て「あれ、この人どこかで見たことが……」ということはないだろうか。彼の名前は大川竜弥(31歳・無職)。自称「日本一インターネットで顔写真が使われている男」だ。大川さんは“PAKUTASO”などフリー素材サイトに、様々なシチュエーションの写真をアップしている。写真の「口を押さえて驚く男」は、転職サイトの有名なバナー広告「うわっ…私の年収、低すぎ…?」と同じポーズをしたもので、最終的にはこの写真が同広告のパロディ的な「えっ…俺の土地、こんなに高く売れるの?」という不動産サイトのバナー広告になった。

大川さんが公開した写真は「バーカウンターで美女と酒を酌み交わす男」「今でしょ! 先生のマネ」「スーツとたすき姿で街頭演説をする候補者」など多岐にわたる。そして、使い勝手が良いものだからニュースサイトやバナー広告、果てには個人ブログでもこれら写真は使われる。フリー素材なだけに肖像権も放棄し、さらには写真の使用料も放棄している。大川さんはなぜこんなことをしているのか。本人に聞いてみた。

――「日本一インターネットで顔写真が使われている」と言いましたが、どれくらい使われているのですか?

大川:一時期は数を追いかけていたのですが、もはや追い切れなくなりました。こんなことをする理由は、まずネットで有名になりたいと思ったからです。まず、顔だけでもネット上で氾濫させて、顔が知れ渡った人になり、「この人は何をしている人か」と興味を持ってもらい、そこから名前も売っていこうと思ったのです。

――その先の野心は何ですか?

大川:効率良く仕事をしたいですね。今、僕は時々日雇いのバイトをしたりしているのですが、日々“日給8000円”みたいな仕事をしても長くは続かないと思っています。有名になれば、講演をしたり、原稿執筆依頼が来たりするかもしれません。“自分”を商品とする仕事だったら効率よく、単価が高く仕事ができると考えました。

――そう思ったきっかけは?

大川:そうですね、元々僕は体力には自信があったんですよ。でも、2年前に交通事故で大きな怪我をして、ほとんど仕事ができなくなりました。いつまでも健康ではないことが分かりましたし、体を酷使して働くことも辛いだろうと思いました。だから、効率良く単価の高い仕事をすれば、体が動かなくてもある程度のお金がもらえて生活が成り立つと思ったのです。

――29才でそれを悟ったのですか?

大川:そうですね。震災をきっかけにサラリーマンを辞めた人たちもいるといいますが、僕は交通事故をきっかけに人生を考え直しました。震災もそうですが、交通事故は誰にも起こるものです。それによって家で寝たきりになったり、体が動かない状態になることもあるのです。だからこそ、「これからは体を動かす仕事ではなく、自分に商品価値を持たせて仕事をしたい」と療養生活を送る中で思ったのです。

――「自分に商品価値を持たせる」と言いましたが、大川さんの強みは何ですか?

大川:今は「無職」と名乗っていますが、無職に必要なスキルは文章を書けることと人前でしゃべることにあると思います。この2点に関しては自信があります。今もトークイベントで登壇したりしていますし、強みは自分を表現する形で喋ることができ、文章を書けることです。トークイベントでも、その場の雰囲気を察知してお客さんが何を求めているかを把握し、出演者も客席も盛り上げられます。

――具体的には?

大川:僕は世間一般の人に比べると、変わった経歴があるんですね。プロレスラーのザ・グレート・サスケさんや、起業家の家入一真さんのマネージャーをするなど、パっと目を引く経歴がある。この1年間は、「顔面広告」といって顔に広告を貼って1日1万円もらうサービスで実験台になるなどネットで体を張ってきました。日本のネットでは匿名で自分の顔を出さないようにする人の方が多数派でしょう。でも、僕は全部をさらけ出してきました。

――それは将来の栄光のためですか?

大川:そうですね。

――大川さんの写真を使っている人は感謝しつつも、「この人はバカだなぁ」と思ってるんじゃないでしょうか。

大川:僕は人の意見はどうでもいいと思っています。何を言われようが、気にしません。特にインターネットの場合、何かを言ったらといって街中で襲われたり、自宅に誰かが襲撃に来るといったことはありません。自分の行動を、すべてエンターテインメントに変えて、ネットを中心に話題を作っていきたいです。

――これからやっていきたいことは何ですか?

大川:もっとテレビに出たいですよね……。これまでに「顔面広告」などで『めざましテレビ』と『とくダネ!』(ともにフジテレビ系)、それとロシアの国営放送に出ています。

――「共有」や「公共」というものは将来的にはお金につながるものでしょうか?

大川:つながると思っています。「フリーミアム」という言葉が一時期流行りました。僕は自分のことを「フリーミアム男子」だと思っています。無料で「自分の広告」としてネット上に写真をばらまいて、それを見た人から有料の仕事が来る。実際、「BULK HOMME」というメンズコスメの会社から仕事をもらえました。無料で写真をばらまくことにより、有料の仕事が来るという実感は今は持っています。

――使った時間と得たお金の比較をするとどうですか?

大川:無料のモノのために費やした時間が圧倒的ですね。これは時間の投資です。すぐに目先のお金になる仕事はいっぱいありますが、そこには想像を超える膨らみはありません。無料でどんどん出すことにより、今年後半はどんどん仕事が欲しいものです。今はネットをジャックしたと思っています。将来的には街中、電車をジャックしたとか、リアルの世界でも僕の写真でジャックしたいです。

――大川さんはもっと報われていいのでは?

大川:もっと報われたいですが、評価は人が決めるものです。今回のこの記事を見た人や、これから僕を知る人が「この人はどんな価値があるか」を知ってもらわなくてはいけないです。それで評価されなかったら仕方がないです。で、今日の結論を言いますと、「仕事ください!」ということです。

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