ニューヨークアルスター郡のミネワスカ州立公園保護区で今月12日夜、岩の割れ目から12メートル下に落ちた犬が5日ぶりに救助された。岩の割れ目は非常に狭く、救出には洞窟や廃坑などのレスキューを専門にするボランティアが活躍したという。『Hudson Valley One』『New York Daily News』などが伝えている。

12日に救出されたのは12歳のメスのコッカープー“ライザLiza)”で、7日に飼い主の女性と一緒にミネワスカ州立公園を訪れてハイキングを楽しんでいたところ、足を滑らせて転落した。

ライザリードを付けていなかったうえ、落ちた割れ目は5歳くらいの子供がやっと降下できるほどの幅しかなく、愛犬が消えるのを目撃した飼い主は州立公園のスタッフに助けを求めた。

7日夜からライザの救出にあたったというスタッフは「犬の鳴き声は聞こえていましたが、岩の割れ目が狭すぎてカメラを入れてもライザがどこにいるのかを確認することすらできなかったのです」と当時を振り返り、あの手この手でなんとか救出を試みたものの失敗に終わったことを明かした。

こうしてライザの転落から5日後、同公園は米北東部で洞窟や廃坑などでのレスキューを専門に活動する「ニュージャージーイニシャルレスポンスチーム(New Jersey Initial Response Team、以下NJIRT)」に応援を要請、12日午後3時にNJIRTのメンバーが現場に到着した。

ライザの鳴き声は10日を最後に聞こえなくなっていたそうで、現場には同公園のパークレンジャーアルスター郡のSPCA(動物虐待防止協会)のスタッフが集まり作業を見守った。

この日ライザの救出に抜擢されたのは、NJIRTの中で最も小柄のジェシカヴァン・オードさん(Jessica Van Ord)で、配管の検査などに使われる特別なカメラライザの居場所を探知、体を狭い隙間にねじ込んで竪穴を降下し、12メートル下の平らな地面にライザがいることを確認した。

ジェシカさんは「下まで降りると立つことができ、ヘルメットを被っていても横を向くことができました。ライザの近くに行くと息をしているのがわかりホッとしましたが、すぐ後ろには別の穴があいており、ライザを驚かさないよう心がけました」と明かしており、このように続けた。

割れ目の穴の状況からライザの捕獲にはアシスタントが必要であると判断し、別のメンバーに穴の途中まで降りてきてもらいました。そして先端に輪がついた捕獲棒を受け取ると、ライザの頭上に置きました。捕獲棒の先にはホットドッグ用のソーセージが吊るしてあり、ライザは後ろ足で立ってソーセージを取ろうと動き出したのです。」

「そのソーセージで注意を引く一方で、私はライザの体に輪を引っかけて捕獲しました。この様子をカメラの映像で見ていた人たちからは歓声があがっていました。」

ジェシカさんによると、竪穴の最後の上りはかなり狭く、ライザをレスキュー用バッグに入れて引き上げてもらってから登りきったという。

こうして午後5時頃、NJIRTのメンバーの活躍によりライザは無事救出された。ライザは思いのほか元気で、公園関係者は「カメラの映像にはライザが湿った岩壁を舐めている様子が映し出されていました。ライザが数日間何も食べずに生き延びることができたのはそうやって水分を摂っていたからでしょうね」と語った。またNJIRTには「永遠のヒーロー」「素晴らしい仕事ぶり」「助かったのはあなたたちのおかげよ」といった称賛の声が多数あがった。

なお今回の救出成功を受け、ニュージャージー州の公園関係者は「飼い主がライザと再び会えたことは非常に喜ばしいこと」と述べたうえで、「ペットや飼い主、公園の脆弱な資源を守るためにも、飼い犬にはリードを付けることを徹底して欲しい」と注意喚起している。

画像は『New York Post 2021年10月14日付「Dog rescued from crevice in upstate New York after five days without food, water」(NYS Parks)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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