ウミガメは1億年来、この地球に生息している驚くべき生物で、中にはおよそ2億3千万年前のものとされる化石もある。ウミガメは一度の産卵で100個以上の卵を産むが、砂浜では人間による卵の捕獲が後をたたない。
また、孵化した子ガメの多くはカニ、キツネ、鳥などに襲われて命を落とし、海にたどり着いても魚に食べられるものが多く、厳しい自然の中で1年以上生き続けられるのはごくわずか。そのため、絶滅のおそれのある野生生物に、6種のウミガメが掲載されている。
■日本で唯一の道の駅
道の駅紀宝町ウミガメ公園は、三重県南牟婁(ろむ)郡紀宝町にある、日本で唯一ウミガメを展示している道の駅だ。現在SNS上で話題を呼んでいるのが、アオウミガメのだんご(5歳)で、前脚の使い方がまるでネコのように愛くるしい。
飼育員の伊藤さんは、「おそらくかゆいと感じていて、かいているのだと思う」と話す。しかし、この光景はめったに見られない姿だという。
■成長したら海に返す予定
だんごは近くの浜で産卵されたが、この浜が台風で水没してしまうため、地元の孵化場に移されて誕生した。現在、甲羅のサイズが約45センチだが、60センチ程度に成長したら、海に返す予定だという。
「60センチ程度に成長すれば、魚やサメに捕食されにくくなる」と伊藤さん。世界中には、ウミガメを食べる文化の国があり、日本でも小笠原諸島で捕獲が許可されている。
■大人が興味深く触っている
紀宝町ウミガメ公園では、昨年から繁殖にもチャレンジし、現在は9匹を展示中。土・日・祝日の午前11時から午後2時まで、ウミガメに直接触れることができる。このイベントでは、特に大人が興味深く触っているそうだ。
甲羅は硬いが、前脚がプニュプニュしているため、そのギャップに驚いている様子だという。
■まるでネコのような様子
ウミガメは猫です。 pic.twitter.com/hwS0RZYZA7
— 道の駅ウミガメ公園 公式 (@umigamekouen) October 11, 2021
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