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  福島第一原発事故の早期収束を目的としたシニア層(原則として60歳以上)による社団法人「福島原発行動隊」(以下:行動隊)の隊長・山田恭暉氏は、2011年8月9日に自由報道協会主催の記者会見で、国家プロジェクトチームを作る必要性などを訴えた。また、東電側から現在の状況について、「人手の問題がかなりきつい」という話があったことを明かした。

 行動隊は7月12日の福島第一原発視察後、議論を重ねて意見を集約。8月3日に政府と東電に対して、簡易作業への早期参加・被ばく量管理体制の確立・収束作業の国家プロジェクト化の3点を柱とする「退役技能者・技術者等の福島原発事故収束作業への参加に関する提案」を提出した。

 行動隊が原発の核心的な作業に携われるようになったとしても、その実現には、かなりの時間がかかることが予想される。そこで、まずは大きく体制を変えなくても済む、環境汚染モニタリングや瓦礫除去、除染といった実現可能の高い作業への参加を目指す。その中で、作業員の安全のためにも、行動隊がより広範な作業に携わるためにも、しっかりとした被ばく量管理体制を確立することを国に求めていくという。

 また山田氏は、「東電さんはこれまで立派な仕事をしており、ここ数カ月の現場では大変短い期間に大変な量をこなしたという点で敬服している」としながらも、現在の設備は仮の設備であり、10年単位で動く設備を作るには、さまざまな専門家を統合した国家プロジェクトチームを作る必要があると主張。これまでの経験から、提案への回答は2~3週間後の見込みだろうと話した。

■東電「人手の問題がかなりきつい」

 一番の懸念は、政府・東電が行動隊の受け入れを拒否することだが、山田氏は「今までの経過からして、そういうことが出てくることはまずないだろうと考えている」と回答。その根拠として、政府側については細野豪志原発事故担当相が、参議院の内閣委員会で受け入れを「前向きに検討する」と述べたことを挙げた。

 東電側については視察の際に、「作業員は足りている」との説明を受けていたが、当時は循環注水冷却システムが稼働したばかりで、東電側に余裕があったといい、数日後のメールのやり取りでは、「人手の問題がかなりきついという話があった」と明かした。その上で、「皆さまの声で政府が動かざるを得ないというところへ持って行けないか」と、国民のさらなる支援にも期待する。

 行動隊の隊員は今も増加中で、ついに500人を突破。山田氏はその意義を「500人は社会で影響力を持つためのマイルストーン(一里塚)」と表現する。一方で、原発視察の報告会で少なくない隊員から「幻滅した」との声が上がったように、人数が増えるほど統制がとりにくくなるのも事実だ。しかし、これについては、

「若い人たちの被ばくを肩代わりしようという目標は一致しているけれど、理念や信念、決意はバラバラ。行動隊はアメーバーのようだ」

と実にうれしそうに語る。会見を通して、山田隊長は終始笑顔を崩さなかった。

(野吟りん)

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