日本には長崎空港関西国際空港など、海上に建設された空港「海上空港」が複数存在する。大阪観光局によれば、関西国際空港は世界初の「完全人工島からなる海上空港」だ。

 中国では近年、航空需要が急増しており、空港の建設プロジェクトも複数存在するが、遼寧省大連市では海上空港の建設も進められている。中国メディアの百家号はこのほど、大連市で建設されている海上空港は完成すれば「世界最大の海上空港になる見通し」だと伝えつつ、これに対して「日本はきっと焦りを感じているに違いない」と主張する記事を掲載した。

 記事は、大連で建設が行われている空港の名称は「大連金州湾国際空港」となると紹介。大連市は面積こそ小さい都市だが、極めて発達した都市であり、既存の周水子国際空港の輸送能力は過負荷状態となっていることから大連金州湾国際空港の建設が決まったと紹介。そして、この空港が大きな注目を集めているのは、陸上に建設されたものではなく、20平方キロメートルを超える埋立地の上に建設された「海上空港」だからだと強調した。

 そして、「海上空港」といえば、日本の関西国際空港は世界初の「完全人工島からなる海上空港」だと紹介しつつ、関西国際空港は近年、沈下などの問題が生じていると主張。一方、大連金州湾国際空港は世界最大の海上空港になる見通しであり、開業すればトランジットも含め、多くの路線が就航することになり、そうなれば関西国際空港のアジアにおける地位にとって脅威になるのは間違いないと主張した。

 続けて記事は、関西国際空港の例を見れば、海上に空港を建設するのは非常に難しいことが分かると指摘する一方、大連の場合は空港を建設するうえで適切な場所に土地の余裕がないのが現状だと指摘。海上空港となったのはやむを得ない一面があったと主張する一方、中国はインフラ建設で膨大な蓄積があると主張し、海上空港の建設や運営における困難も乗り越えることができるはずだと論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

大連で建設中の海上空港に、「日本はきっと焦っている」=中国