男女ともに実力を伴いながらも、謎のベールに包まれているサッカー北朝鮮代表。中国メディアはこのたび、そんなサッカー北朝鮮代表の女子チームに密着、練習の様子やチームの雰囲気などを事細かにレポートした。

これは2月11日から15日まで中国・重慶で開催された4か国(中国・北朝鮮・ニュージーランド・メキシコ)対抗の国際大会に出場している北朝鮮女子代表に地元紙記者が密着したもので、報じられた内容は練習の様子、移動のバスの中の雰囲気、選手の持ち物など多岐にわたっている。

まず、練習に向かう移動のバスの中では、北朝鮮のほとんどの選手は無言。ただただ車窓の風景を眺めていたという。また、バス乗車時は監督らスタッフを最優先し、選手たちはみな最後に乗車、ミーティングでも監督が去った後に選手はその場を後にした。

選手たちは移動のときだけでなく、ホテルでの食事中も物静か。洗濯場には洗う服がきれいに畳んで置かれており、この光景を目撃した記者はすでに洗い終わった服と勘違いしたほどだった。

北朝鮮代表の荷物が他のチームと比べて明らかに少なかったことも伝えている。選手がはいているスパイクのブランドは多様で、アディダス以外にもアンタ、UCANなどといった中国ブランドのスパイクをはいている選手も。大会初戦を終え、選手たちが街をぶらついた際には、20分もしないうちに選手たちはホテルに戻ってきてしまい、実際に買い物をしたのは監督のみ。監督は掃除機と電気ストーブに関心を示し、最終的に140元(約2,400円)の電気ストーブを購入した。ある選手は洋服に興味を示したものの、値段を通訳から聞かされると残念そうにその場を立ち去ったという。

北朝鮮の選手たちがパソコンやタブレットを誰一人として持っていなかったことも興味深い。監督もパソコンは持っておらず、北朝鮮側の通訳は常に中国側の通訳のパソコンを借りて自国との戦況報告などのやり取りをしていたそうだ。

また、北朝鮮代表は、ほかのチームがまだ眠りについている朝7時に体操とジョギングを選手たちに課していた。朝食を食べるのはその後。記者が監督に「なぜ北朝鮮女子代表はここまで強くなれたのか?」と質問を投げかけると、「秘訣は何もない。訓練の賜物だ」と答え、「(以前よりも弱くなった)中国女子サッカーは練習が少な過ぎる」とも述べている。

北朝鮮代表の監督はとても厳格だったそうで、選手たちが要求に答えられないと罵倒することもしばしば。中国の監督とは大きく異なり、練習時間もほかのチームが1時間で済ますのに対し、北朝鮮代表はそれよりも長く練習に費やしていたという。

北朝鮮サッカー協会の副事務総長によれば、現在、北朝鮮の女子サッカーには3つのディビジョンが設置されており、ファーストディビジョンには14チームが加盟している。女子選手はみなアマチュアで、軍人や警官、大学生、会社員など職業は多種多様。試合前に集合して練習をこなし、試合が終わるとまたそれぞれの職業に戻るそうだ。なお、選手たちの給料に関してはノーコメントだった。