もしもおならを我慢したら「消化器官にダメージを負う」
マイナビウーマン

今年10月、イギリスでおならの臭いを消す下着が発売された。これさえあれば満員電車やエレベーターでも、他人に迷惑をかけずにすっきりできる。

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もしもおならを我慢したらどうなるのか? 火山ガスにも含まれる硫化水素や刺激臭でおなじみのアンモニアなど、毒性の強い成分が含まれているのでお腹が膨れてしまうだけでは済まない。我慢し続けると腸の病気に発展するから、恥ずかしさは二の次にして世に解き放つのが正解のようだ。

■おならはテロ?

おならの臭いを消す下着は、イギリスのChemviron Carbon社が開発した。「消す」と表現されているものの、正確には臭いを吸収する下着で、靴の中敷きや冷蔵庫の消臭に使われる活性炭を使った素材・zorflexが消臭効果を発揮する。

臭い対策に炭が使われるのは内部に無数に開いた孔がポイントで、毛細管現象によって臭いのもととなる物質が取り込まれるからだ。Zorflexにも無数の孔があり、これを広げると1gあたりでサッカー場の半分の面積になるというから驚きだ。

もともと活性炭を扱う会社で、防衛や医療の分野に応じてきただけに技術水準は高い。化学兵器を防ぐための素材で作られた下着なのだから、おならはテロと同じに扱われているのだ。

おならが出るのはなぜか? 吸収されなかった炭水化物が発酵してガスを発生するのは確かだが、じつは70~90%が飲み込まれた空気なのだ。およその割合をみると、

・窒素 … 60~70%

・水素 … 10~20%

・二酸化炭素 … 10%

で、成人は1日2リットルほど発生する。おならが気になるひとは、お腹の調子や便意よりも炭酸飲料を控え、空気を飲み込まないようゆっくり食事をする方が効果的なのだ。

ほとんどが空気なのに、なぜクサいのか? まっ先に思いつくのがメタンで、牛のげっぷや生ゴミから発せられる可燃性のガスが臭いのもとと思っているひとは多いだろう。しかしながらメタンは無臭で、しかもごく微量しか含まれていない。

おならに含まれる臭い物質は、

・硫化水素 … 腐った卵のにおい

・二酸化硫黄 … 刺激臭

・アンモニア … 刺激臭

・アミン … 生臭さ

で、これ以外にも糞尿特有の臭いを放つインドールやスカトールも含まれる。これらの臭い物質はタンパク質をはじめ、ねぎ、にんにく、にらが分解される際に発生しやすい。焼肉やスタミナ料理のあとでおならが臭くなるのは、極めて当たり前の話なのだ。

■怖いもの見たさ、臭いものかぎたさ

おならを我慢するとどうなるのか? 恥ずかしがって我慢し続けると、かいよう性大腸炎やクローン病など、消化器官の深刻な病気につながる危険性があるのだ。

硫化水素や二酸化硫黄は火山ガスにも含まれる成分で、刺激臭だけでなく強い毒性を持っている。また、トイレのにおいの代名詞とも言えるアンモニアも粘膜を刺激するだけでなく、空気中に0.45%まで達すると生命に危険が及ぶほど有害な物質なのだ。

これらを腸内に閉じ込めておけば健康を害するのも必然で、おならを我慢するのは自らを危険にさらしているのと同じなのだ。

独特の臭いを放つインドール/スカトールも負けず劣らず毒性が強い。インドールは口に入れるのはもちろんのこと、皮膚に触れても害を与え、水に溶けると水生生物にまで影響するやっかいな物質だ。スカトールは水には溶けないものの、肺にダメージを与えるというデータもある。

驚きなのは、どちらもクサくて危険なのに香料として用いられている点だ。怖いもの見たさは良く聞く言葉だが、クサいものかぎたさも、人間の性なのだろう。

まとめると、

・おならはほとんどが空気

・おならの代名詞・メタンガスは無臭

・臭いを放つ成分は、有害物質が多数あり

がまんすれば消化器官にダメージを負うので、恥ずかしいなどと言っている場合ではなく、随時排出するのが望ましい。

■まとめ

Chemviron Carbon社が開発したこの下着を着ければ臭いの心配はないので、気兼ねなくブッと出そう。

ただし音は防げない。自動車のマフラーのように、消音効果のある下着が開発されるのを待つことにしよう。

(関口 寿/ガリレオワークス)

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