岸田文雄内閣発足を契機に、「レジ袋有料化」をめぐる議論が再燃している。

導入当時の旗振り役だった小泉進次郎氏が退任し、新たに山口壯氏が環境相に就任したことがきっかけだ。

これを受け、桜田義孝衆院議員が、自身のツイッターアカウントで、「レジ袋についてのご要望を頂いております。レジ袋有料化メリットデメリットについて、私の盟友である山口つよし環境大臣に直接ご相談をさせていただきました」と投稿(10月5日)。

ネット上では「無料に戻すべき」「本当に環境問題の改善につながっているのか」など、有料化に対する不満が相次いで投稿される事態となったのだ。それに伴い、旗振り役だった小泉氏に対する批判も噴出していた。

レジ袋有料化は既定路線だった

もっとも、レジ袋有料化は、小泉氏が発案したものではない。

新聞記事を検索すると、小泉氏の前任にあたる原田義昭環境相(当時)が2018年10月4日におこなわれた会見で「レジ袋は有料化も義務づけるべきではないか」と発言したことがわかる。その10日後には、環境省が小売店などにレジ袋有料化を義務づける方針を固めたと報じられた。

さらに、日本経済団体連合会経団連)も同年11月には、法律によって全国一律にレジ袋有料化を義務づけるよう求める意見書をとりまとめるなど、各界に広がっていた。

レジ袋有料化に向けた動きは加速し、2019年5月31日に策定された「プラスチック資源循環戦略」にレジ袋の有料化義務化(無料配布禁止等)が盛り込まれ、同年6月3日には原田環境相がレジ袋有料化に必要な法令の制定を表明。さらに、同月開催されたG20エネルギー・環境会合で、世耕弘成経済産業相(当時)もレジ袋有料化の方針を明らかにした。

当初予定していた2020年4月開始が同年7月になるなどの方針変更を経て、2019年12月27日の容器包装リサイクル法の省令改正により、正式な導入が決定された。

小泉氏が環境相に就任したのは2019年9月11日で、省令改正こそ在任中におこなわれたが、就任時にはすでにレジ袋有料化は既定路線だったといえる。

環境省だけでなく経済産業省も主体的に関わっていることや、レジ袋以外のプラスチック製品の提供削減も今後求めていくことなどを加味すると、小泉氏の退任をもって、ただちに国がレジ袋有料化を見直す方向に動くとは考えにくい。

小泉氏の思惑、案外叶ったかも?

今回の騒動で、レジ袋の有料化への不満が根強いことが明らかになったが、決して意味がないわけではなかったのかもしれない。

有料化して間もない2020年7月、小泉氏は「レジ袋がなくなることでプラスチックごみの問題が解決するとはそもそも考えていないし、解決はしない」と説明。レジ袋有料化の目的は、プラスチック全体について持続可能な循環経済のあり方を考えるきっかけにしてもらうことにあると話していた。

その思惑は叶ったというべきか。有料化により、レジ袋を辞退する人が増えているという。

日本フランチャイズチェーン協会によると、コンビニレジ袋を辞退する人の割合は有料化前の「28.3%」から有料化後には「74.6%」になり、約3倍となった。

また、日本チェーンストア協会によれば、以前からエコバックの活用などが広がっていたスーパーでも、辞退する人の割合が「57.2%」(2019年度)から「75.3%」(2020年度)に増えた。

一方で、レジ袋をゴミ袋として利用していた人もいたためか、メーカー調査で取っ手つきのポリ袋の売り上げが有料化前の2倍以上になっていることが報じられている。必ずしもレジ袋の有料化によってプラスチックごみの総量を減ったとは言い切れないことも事実だ。

プラスチックごみをどう減らすべきかという点が喫緊の課題であることは間違いない。環境相の交代をきっかけに、これだけ議論が沸くのであれば、「レジ袋有料化をきっかけに環境問題に目を向けてほしい」という小泉氏の願いは少なからず実現されたといえるかもしれない。

小泉前環境相は「レジ袋有料化」発案者を否定、では一体誰が?