中国語、韓国語、英語、そして日本語。多言語を武器に楽曲を作り、ステージに立つダンス・ボーカルユニット「Asian 4 Front(アジアン フォー フロント)/通称:A4F(エーフォーエフ)」。リーダーTAKESHI(タケシ)は沖縄出身の日本人で、中韓ハーフのMINAMI(ミナミ)は日本育ち。またアメリカと台湾のミックスだというLIN(リン)と、100%台湾人のAIR(エアー)。国際派の男女4人組で、台湾を拠点にアジア全域を視野に入れて活動中だ。来日中にインタビューし、前編では出演したイベントと映画について質問した。(写真は筆者撮影)

――音楽イベント「沖縄国際アジア音楽祭 musix」に、2年連続で出演しました。その感想から聞かせてください。

 MINAMI(以下M):とてもホットなステージでした。たくさんの方が応援してくださって、韓国語で声をかけてくれたファンもいたんです。すごくうれしかった! 去年は「誰なんだろう?」という雰囲気で私たちを見た方が多かったと思いますが、今年はA4Fを知っている人が増え、有名になったと勘違いするくらいでした(笑)。心がわくわくした楽しいステージでした。

 TAKESHI(以下T):観客席に誰もいなくても僕たちの力でお客さんを呼び込めばいい、という気持ちでステージに上がったんです。でも想像よりもたくさんのお客さんがいてくださって、歌っているとどんどん人が増えていった感覚もありました。A4Fの登場を待っていた方たちもいると感じ、とにかくうれしかったです! 反省点もありますが、1回目よりもステップアップできたと思っています。

 LIN(以下L):去年は緊張した思い出がありますが、今年は早くステージに出たいという気持ちであふれていました。ちょっと寒い日でしたが、ステージに上がると熱気に包まれ、とても楽しかったです!

 AIR(以下A):沖縄のみなさんは優しいですね。数日前に沖縄の空港に着いてバスに乗る時、僕の名前を呼ぶ係員がいました。失くした財布を届けてくれたのですが、一生懸命僕を探してくれて本当に感動しました。沖縄の人の心の優しさを感じましたが、ステージに出た時も同じように、温かい応援が伝わってきました。台湾に近い沖縄は、第二の故郷のようです。

――A4Fのパフォーマンスで会場が盛り上がりました。台湾との観客の違いや気付いたことなど、教えてください。

 L:台湾では学園ライヴの機会が多く、生徒と先生が一緒に楽しみながら盛り上げてくれます。沖縄では子どもから大人までの幅広い年齢層の方が来てくださって、アメリカの方もいましたね。ファッショナブルなおばあちゃんが一緒に踊ってくれた場面もありました。いろんな人が集まる場所でライヴができることを、心から楽しめた時間でした。

 M:出演時間は30分でしたが、どんな風にステージにいたのかわからない位あっという間に時間が過ぎてしまいました。もっと歌いたい! という気持ちでいます。

 T:セカンドアルバムの楽曲を中心に、ダンスの曲もありながらゆっくりな曲もある構成にしました。初めてA4Fを見る人にはガツンガツンな面を見せたかったですし、それが終わるとすっと引くような感じにして、違う面も持っているとアピールしました。次の機会にはもっと踊って、ダンスで見せるシーンも多く作りたいと考えています。沖縄出身の僕は家族や友達にパフォーマンスを見てもらえることが、うれしいんです。台湾でやっていることを実際に見せられますから。そして日本のファンの方も増えてきているので、またパフォーマンスできる機会を作れるように、がんばります!

――出演した台湾映画、『光にふれる(原題:逆行飛翔)』について。見どころやエピソードを聞かせてください。

 T:ダンス部の設定がある映画で、最初はコリオグラファーとしてオファーをいただきました。出演者に振付けを教える段階で、ダンス部にはもっと人数が必要だということになり自分も出ることになったんです。ハンデを負いながらも頑張っている方がいる、健康なのが当たり前だと思ってはいけないと教えてくれる素晴らしい映画です。泣きながら見ましたし、友情や家族愛を気付かせてくれます。台湾を始めいろんな国で評価されている映画が、ついに日本にも来たという感覚ですね。出番は多くありませんが、台湾映画デビュー作で心から感動できる作品に巡り会いました。

 A:僕のシーンがもっと長ければうれしかった、と今思います(笑)。静かに展開していく所がこの映画の魅力で、作品が持つリズム。盲目の男性が主役で実話が元になっている部分に、メッセージが込められています。ありがたいことに僕は健康体ですがそれが当然のようになっていて、自分はもっと頑張らなければいけないと感じました。励まされる映画なので、たくさんの方に見ていただきたいです。

 L:リアリティがある作品だと思っています。夢を持っていてもお金がなくて学べないのがヒロインですが、実際にもたくさんいて、自己投影できる感覚になれます。ほかにも現実的なキャラクターが出てきて、私が演じたような子もいますよね(笑)。踊りたい恋愛したいと思って行動する、楽しければいいという現代女子を象徴している役なんです。ある意味幸せなのかもしれません。撮影現場は楽しい雰囲気でした。ヒロイン役のサンドリーナ・ピンナさんは、プロ中のプロと言える女優。風邪をひいているシーンでは、カメラが回っていなくてもそういう声や仕草で、演技を見ていて勉強になりました。そして記者会見の時には、私のような新人にアピールの場を作ってくださるなど、細かい心配りをしてくださいました。サンドリーナさん演じるダンサーを目指す女性と視覚障害を持つ天才ピアニストが、夢に向かっていく姿が描かれている感動的な作品です。ハンデを持つ人たちを助けよう、と考えるきっかけもできるといいなと思います。~後編に続く~(取材・文責:饒波貴子)(Asian 4 Frontの詳しい情報は、公式サイト「http://asian4front.com/ja/」にてご確認ください)