米Google社は、主にアフィリエイトサービスを利用しているWEBサイトに対し、公式ブログで次のような声明を発表した。

「この問いに答えてみてください。あなたのサイトには、インターネットユーザーが訪れたくなるような独自性・付加価値のあるコンテンツが掲載されていますか? もし答えがNOならば、あなたのサイトは品質に関するガイドラインに違反している可能性があります(※筆者訳)」

『Google To Affiliates: No Added Value, Then You Violate Our Webmaster Guidelines』(http://www.seroundtable.com/google-affiliate-guidelines-penalty-18022.html)

 またWEBマスター向けガイドラインでは「アフィリエイトプログラムに参加しているサイトは特に重要」とした上で、次のようなアドバイスをしている。

『GoogleのWEBマスター向けガイドライン』(https://support.google.com/webmasters/answer/76465)

「Googleは、内容の薄いウェブサイトは、ユーザーに対して価値のあるコンテンツを提供していないと考えている。これらのサイトは独自要素がなく、テンプレートをコピーしただけのように見える。(これらを放置すると)検索結果に表示されるページが似通った内容(テンプレ)だけになる可能性があり、ユーザーにイライラを与えてしまう(※筆者訳)」

<Googleが内容が薄いと判断する例>

・アフィリエイトプログラムが用意した商品説明などをそのままコピペしている

・独自の情報や付加価値を加えていない

・他と似通ったテンプレートのような記事

<内容が薄いと判断されないためのアドバイス>

・アフィリエイトプログラムはサイト構成のごく一部に抑える(アフィリエイトリンクなどをメインコンテンツとしない)

・ユーザーが元の商品ページではなく、わざわざあなたのサイトに足を運ぶ理由を考える(サイトに自分なりの付加価値を加える)

・あなたのサイトを訪れるユーザーの属性に合わせたプログラムを選ぶ。 それによってサイトの付加価値が高まり、Google検索順位も上げられ、アフィリエイトによる収益も増える

・あなたのWEBサイトを、ディスカッションの場やユーザーレビューの紹介など、ユーザーコミュニティとして活用してください。 それによって熱心な読者が集まり、独自の価値を与えられます。

・常に新鮮かつアフィリエイトプログラムとの関連度の高いコンテンツを提供してください。 それによってGoogleのロボットがクロールした際に拾う確率が上がり、検索結果からユーザーがクリックする可能性も高まります。

 このような内容を目にすると、日本のユーザーはまず2ちゃんのスレを抜粋しただけのまとめサイトなどを頭に浮かべると思うが、正直に言うとそれらが今回のGoogleのガイドラインに抵触するかは微妙である。おそらく、今回Googleがターゲットにしているのは、いわゆる「SEO対策」と称して行われるロボット化されたブログ記事などの「さらに悪質なページ」ではなかろうか? 

 悪質なSEO(検索エンジン最適化=Search Engine Optimization)対策が目立つのは特にアダルト系のブログ(いわゆるエログ)なのだが、それ以外の年齢認証の必要ない一般サイトにおいても、酷い方法で検索上位を維持しているケースが目立つ。

 一例を挙げると「外部からのリンク数および相互リンク数」を稼いで重要サイトと見せかけるために、意味不明な日本語の羅列になっているブログを半自動的に何十個(場合によっては何百)と生み出し、それぞれをリンクで繋ぐといった手法がある。こうしたロボットブログ群が同一IPでは弾かれるので、悪徳IT屋はご丁寧にもPCや回線をいくつも用意している。 SEO対策には松竹梅のように様々なコースが用意されているケースが殆どなのだが、「松コースならばGoogle検索で確実に上位が狙えます!」という場合は、それだけ大量のIPを使って"ロボットブログ"を作り、相互リンクしまくるだけだったりするのだ。

  "ロボットブログ"をもう少し具体的に説明すると、特定のキーワード(例えば有名人の名前) で検索をかけた場合に、前後の文章がまるで繋がっていない、辛うじて単語の羅列にはならずに済んでいるというだけの変なブログに飛んだ事がないだろうか? 例えば下記のような文章だ。

「AKBに肉体接待スキャンダル! これは実話! 前田敦子が大島優子に改造人間ともちんMステでおっぱいポロリ放送事故! 都知事選の陰謀はマジだったwww【画像アリ】→(URL)」 

 これを人間が書いているとしたら、早く医者に連れて行ってやれよというレベルだが、このように人目を惹きそうな単語を予め入力しておき、それらを一定の基準で選んで繋ぎ合わせるプログラムを組むだけの簡単なお仕事なのである。よく批判の的になる「人目を惹く見出し」 で読者を釣ってどうこうではなく、本文自体がロボットが勝手に組み合わせただけっていう......。

 様々な業者が悪さをしてくれたお陰で、現在はこうしたWEBページがスペースデブリかのように無数に散らばっており、今回のGoogleの目的はこうした「ユーザーにフラストレーションを与えるだけのゴミ」を検索結果から排除する事にあるのではないかと思う。(見当違いだったらごめんなさい)

 実際に上に挙げたロボットブログなどの手法は、Googleが検索アルゴリズムを変える度に通用しなくなっており、その都度悪徳業者とGoogleのイタチごっこが続けられている。今回の声明も、ネット空間を出来る限りクリーンにしたいという思いもあるのだろうが、単にいつも通りのやり取りなのではないかと勘ぐってしまう。とりあえずは、これを以って日本の個人運営のブログが急にどうこうという話にはならないだろう。

 また、現在はTwitterを使った悪どいロボット化手法も実用化されているのだが、先日ネットを賑わせたおっぱいポロリ騒動などもその一例である。 特にベタなやり方としては、自動的に何百何千とTwitterアカウントを作り、これと狙ったテーマを一斉にRTするといった手法がある。PC(プログラム) が勝手にやってくれるので、PCが数台あれば一晩放っておくだけで謎の一大ムーブメントが起きているかのように見せかけられるという塩梅だ。 当然こうした解りやす過ぎる手法はあっという間に対策されるのだが、隙間隙間を掻い潜って一瞬だけ稼げたら次に移ればいいのだし、詐欺師やITゴロツキがめげる事はない。あの手この手でGoogleなりTwitterなりの穴を調べ、ほんの何週間かだけでも通用するシノギが作れればそれでいいのだ。

 だからこそ、当サイトの『ネットウヨク論』でいの一番に申し上げた通り「ネットの情報なんかまずは疑え」という事なのである。あなたが見ているその文章は、実はロボットが書いたものかもしれないし、それを確認する手段はない。記名があってもゴーストが書いてるだの、代理店が書いているだの、疑い出したらキリがないのがインターネットである。だからこそ 「ユーザー各々が出来るだけキレイに使いましょうね、公の場所をみんながキレイに使えば、少しずつゴミが減って快適になるでしょう?」というのがごく基本的な考え方となる。インターネットリテラシーのはじめの一歩は「ネットは公共の場所だと認識すること」だと覚えておこう。今回のGoogleの声明も、早い話がそういう事である。

Written by 荒井禎雄

Photo by blakespot

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