『ロウきゅーぶ!SS』蒼山サグ先生インタビューにインタビュー!(C)蒼山サグ/アスキー・メディアワークス/TEAM RO‐KYU‐BU! SS
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 「小学生は最高だぜ!」のフレーズが大人気となったテレビアニメ『ロウきゅーぶ!SS』。このたび迎えた最終回では、女の子たちの眩しいほどの頑張りに感動の涙を流した人も多いのではないだろうか。そこで、フィナーレ記念! 原作の蒼山サグ先生にインタビューを敢行。7月に発売された13巻で、原作も本編の完結を宣言した蒼山先生に、本作の誕生秘話からアニメ化の感想、気になる今後の展開までを聞いた。

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 本作は、小学生の女子バスケットボール部でコーチをすることになった、男子高校生・昴を主人公に、それぞれがバスケを通して成長していく姿を描く“ローリング・スポーツコメディ”。可愛らしい女の子たちにクローズアップした萌え要素と、シリアスなバスケシーンの絶妙なバランスが魅力だ。

 アニメ化が実現した2011年放送の第1期『ロウきゅーぶ!』、第2期となる『ロウきゅーぶ!SS』について感想を聞くと、「僕のやりたいことを、そのまま形にしてもらえた。スタッフさんには、すごく感謝しています」と蒼山先生。「第1期の頃は、僕が1巻を出した時と同じように、ロリの要素とバスケのシーンで、どちらに寄せていくのか試行錯誤で作っていた部分もあったと思うんです。2期では、『1期でやっていたことが間違っていなかったんだ』と、『ツーと言えばカー』というような雰囲気がありましたね」。

 「キャラクターがブレることもなかった」とうなずく。2期では、ぐっと心身ともに成長した女の子たちの姿が見られたが、先生自身が思う2期の見どころとは?「みんなの成長が見られるというのが、大前提なんですが、特に成長したなと思わされたのは、愛莉。5年生のキャラは、6年生のライバルという形で作っていったんですが、愛莉は穏やかな性格ということもあって、彼女だけライバルがいないんです。その中で、お兄ちゃんとの距離や下級生との繋がりなど、みんなとは別の方向から成長を見ることができた」。

 さらには、「でも、みんな成長しましたよね。智花は『勝たなきゃいけない』という思いでバスケをしていたのに、『仲間とベストを尽くすことの方が大事』と思えるようになった。真帆は、怪我をした時に『みんなに任せる』と言うことができた。紗季は、1期では外してしまったラストシュートのリベンジを果たした。ひなたは、ロリの象徴のような書き方をしているように見せて、実は内面はすごく大人(笑)。変に達観したところのある子なので、2期ではその辺りがより出せていたんじゃないかと思います」と、それぞれのキャラクターの成長について、じっくりと教えてくれた。

 『ロウきゅーぶ!SS』では、「小学生は最高だぜ!」のフレーズが、空耳となって聞こえてくるエンディング曲『Rolling!Rolling!』も話題に。「『こう、来たか!』とビックリしましたね(笑)。原作の1巻で、ある程度スケベ心を持って書いたフレーズではありますが、ここまで根幹のテーマになるとは思っていなかったです。僕としても嬉しい誤算」と笑うが、ここまで小学生の女の子たちが私たちを惹き付けた理由は、「真っ直ぐさにあるのでは」と分析する。

 「小学生の何が最高かを突き詰めていくと、真っ直ぐさだと思うんです。実際はどうかはわかりませんが、真っ直ぐであってほしい。リアリティよりは、自分の希望を込めて書いていました。健気に頑張る姿というのが、僕自身の心を打つものでもあるので、それを形にできたら良いなと思っていたんです。そこに共感していただけたのなら、嬉しいですね」。

 「健気に頑張る姿を形に」とのことだが、そもそもどのような瞬間に、この個性豊かなキャラクターたちが生まれたのだろうか。

 「バンドをやりたくてもうまくいかず、他の仕事をしようとしてもダメ。小説を書いてみようと思って賞に応募しても落ちてばかりで。やさぐれていた時期に、携帯電話も置いて四国にお遍路に出たんです。一人旅で、ほとんど野宿のような生活を送っていたら、あまりにもさびしくて。これは、頭の中でお友達を作るしかないなと(笑)。夜な夜な、一緒に頑張りたくなるような、見守っていたくなるようなキャラクターを作っていたら、この5人が生まれていました」。

 なんと、挫折と孤独が生み出したのが、『ロウきゅーぶ!』だった。「人生わからないですよね。限界を迎えた時に、いわば現実から逃げたわけです。お遍路から帰ってくるまでは、自分自身でもこの先どうなるかわからなかったですから。で、帰ってきたらこんなことになっていた(笑)。でも、今思うと、何かを『やりたい』と言いながらも、やり切ったことと言えば、小説を書き切るということだけだったような気がしていて。うまくいこうがいくまいが、何かをやり切ることが大事なんだなと、今、すごく感じています」。

 1巻の冒頭では、悩み立ち止まる昴の姿が描かれているが、どうやらそこには自身の投影があった様子で、「『これからどうしたら良いんだ』という昴の気持ちは、お遍路中の自分自身の気持ちとシンクロしていた」と話す。さらに「見守るという意味では、昴と同じ、いや、それ以上の目線を彼女たちに送っていました。僕は、『ロウきゅーぶ!』と向き合っている時は、そんなに原作者という意識はなくて。『俺が書いたった』というよりかは、垣根の向こうを覗こうとすることが、書くという行為になっているのかなと思うんです」とのこと。

 13巻で本編の完結を宣言したが、もうその垣根を覗くことはないのだろうか?「『中学生編を書かない』と言ったのは、中学に行っても、あの子たちはバスケを続けていると安心できたから。でもまだまだ、彼女たちに興味はすごいあるんですよ(笑)。ひと段落させたという気持ちはありますが、これで終わったという気は全然していない。ゲームで言うと、ファンディスク的なことはやっていきたいと思っています」とファンにとって嬉しい一言。「彼女たちが小学生の時代に関しては、もうちょっと垣根を覗いていたいですね(笑)。中学生編は、僕が小説として書くことはないと思いますが、僕も含め、皆さんに是非想像で楽しんでいただけたら嬉しいです」。(取材・文:成田おり枝)

 『ロウきゅーぶ!SS』ブルーレイ&DVD第1巻は現在発売中。以降続巻毎月発売。第2巻10月30日発売。

 『ロウきゅーぶ!SS』は10月20日16:00よりニコニコ生放送にて一挙放送。

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