バンジージャンプ

事故が起きれば、まず死を免れないとされるバンジージャンプ。挑戦者はインストラクターの説明にしっかりと耳を傾けるものだが、もしもそこに焦らせるような言葉が含まれているとしたら…?

カザフスタンで起きた悲惨な事故の話題を『TENGRINEWS』が報じ、イギリスの『Mail Online』なども紹介している。


■25メートル下の地面に

事故が起きたのは、カザフスタン・カラガンダ州の州都カラガンダにあるホテル。そこには、屋根から82フィート(約25メートル)飛び降りるバンジージャンプのアトラクションが設けられていた。しかし、当局の認可を得ずに営業していた疑いもあるという。

そのジャンプが失敗し、3人の子供を育てているエフゲニア・レオンティエワさん(33)が死亡した。その日は友人とともに遊びにきていたが、重度の脳挫傷につき助けようがなかったという。


■ロープを固定する前に…

事故が起きたとき、エフゲニアさんはハーネスを装着していた。だが、そこに取り付けるロープの安全確認がなされる前にジャンプしてしまったという。

「ゴーサインの前にエフゲニアさんは飛び降りてしまった」と主張するインストラクターだが、なぜ行き違いが発生したのか、録画されていた映像や目撃証言をもとに事故の調査が行われた。

すると、ジャンプ寸前のエフゲニアさんに、インストラクターが何か話しかけていたことがわかった。

■「何も考えずさっと飛び降りて」

「怖くなるから見下ろさないほうがいい。ここの端に立ったら何も考えずに、さっと飛び降りてしまうに限るよ」とエフゲニアさんに話しかけていたインストラクター。

これにより、別の係員がロープのもう一端を木に取り付ける前に、彼女は飛び降りてしまったとみて、警察はこのインストラクターおよび責任者の起訴を検討している。有罪なら、最高で懲役8年の実刑判決が下るのではないかという。


■言葉の聞き間違いも怖い

旅では冒険心がより高まるとみえ、海外でバンジージャンプに挑戦する人は多い。だが2015年には、スペインのカンタブリアで「言葉の聞き間違い」による悲劇的な事故が起きていた。

オランダ人の17歳の少女が、インストラクターに「Now, jump.(さぁ、飛んでごらん)」と言われたと勘違いし、やはりロープが未装着のうちに飛び降りてしまった。実際には「No jump.(飛んではダメ)」と言っていたという。

インストラクターのよけいなひと言が原因か バンジージャンプで女性が事故死